データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(3)

「SQL」に関する問題


西沢直木
2008/7/11

本連載では、テクニカルエンジニア(データベース)試験に対応できる知識を確認していきます。多岐にわたる知識が問われる試験ですので、受験する方はもちろん、そうでない方も技術知識の確認に役立ててください。
目次
今回の出題範囲
17年-午前問題-問34/18年-午前問題-問30/19年-午前問題-問33

 



 

 

問3-2 アクセス権限の設定

 ビューのSELECT権限に関する記述のうち、適切なものはどれか。

 
ビューに対して問合せするには、ビューに対するSELECT権限だけではなく、元の表に対するSELECT権限も必要である。

 
ビューに対して問合せするには、ビューに対するSELECT権限または元の表に対するSELECT権限のいずれかがあればよい。


ビューに対するSELECT権限にかかわらず、元の表に対するSELECT権限があれば、そのビューに対して問合せすることができる。


元の表に対するSELECT権限にかかわらず、ビューに対するSELECT権限があれば、そのビューに対して問合せすることができる。

(19年-午前問題-問33)

答え

解説

 ビューに問い合わせをするための条件を問う問題です。結論からいえば、ビューに対するSELECT権限があれば、ビューにアクセスすることができます。元のテーブル(表)に対するSELECT権限は必要ありません。

 何の変哲もない問題ですが、ビューとテーブルにアクセス権限を設定する考え方は、午後の問題でも出題されています

 例えば、ユーザーテーブルに直接アクセスさせないために、元のテーブルにはアクセス権を与えず、テーブルから作成されたビューのみに対してアクセス権を与えるという考え方です。また、SELECT権限のみを与えて、INSERT権限やUPDATE権限を与えないことで、ユーザーによる元のデータの変更を防げます。

 同様に、元のテーブルに直接アクセスさせないことで、情報の漏えいを防げます。

 例えば、「SELECT * FROM T_users」とすると、パスワードを含めてテーブルに含まれるすべての情報が参照できてしまいます。これに対して、項目を限定したビューを作成しておけば、そのビューに対して「SELECT * FROM V_users」と実行されても、参照される情報を最低限にとどめることができます。


column::SQL文対策にお薦めの本

 これからSQL文に触り始めるという方や、実務でSQL文を毎日使っているわけではないという方は、過去の問題を解くだけではなく、SQL関連の書籍を手に学習した方がよいでしょう。

 ここでは、試験対策としても役立ちそうなSQL関連の書籍を紹介します。

◆『改訂新版 反復学習ソフト付き SQL書き方ドリル』(技術評論社)
ジックリとSQL文記述の練習ができます。午後問題で出題されるSQL文を記述する問題の対策に役立つでしょう。

◆『達人に学ぶ SQL徹底指南書』(翔泳社)
CASE文やテーブルの結合など、少々複雑なSQL文について分かりやすく解説されています。自己結合やサブクエリがピンとこないという方や、少し複雑なSQL文の問題になると急に分からなくなるという方にはお薦めです。

◆『現場で使えるSQL 第2版』(翔泳社)
例題と解答という構成で、問題を解くように読み進むことができます。試験対策の本ではありませんが、例題のテーマが商品データのハンドリングや売り上げの集計など、試験でも目にしそうなテーマになっている点がお薦めです。


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 Index
データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(3)
「SQL」に関する問題
  Page 1
・問3-1 自己結合後のデータを判定する
→ Page 2
・問3-2 アクセス権限の設定
コラム:SQL文対策にお薦めの本
  Page 3
・問3-3 適切なカーソル操作

データベーススペシャリスト試験攻略のツボ



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