Database WatchDatabase Watch 2011年5月版

NoSQLを飲み込むRDBMS

加山恵美
2011/5/11
今回のテーマは、恒例のO'Reilly MySQL Conference & Expoです。キーノートで次期バージョンとなるMySQL 5.6やMySQL Cluster 7.2の話題が飛び出し、日本のエンジニアの中から表彰者が出るなど明るいニュースがありました。加えてオラクルのデータベースセキュリティへの取り組みについてご紹介します。

NoSQLに近づくMySQL

 今月はMySQLの恒例イベントから。4月11日からアメリカのサンタクララにてO'Reilly MySQL Conference & Expoが開催されました。

 MySQLといえば2010年末にMySQL 5.5のGA(正式版)を新たに投入したのが記憶に新しいところです。ほかにも2010年は4月にMySQL Cluster 7.1、7月にMySQL Workbench 5.2、12月にはMySQL Enterprise Monitor 2.3など、実は2010年はこれまでになくGAリリースの多い実りの年だったのです。

 しかし開発のスピードは落ちる気配もありません。もう次のバージョンへと向かっています。注目はキーノートでも発表されたMySQL 5.6MySQL Cluster 7.2です。つい最近、評価版のダウンロード提供が始まりました。

 MySQL 5.6はオプティマイザ、「InnoDB」ストレージエンジン、パーティショニング、レプリケーションなどの機能に改良を加えて処理性能向上を図っています。目を引く新機能としては、memcached互換のプロトコルが使えるようになる点が挙げられます。MySQLをNoSQLのように使えるようになるそうです。この機能はまだラボで開発中とのことですが、わくわくしますね。

 MySQLと同じようにオープンソースのRDBMSとして有名なPostgreSQLにも新バージョンである9.0が登場しました。2010年9月のことです。本連載2010年7月号でも紹介したように、PostgreSQLの開発者たちもNoSQLに目が向いています。固定概念にとらわれず、新しい技術、新しいトレンドを積極的に取り入れていこうという姿勢は、仲間と作りあげていくオープンソースならではという気がします。

MySQLコミュニティで日本人が活躍

 MySQL Cluster 7.2ではJOIN実行時の処理性能改善が期待されています。JOINの処理速度はMySQL Clusterでは大きな懸念事項だったため、ユーザーの期待に応える改善となりそうです。

 MySQL 5.6とMySQL Cluster 7.2の新機能については2010年8月号で登場してくれた奥野幹也さんがブログ「漢(オトコ)のコンピュータ道」にて詳しくレビューしてくれています。そちらも要チェックです。

 同イベントでは日本人エンジニアがMySQLコミュニティへの貢献を認められ、表彰されました。まずDeNAがCorporate Contributor of the Year 2011を受賞。同社から松信嘉範氏が「Linux and H/W optimizations for MySQL」というセッションで演壇に立つなどしています。松信氏は長らくMySQLのコンサルティング経験がある専門家で、昨年9月にDeNAに転職なさった方です。

 加えてYasufumi KinoshitaさんがCommunity Contributor of the Year 2011を受賞しました。KinoshitaさんはMySQLはもちろん、InnoDBにとても詳しくXtraDBの作者でもあります。PerconaのMySQL Performance Blogにも寄稿されていますし、MySQLのユーザー会ではパフォーマンスに関して高度な技術を解説してくれる方です。


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NoSQLを飲み込むRDBMS
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NoSQLに近づくMySQL
MySQLコミュニティで日本人が活躍

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データを完全に暗号化する時代が来た
Intelプロセッサの新機能を利用して暗号化の性能を飛躍的に高める
PostgreSQLは次バージョンで大幅機能追加の予定



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