Database Watch 11月版 Page 2/2

DBの常識を覆すDB2 9.5“Viper 2”の仕掛け


加山恵美
2007/11/15

NeoCoreXMS、サイバーテックに事業譲渡

 XMLデータベースでは「NeoCoreXMS」の事業譲渡がありました。三井物産セキュアディレクション(以下、MBSD)とサイバーテックは10月31日、MBSDが行ってきた米Xpriori社製のネイティブXMLデータベース、NeoCoreXMSの日本国内総販売店事業をサイバーテックに一括譲渡することで合意したと発表しました。NeoCoreXMSは「やわらかい」をキーワードにした、XMLをその構造のまま格納できるネイティブXMLデータベースです。

 なぜ事業譲渡となったかというと、主としてMBSDは「内部統制事業に注力するため」と説明しました。譲渡先となるサイバーテックはネイティブXMLデータベースの中で最も歴史のある「Cyber Luxeon」の研究開発と販売をしており、ライバルに虎の子を渡すように見えるかもしれませんが、MBSDは大事に育ててきたNeoCoreXMSのためにXMLデータベースを熟知しているサイバーテックに託すことに決めたようです。

 これでサイバーテックはNeoCoreXMSとCyber LuxeonというネイティブXMLデータベースの両雄を抱えることとなります。ともにネイティブXMLデータベースという点では同じですが、特徴で見ると2製品は対照的です。誤解を恐れずにいうなら、マニュアル車で硬派なCyber Luxeonに、オートマ車で軟派なNeoCoreXMSといったところでしょうか。

 どう違うか、比較してみましょう。まず先に登場したのがCyber Luxeon(当初はeXcelon)です。オブジェクトデータベースを基にしており、当初は「更新には強いが高いパフォーマンスを出すには検索のインデックス作成やチューニングが必要」な製品でした。いまでもCyber LuxeonはXMLをDOMでハンドリングすることにより更新系の処理に強く、きめ細かなチューニングができる硬派でプロ志向の製品です。

 
サイバーテック 代表
橋元 賢次 氏
 

 後から登場したのが、NeoCoreXMSです。車といえばマニュアル車しかない時代に登場したオートマ車のような存在でした。それまでいい運転をするには高度な操縦技術が必要でしたが、NeoCoreXMSはフルオートインデックスの採用で、手軽にアプリケーションが構築できることを強みにシェアと人気を伸ばしてきました。

 そのためNeoCoreXMSは検索に強く、Cyber Luxeonは更新に強いというように特徴が分かれています。XMLを扱うシステムを構築するなら適材適所がとても大事です。サイバーテック代表の橋元賢次氏は「サイバーテックはこれからも“XML everywhere”を掲げ、XMLデータベースを構築する際に最適な解を提供できる唯一のベンダになります」と強みを強調していました。

 キャラの違う両雄だからこそ、互いに良いところを伸ばすように成長していくといいですね。サイバーテックなら適材適所となるように、両者を振り分けてくれそうです。

「ネイティブXML」機能は当たり前に?

 今月はネイティブXML機能を強化したDB2と、本家ネイティブXMLデータベースのNeoCoreXMSとCyber Luxeonを話題に取り上げました。私感ですが、ここのところ「ネイティブXMLデータベース」の定義が広がっていると感じています。

 もともと、ネイティブXMLデータベースとはRDBMSではないデータベースを指す用語でした。RDBMSはテーブルでデータを持つため、XML機能を有していたら「ハイブリッドな」XMLデータベースと呼ばれていました。RDBMSとは違い、XMLのデータをそのツリー構造のまま格納・操作できるのがネイティブXMLデータベースであり、それが強みでした。

 しかしDB2 9以降、ネイティブXMLデータベースが実現する機能をRDBMS製品も徐々に実装するようになってきています。いまではほかのRDBMS製品も「ネイティブXML」を口にするようになり、最近ではRDBMS製品ではないネイティブXMLデータベースは「専用XMLデータベース」と呼ばれるようにもなってきました。ネイティブXMLデータベースの定義から「RDBMSではない」という概念は除かなくてはならないと感じています。

 RDBMS製品がXML機能を実装するようになった現象の背景には、それだけXMLをその構造のまま操作する必要性が高まっていると考えられます。そのうちネイティブにXMLを操作する機能はどんなデータベースにも必須となりそうです。

 ただそうなると先駆けとなった“本家”ネイティブXMLデータベース群らは、RDBMS群の猛追を振り切るべく強みを強調していく必要があります。“本家”対“RDBMS”のXML機能対決は今後どうなっていくのでしょうか。ではまた来月、お会いしましょう。

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 Index
連載 Database Watch 11月版
DBの常識を覆すDB2 9.5“Viper 2”の仕掛け
  Page 1
・よりXMLネイティブに“Viper 2”登場
・かゆいところに手が届くXML関数
・DB2 9.5の最新情報と事例のイベント
Page 2
・NeoCoreXMS、サイバーテックに事業譲渡
・「ネイティブXML」機能は当たり前に?


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