Mac OS X+PHPでオールインワン環境

準備編 クライアントPCに言語環境を入れる理由

繁田 卓二
株式会社 qnote

2008/7/25

MacPortsのインストール

 ではMacPortsをインストールします。公式サイトより最新版インストーラのディスクイメージファイルを取得します。インストーラはMac OS Xのバージョンによって変わりますので、Leopard(Universal)を選択しダウンロードしてください。

関連リンク:
リンク The MacPorts Project Download & Install
http://www.macports.org/install.php

 ダウンロードが完了するとイメージがマウントされ、画面2のようなインストールアシスタントが起動します。特に設定項目はありませんので、ライセンスをよく読みウィザードを進めてインストールを完了させてください。

画面2
画面2 MacPortsインストーラ起動画面

 MacPortsのインストールはこれで終了です。通常のアプリケーションのように単体のプログラムがインストールされるわけではなく、/opt/localディレクトリ以下に独自のライブラリヘッダやコマンド群がインストールされています。

 以後、MacPortsでインストールしたパッケージはすべてこのディレクトリ以下に配置され、Mac OS Xにインストール済みの環境とは完全に切り離され独立した環境となります。例えば、SQLiteデータベースクライアントのsqlite3コマンドはLeopardでは「/usr/bin/sqlite3」にコマンドが配置されていますが、MacPortsでインストールした場合は「/opt/local/bin/sqlite3」にコマンド本体が配置されます。

 インストールバージョンも当然異なりますが、両者が干渉することもなく、状況によってLeopardとMacPortsのsqlite3コマンドを使い分けることができるのです。

 しかし、MacPortsの環境にあるコマンドを使用するたびに、/opt/local/bin/……と入力するのは面倒なので、ユーザーの環境変数である$PATH変数にMacPortsの環境を優先するように記述しておきましょう。ターミナルでユーザーのホームディレクトリ直下にある.profileに以下のexportコマンドを記述します。

$ vim ~/.profile

export PATH=/opt/local/bin:$PATH

 記述後はsourceコマンドで変更を反映させます。

$ source ~/.profile

 これで、すべてのコマンドが、/opt/local/bin以下を優先的に参照するようになります。試しに、sqlite3コマンドがどちらを参照するかwhichコマンドに聞いてみましょう。

$ which sqlite3
/opt/local/bin/sqlite3

 このように参照先が/opt/local/binを指していれば完了です。同じコマンドがLeopard環境とMacPorts環境に存在しても、MacPorts環境が常に優先されることになります。逆にLeopard標準のsqlite3コマンドを使用したい場合は「/usr/bin/sqlite3」のようにフルパスで指定すれば実行可能です。

MacPortsのアンインストール

 MacPortsのコマンド群を使用したくない場合は、$PATH変数の/opt/local/binへの参照を外せばよいだけです。MacPortsの環境自体が不要になった場合は以下のディレクトリ群を削除します。ApacheなどMacPorts環境のデーモンが起動している場合は削除前に停止しておいてください。

/opt/local/
/Applications/MacPorts/
/Library/Tcl/macports1.0/

 また、パッケージによっては自動起動の設定ファイルが生成される場合がありますので、「/Library/LaunchDaemons/」ディレクトリ内の「org.macports.」で始まるファイルも削除しておきましょう。

Xcode Toolsのインストール

 portコマンドでのパッケージインストールの前に、もう1つインストールしなければならないものがあります。それはXcode Toolsです。

 portコマンドはパッケージのビルドにgccやmakeなどの開発コマンド群を使用しますが、Leopardではそれらのコマンド群は標準ではインストールされていません。Xcode ToolsはLeopardインストールDVDより追加可能で、Cocoa統合開発環境のXcodeとともに開発コマンド群もインストールされます。

 Xcode Toolsは、Leopardの「Mac OS X Install DVD」ディスク(写真1)を開き、「Optional Installs」フォルダ→「Xcode Tools」フォルダの中にある「XcodeTools.mpkg」ファイルを実行すればインストールアシスタントが起動します(Leopardがプリインストールされたマシンでは付属の「Mac OS X Install Disc 2」(写真2)を使用します)。

左:写真1 パッケージ版LeopardのMac OS X Install DVD
右:写真2 プリインストール版LeopardのMac OS X Install Disc 2

 こちらも設定や入力はありませんので、アシスタントに従ってインストールを完了させてください。

2/3

Index
クライアントPCに言語環境を入れる理由
  Page1
クライアントマシンに言語環境を入れる理由
LeopardにプリインストールされたPHP環境
独自の環境を構築する
Page2
MacPortsのインストール
MacPortsのアンインストール
Xcode Toolsのインストール
  Page3
Apacheのインストール

Mac OS X+PHPでオールインワン環境

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  Coding Edgeフォーラムフィード  2.01.00.91


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