Database Watch
Database Watch 2008年4月版

「御三家」 vs. OSS vs. XML DBの世界を覗く


加山恵美
2008/4/21

 花見には行きましたか? 満開の桜を見ると新入社員になった日を思い返し、心機一転また頑張ろうという気になりますね。今月は新たにデータベースにかかわる方に向けて、データベース関連の情報をご案内します。新入りさん、一見さん、いらっしゃい!

商用RDBMS「御三家」――オラクル、IBM、マイクロソフト

 本連載ではデータベース業界や技術動向を追っています。データベースがシステムに重要な存在であるのは言うまでもないことですが、加えて、筆者は次のように考えています。

 一概にITでシステムといっても、多種多様にあります。しかし情報に何らかの処理を行うのがシステムですから、データがないシステムはあり得ません。データが不可欠であれば、そのデータを格納するデータベースはシステムにとってほぼ必須となります。

 ただし、そのデータベースも用途や規模によりさまざまですから、本稿では企業で情報システムを開発し運用するエンジニアになじみのあるリレーショナルデータベース(RDB)を中心に紹介していくこととします。

 データベースはITの世界では成熟した分野ですが「枯れた」ものではなく、まだまだ進化と競争を続ける興味深い領域です。筆者はデータベースの専門家ではありませんが、今後もお付き合いいただければ幸いです。

 では早速、データベースを紹介していきましょう。企業のITシステムをオープンシステムで構築するなら、有名な商用データベースが3つ挙げられます。

オラクル Oracle Database

 オラクルの顔とも言えるOracle Databaseは、グリッド構成による大規模なシステムを容易に構築できる強みを持っています。2007年10月には最新版となる11gをリリースしました。商用データベースの中では常にベンチマークで高い記録をはじき出すなど、とても精力的で目立つ存在です。

 余談ですが、目立つといえば、最近青山に建設中のオラクル新社屋ビルもよく目立つ外観です。秋までにはできあがるとか。

IBM DB2

 IBMが提供しているデータベースにはDB2Infomixがあります。どちらも1970年代にリレーショナル データベース マネジメント システム(Relational Database Management System:RDBMS)理論に貢献したエドガー・コッド博士の研究成果をもとに開発されたものです。近年、DB2はXMLデータベースとのハイブリッド化を精力的に進めており、それを「pureXML」として全面的に打ち出しています。2007年10月には最新版DB2 V9.5 Viper 2をリリースしました。

マイクロソフト SQL Server

 商用RDBMSの中では後発ではありますが、近年RDBMS「御三家」として台頭してきているのがSQL Serverです。ほかの2つは昨年ほぼ同時にメジャーバージョンアップしましたが、こちらはまさにこれから。次期版となるSQL Server 2008は今年の商用データベースの注目トピックになりそうです。

日本製RDBMS――HiRDB、Symfoware

 日本製のデータベースも根強い人気があります。ホスト系技術を継承しつつ、XMLDBとのハイブリッド化を進める日立のHiRDB、安定稼働と省力運用に力点を置く富士通のSymfowareなどです。

オープンソースRDBMS

 ここからは、オープンソースで配布されているRDBMSを見ていきましょう。なお、オープンソースのものでも、複数のライセンス体系を持っているものや、有償のサポートを受けられるものもあります。

MySQL

 今年初めにSun Microsystems, Inc. が、開発元であるMySQL ABの買収を発表し、2月には買収が完了しました。今後は日本でも、手厚いサポートを受けられるようになるそうです。MySQLはYahoo! やミクシィなど著名なWebサイトでも導入されています。データ統合が比較的容易で、多くのWebアプリケーションフレームワークでサポートされているのが特徴です。

 オープンソースでのWebサイト向けシステム構築の定石と言われることの多い「LAMP構成」の「M」はMySQLのことです。ここからも分かるとおり、MySQLは主にインターネット上に公開されるシステムを中心に稼働しているデータベースといえます。なおMySQLには、無償のコミュニティ版のほかに有償のエンタープライズ版もあります。

PostgreSQL

 PostgreSQLは、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校(UCB)で開発された「Ingres」を起源とするオープンソースのRDBMSです。新機能を搭載することにとても精力的です。近年では毎年のようにメジャーバージョンアップを重ね、性能強化にも熱心に取り組んでいます。本稿執筆時点での最新バージョンは、2月にリリースされた8.3.0です。PostgreSQLは日本における知名度や普及率が高いのも特徴です。日本のコミュニティの貢献も開発に強い影響を与えているようです。

Firebird

 Firebirdは、日本ではあまり知らせていませんが、海外で根強い人気を誇るオープンソースのデータベースです。ボーランドで商用RDBMSとして開発された「InterBase」をオープンソース化したものから発展しています。バージョン1.5系が長らく主流でしたが、現在はメジャーバージョンアップ版である2.0系の開発も活発に行われています。3月には2.1 RC 2が登場しています。

ネイティブXMLデータベースはどうなる?

 近年では、前述のIBM DB2や日立 HiRDBがXMLデータベースとのハイブリッド化にとても熱心ですが、ネイティブXMLのデータベースも健闘しています。

 XMLがW3Cで勧告になったのは今から10年前、1998年2月のことでした。この勧告直後からすでにネイティブXMLデータベースが登場しはじめていましたが、当初は技術的な課題や使用上の性質もあり、普及は限定的なものでした。

 しかし、数年前から再びXMLデータベースの人気が復活しつつあるようです。勧告当初からウォッチしていた側からすると、ようやく機が熟してきたとも言えますが、今後はXMLデータベースとのハイブリッド化を進めるRDBMS陣営にどう対抗していくかが気になるところです。以降で主要なネイティブXMLデータベースの動向を見ていきましょう。

 

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 Index
連載 Database Watch 2008年4月版
「御三家」 vs. OSS vs. XML DBの世界を覗く
Page 1
・商用RDBMS「御三家」――オラクル、IBM、マイクロソフト
・オープンソースRDBMS
・ネイティブXMLデータベースはどうなる?
  Page 2
・スキルと人脈が広がるお勧めの場所とは?


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