Database Watch 9月版 Page 1/2

激論! PostgreSQLとMySQL、明日はどっちだ


加山恵美
2005/9/16

 暑い夏が終わり、そろそろ秋の気配が感じられるようになってきました。データベース業界では秋から新バージョンの発表が続きます。実りの秋となりそうです。

Oracle Database 10g Release 2 出荷開始

 秋の収穫にはまず「Oracle Database 10g Release 2」があります。Oracle Database 10gの発表から1年余りが過ぎ、その新版となるRelease 2がいよいよ出荷開始となりました。9月7日のLinux x86対応版出荷を皮切りに、10月18日にはSolaris Operating System(SPARC)、HP-UX PA-RISC(64-bit)、AIX5L Based Systems、11月1日にはMicrosoft Windows(32-bit)とプラットフォーム別に順次出荷が続きます。真っ先に出荷となる「Oracle Database 10g Release 2 for Linux x86」はNECのISP「BIGLOBE」での採用が決まりました。

 Release 2では、企業内のデータをグリッドで統合して高い可用性で運用できるのが特徴です。先月の記事「PostgreSQLとMySQLが急接近しているらしい」で報告したように、先にRelease 2を出荷した米国オラクルは記録的なベンチマーク結果を発表するなど性能の優位性を強調しています。話題となる新機能には「Oracle Real Application Clusters 10g」(RAC)に対応したプロビジョニング機能があり、RACのノード追加が早くできるなどRAC周辺は特に強化されています。また障害発生時に自動的にフェイルオーバーしたり、複数ノードのシステムで1つのノードずつバージョンアップを行うローリングアップグレードによりバージョンアップ時にシステムを止める必要がなくなるなど、高い可用性を実現しています。

 さらにRelease 2ではこうした運用の底力を強化するだけではなく、セキュリティ面の強化も注目です。国際機関による各種認証を取得していること、新機能では表や列を自動的に暗号化したり、Recovery Managerで取得したバックアップ・ファイルを暗号化するなどが挙げられます。またデータベース・キャラクタセットではUnicode 4.0が使用可能となっています。

 新版の出荷に当たり、ホワイトペーパーをはじめとした各種技術資料がオラクルの技術情報を公開するサイト「OTN Japan」で次々と発表されています。またオラクルは11月1日に技術や製品情報を紹介するセミナー「Oracle Grid Day」を開催します。

  • Oracle Grid Day
    日時:2005年11月1日
    会場:赤坂プリンスホテル(東京都千代田区)

 さて次なる収穫には「SQL Server 2005」が期待できます。正式発表は11月17日です。8月のTech・Edなどで徐々に詳細が明らかにされつつあります。さらにマイクロソフトはSQL Server 2005環境での検証や問題点の洗い出しが行える「マイグレーション・ラボ」を開催したり、SQL Server 2000のライセンスとソフトウェアアシュアランスを同時に購入するとSQL Server 2005 のリリース時に無償でアップグレードできるキャンペーンを行うなど、SQL Server 2005のユーザー拡大に早くから積極的に動いています。

 2004年にDB2の新バージョン「V8.2」を発表したIBMも他社製品との比較を行っています。9月と10月にオンデマンドなデータ活用方法と他社データベースとの徹底比較を行うセミナーを開催しています。

 どのベンダもライバルとの比較を熱心に行っています。それぞれに特徴や独自の長所がありますから、それらを最も引き出せる指針が伝わるといいですね。(次ページへ続く)

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 Index
連載 Database Watch 9月版
激論! PostgreSQLとMySQL、明日はどっちだ
Page 1
・Oracle Database 10g Release 2 出荷開始
  Page 2
・明日はどっちだ、両ユーザー会が激突
・HiRDB認定制度が始まる


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