100ノードのクラスタをサポートする最新版Oracle (4/4)

日本オラクル
一志 達也
2005/11/10

Part 4 開発生産性の進化

 最後に、開発生産性に関するOracle Database 10g Release 2の進化を紹介します。Oracleは、以前から特定のプラットフォームや特定の開発言語だけに偏ることのないオープンな姿勢を通してきました。それは現在においても変わりはなく、あらゆる開発者をサポートするべく進化を続けています。

広範なプラットフォームへの対応

 2005年9月7日のLinux版を皮切りに、Oracle Database 10g Release 2は、実に多数のプラットフォーム向けの製品を提供します。リリースのスケジュールについては表1にまとめていますが、サポートするプラットフォームが広範囲にわたることが分かります。昨今注目される64bitについても、新規のプラットフォームも、積極的にサポートしているのです。Oracleは古くはOracle7のDEC ALPHA版から64bitをサポートしており、64bit環境の活用についても、多くのノウハウを有しています。最新の64bitプラットフォームにおいても、およそ10年に及ぶノウハウが生きているのです。

あらゆる開発者の支援

 サーバの稼働プラットフォームだけでなく、さまざまな開発言語を使う開発者の支援も、Oracleが以前から持つ強みの1つです。そのサポート範囲は、Javaや.NETだけにとどまらず、PHPやPerl、COBOLなど実に広範囲におよびます。しかも、単にミドルウェアを提供するといった程度ではなく、多数のドキュメントや掲示板の開設、開発ツールそのものの提供などまで行っているのです。

 最近では、主にJavaを扱う開発者向けの統合開発環境、「Oracle JDeveloper 10g」無償にして話題になりました。また、.NETを扱う開発者の支援においては、Microsoftとのアライアンスも積極的に行っているのを、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。その活動の1つが、2004年5月より行われている、VSIP(Visual Studio Industry Partner)への参加です。

Windowsならではの進化(VS.NETサポート)

 VSIPに基づいた活動の成果の1つが、2005年8月2日に日本でも提供を開始した「Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET」(以下、ODT)です。これは、「Visual Studio .NET 2003」(以下、VS.NET)にアドインされるツールで、OTN-Jからダウンロードして利用できるようになっています。

 ODTをインストールすると、エクスプローラのようなツリー形式のウィンドウがVS.NETの中に表示できるようになります。このウィンドウは、Oracleエクスプローラといい、Oracleデータベースに作成されているオブジェクトを表示するものです。この中から対象となるオブジェクトを選んで、右クリックで表示されるメニューから操作を選んだり、フォームにドラッグ&ドロップして使います。

 そうすることで、データを表示して編集したり、SQLを発行したりとさまざまな操作を実行します。データアクセスに必要な「Data Adaptor」や「Data Set」を自動的に生成して、プログラムコードを書くことなく、データ操作を行う画面を作成することだってできるのです。新しいオブジェクトの作成なども、ウィザードとテンプレートが提供されていて、極めて簡単に行えます。

@IT参考記事 連載「.NETでOracleアプリを作ろう」
第1回 Oracleにおける.NET開発環境の概要
上記記事の3ページ目でODTの詳細な解説や画面キャプチャなどをご覧いただけます。

 特筆すべきは、VS.NETの中でPL/SQLのテンプレートを表示して開発し、デバッグまで行えるようになった点でしょう。VS.NETの特徴であるプログラムコードを色分けして表示したり、デバッグ時に便利なヘルプの統合が行われています。このように、ODTをインストールすれば、開発者が必要とする作業のほとんどをVS.NETの中で完結できるようになります。接続して使っているデータベースは、Oracleデータベースなのにもかかわらずです。

 これまで、VS.NETとSQL*Plusさらにほかのツールを組み合わせて、切り替えながら作業をしていた煩わしさは過去のものとなりました。マイクロソフト製品同士でなければ実現できないと思われていた、開発ツールとデータベースの統合は、もはやOracleでも同等レベルで提供できるようになったのです。

