Database Watch 2008年8月版
Webシステムも視野に入れた注目のリリース
SQL Server 2008の新しい波を乗りこなせ！
加山恵美
2008/8/22
8月はオリンピックに夏休み、楽しめましたか？ データベースの世界では、8月の初めにマイクロソフトから大きな“ウエーブ”がついに発表になりました。
マイクロソフトの「大波」、満を持して登場
大きな波の到来です。マイクロソフトはSQL Server 2008の提供を開始しました。2008年8月1日よりボリュームライセンス製品が提供開始、パッケージ製品は9月19日より提供開始となります。
今年マイクロソフトは「2008 Launch Wave」と称し、サーバ製品の提供を順次開始しています。最初にVisual Studio 2008が“ザブーン”、次にWindows Server 2008が“ザブーン”、そして最後にSQL Server 2008が“ザッブーン”というイメージでしょうか。マイクロソフトは記者会見で「2008年最大のビッグウエーブ」と呼んでいました。満を持してのリリースです。
正式な提供開始は8月1日からでしたが、マイクロソフトはパートナー各社と協力して対応アプリケーションやソリューションの早期提供に向けて準備してきました。7月末時点で、149社のパートナー企業が195のアプリケーションおよびソリューションで対応を表明しています。これは、実にSQL Server 2005ローンチ時に比べて1.5倍です。
また日本語プレビュー版（CTP 2月版）の配布数は累計約3万5000コピー、トレーニングに参加したエンジニア数は約1万5000人にも上ります。すでにSQL Server 2008に触れたエンジニアは少なくはないことでしょう。
今後マイクロソフトはさらにエンジニアの育成を強化していこうとしています。象徴的なのが、あの「Dr. K」の招聘（しょうへい）です。SQL ServerのユーザーグループPASSJではおなじみの顔、CSK Win テクノロジ 執行役員 CTOの熊澤幸生氏がマイクロソフトの技術顧問となりました。同氏は＠ITの「Dr. K's SQL Serverチューニング研修」の執筆者でもあります。SQL Serverではカリスマ的な人物として有名ですね。
今後は熊澤技術顧問によるパフォーマンスチューニングや旧バージョンからのマイグレーションやアップグレードなどの特別トレーニングが提供されていくようです。楽しみですね。
| 【関連リンク】 Dr. K's SQL Serverチューニング研修| Database Expert ― @IT |
SQL Server 2008 Web版の登場で「LAMP」を「WISA」へ
正式な提供開始に伴い、新しいエディションが製品ラインアップに追加されました。これまでのEnterprise版、Standard版、Workgroup版に加え、Web版の新設です。
このWeb版は最大CPU数が4CPU、最大メモリは無制限、容量は無制限ですので、ここまではStandard版と同じです。しかし、Standard版は全社および部門で使用する中規模システムが対象となっているように、企業内で使うことを想定しています。一方Web版は企業内ではなく、インターネットに公開するWebサイトで使うことを想定したものです。
このWeb版の登場にはマイクロソフトがWebサーバの領域に進出しようとする狙いがこめられています。よく「LAMP」と呼ぶように、Webサイト構築で人気がある組み合わせは「Linux（OS）、Apache（Webサーバ）、MySQL（データベース）、PHPやPerlやPython（アプリケーション）」があります。マイクロソフトはこれらを自社製品に置き換えることを狙っています。
すなわち、Linuxの代わりにWindows、Apacheの代わりにIIS、MySQLの代わりにSQL Server、そしてアプリケーションにはASP.NETという具合です。
ただ、現実的には「P」で作成された資産が多くあるとマイクロソフトは認識しており、「“LAMP”から“WISP”を経て“WISA”へ」というシナリオを描いています。WISPは、Windows／IIS／SQL Server／PHPのことです。今後WebサイトはどれだけWISP色に染まっていくでしょうか。
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| Database Watch 2008年8月版 SQL Server 2008の新しい波を乗りこなせ！ |
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Page 1 ・マイクロソフトの大波、満を持して登場！ ・SQL Server 2008“Web版”の登場で「LAMP」を「WISA」へ |
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