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VUCA時代を生き抜くエンジニアに必要な3つのスキル技術スキル、ビジネススキル、もう1つは……?(1/2 ページ)

技術力だけでは生き残れない。ビジネススキルも必要だ。でも、本当に必要なスキルはもっと根源的なものだった――。

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 はじめまして。「AMG Solution」でエンジニアとして働いている佐藤環と申します。現在31歳で、IT業界歴は7年目です。

 入社してから数年は、SESのプログラマーとしてさまざまな現場で先輩社員たちと働いてきました。現在は、社内の受託案件でリーダーとしてプロジェクトに参加している傍ら、社員のエンゲージメントの促進を促す社内交流部門を運営しています。

 7年という少ない期間ではありますが、私の仕事内容は大幅に変化してきました。本記事は、私がどのような変化を経験してきたのか共有し、今後起こり得る変化と、それに対応するためにはどのような「スキル」が必要なのかを考察します。

 結論から書くと、今後エンジニアには技術スキル以外に2つのスキルが必要になります。

エンジニアが経験するパラダイムシフト

 結論に至る前に、私がこの7年間でどのような変化を経験し、今後私たちはどのような変化に直面するのかを記します。

私が経験した変化たち

技術の変化

 技術は日々進化し、変化していきます。

 私が経験した技術的な変化は「クラウド化」です。初めは、オンプレミスのサーバからMicrosoft Azureへの移管を行ったプロジェクトでした。いまでこそクラウドサーバは当たり前ですが、ひと昔前はオンプレのサーバが主流でした。

 私はサーバエンジニアではありませんが、クラウド知識は最低限必要なナレッジです。クラウド以外にも、AI、機械学習、XRといわれる新技術など、エンジニアが求められる知識やスキルは日々新しいものになっています。

組織内の立場の変化

 組織でエンジニアとして働き、経験や年齢を重ねていくと、立場が変化し、求められる役割や仕事内容も変わっていきます。

 私は入社当時はいちエンジニアでしたが、現在は5人のメンバーを束ねるプロジェクトリーダーです。リーダーになると、チームの進捗(しんちょく)管理はもちろん、プロジェクト全体の進捗にも目を向ける必要が出てきます。メンバーの教育も仕事の範囲となり、自己完結できる仕事ばかりではなくなります。

 組織内での役職も変わりました。私の現在の役職は係長です。会社によって役職はさまざまですが、わが社で係長は一般社員の2つ上の役職です。一般社員の1つ上が主任で、一人称で仕事ができる前提で一般社員の教育が求められます。係長は、組織の方針を一般社員に伝え、人を動かしていくことが求められます。

 技術的な仕事内容も、立場や役職と共に変化してきました。

 初めて参画したプロジェクトでの私の仕事は、テスターでした。一通りシステムをリリースした後で、追加機能を構築する時期にプロジェクトに加わりました。次に参画したプロジェクトには詳細設計から製造を行うプログラマーとして参画し、単体テスト、総合テストを経験しました。その後は、受託案件で設計を行ったり、打ち合わせに同席したりするようになりました。現在は、要件定義や顧客の要望を聞くところから納品まで担当しています。

 この過程で必要な技術領域も広がりました。はじめはJava言語などの技術単体を知っていればよかったのですが、システム開発全般の知識が求められるようになりました。

社会全般の変化

社会環境の変化

 社会環境の変化は、現在進行形で起こっています。数年前までは「将来的には起きるだろう(が、いまではない)」と思われていたものごとが、コロナという外的要因により急速に前倒しせざるを得なくなりました。

 働き方が変わった人も多いでしょう。私の周りではおおよそ7割くらいの人がテレワークになりました。

 環境の変化への対応が最も求められたのは、会社の上層部やプロジェクトを取りまとめるマネジャーやリーダー層だったと思います。組織としての意思決定とリモート環境でどのようにプロジェクトを運営していくか、プロジェクト管理の重要性がより明確になりました。

IT業界の変化

 時代の変化と共にIT業界にも変化は訪れます。

 現代は「VUCA」と呼ばれる時代です。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったものがVUCAで、不安定な要素が多いことを意味します。当然IT業界もこれに該当し、組織としての在り方も、プロジェクトの進め方も、スピーディーに変わっています。

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