Windowsならではの進化(.NETストアドのサポート)

 .NET開発者向けに提供される、Oracle Database 10g Release 2の新機能が「Oracle Database Extensions for .NET」(以下、ODE.NET)です。この機能は、.NET言語を用いて作成されたプログラムをサーバ側に配置し、ストアド・プログラムとして実行します。ただし、サーバ側で.NETのCLRが動作する必要があるため、この機能が使えるのはWindows版のOracle Database 10g Release 2に限られます。

 ご存じのとおり、これまでストアド・プログラムといえば、PL/SQLかJavaで記述するものでした。従って.NETあるいはVBの開発者は、ストアド・プログラムを開発するために別な言語を覚えなくてはならなかったのです。しかし、ODE.NETを活用すれば、使い慣れた.NET言語でストアド・プログラムが開発できるようになります。

 ODE.NETを使うには、前出のODTの最新版である、10.2が必要となります注3。プログラムの開発そのものは、VS.NETを用いて行いますから、ほとんど特別な注意や手順はありません。プログラム作成後、VS.NETでビルドと配置を行えば、ODTのウィザードが起動して自動的に配布が完了します(図3)。

図3 ODE.NETによるストアド・プログラムの作成と配置
Oracle Database 10g Release 2のWindows版でのみサポートされる機能。

注3:ODT 10.2.0.1は、以下のURLよりダウンロードが可能です。

  ・http://otn.oracle.co.jp/tech/dotnet/index.html

ただし、データベース・キャラクタ・セットが、Unicodeまたはマルチバイトの場合、.NETアセンブリのデプロイが正常に終了しません。この問題が解消されたモジュールは、準備が出来次第、OTN-Jで公開される予定です。修正モジュールの提供開始以前にODE.NETをお試しいただく場合は、データベース・キャラクタ・セットにUS7ASCIIなどのシングルバイト系のものを指定してデータベースを作成してください。

 無事に配布が完了すると、ウィザードは配布したプログラムをSQLから呼び出せるようにするため、PL/SQLのラッパー・プログラムを作成します。以降は、このラッパーを通じてプログラムを呼び出せば、サーバ側に配置された.NETプログラムがCLR上で動作するようになるのです。この作業は、実際に行ってみると、あまりの簡単さに驚かれると思います。

@IT参考記事 連載「.NETでOracleアプリを作ろう」
第1回 Oracleにおける.NET開発環境の概要
上記記事の4ページ目でODE.NETの詳細や画面キャプチャなどをご覧いただけます。

 どのプラットフォーム上のOracleデータベースでも動作するPL/SQLと違って、Windowsでしか動作しないという制約がありますが、それが無視できるなら有益な機能でしょう。特に.NET言語のノウハウが豊富で、PL/SQLのノウハウが乏しいという場合には、大きなメリットをもたらすはずです。

まとめ

 限られたスペースでできる限り多くの機能を紹介しましたから、1つ1つについては説明不足の点もあるかもしれません。しかし、Oracle Database 10g Release 2が、さらに大きな進化を遂げたことはお分かりいただけたでしょうか。皆さんの課題を解決しそうな機能、大きく興味を引かれた機能はあったでしょうか。もし、そうした点があったなら、ぜひOTN-Jから評価版をダウンロードして最新の機能を試してみてください。1人でも多くの方に、最新のOracleの機能を知っていただき、それが少しでもお役に立てれば何より幸いです。(完)

4/4  

 Index
Oracle Database 10g Release 2 レビュー
  100ノードのクラスタをサポートする最新版Oracle
  Part 1
・Oracle Database 10g Release 2の進化とは
  Part 2
・可用性の進化
  Part 3
・安全性の進化
Part 4
・開発生産性の進化
・まとめ


Oracle Database 10g Release 2 レビュー


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