開発責任者インタビュー

Oracle Database Cloud Serviceの真実

@IT 笹田仁
2011/11/10
2011年10月の「Oracle OpenWorld San Francisco 2011」で、ラリー・エリソンCEOが「Oracle Public Cloud」を発表し、パブリッククラウド市場への参入を宣言した。しかし、提供時期などはっきりしない点がまだ多い。開発者イベントに出席するために来日したソフトウェア開発部門のバイスプレジデントに、計画や将来像について聞いた。(編集部)

 ラリー・エリソンCEOが発表した「Oracle Public Cloud」は、顧客管理アプリケーションや人事管理アプリケーションのサービスを提供するSaaS(Software as a Service)の側面と、Javaのサーバアプリケーション実行基盤や、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)を提供するPaaS(Platform as a Service)の2つの側面がある。

 今回、データベース開発者、データベース管理者向けイベント「Oracle DBA & Developer Days 2011」に出席するために来日したマイケル・ヒチワ氏写真)は米オラクルコーポレーションのソフトウェア開発部門でバイスプレジデントを務めており、Oracle Public Cloudの一部であるRDBMSサービス「Oracle Database Cloud Service」の開発責任者でもある。Oracle Database Cloud Serviceについて直接話を聞く機会を得られたので、その内容を紹介する。

オラクルコーポレーション
ソフトウェア開発部門
バイスプレジデントの
マイケル・ヒチワ氏

提供開始当初は月単位で課金

―― RDBMSのサービスをクラウドで提供する例はまだ少ないように思う。どのようなところを競合と考えているか。

 私の知る限り、RDBMSのサービスをクラウドで提供しているのはマイクロソフト(SQL Azure)とグーグル(Google Cloud SQL)のほかに数社だと思う。技術力や実績を考えると、その中でもクラウド上でエンタープライズ向けのRDBMSサービスを提供できるのはオラクルとマイクロソフトだけだろう。

 もちろん、マイクロソフトを選ぶと.NET Frameworkを使うことになる可能性が高くなる。OSはWindowsに決まる。一方、オラクルはJavaのほか、PHPなどの言語でもアプリケーションを開発できる。OSにはLinuxを使っている。

―― Oracle Database Cloud Serviceについては、少しずつ情報が出てきているが、はっきりしない部分がまだあると感じている。まず、いつごろにサービスの提供を始める予定なのか。

 今後の予定については未定な部分が多いが、最初のバージョンは2012年に提供を始める予定だ。

―― 課金モデルはどのような形になるのか。

 ストレージの大きさやデータ通信路の速さなどの仕様を決めてもらって、月単位で課金することを考えている。

―― 「Oracle OpenWorld San Francisco 2011」で、CEOのエリソン氏はOracle Public Cloudの特長として“Elastic”であることを強調していた。月単位の課金では、Amazon Web Servicesなどが提供するクラウドに比べるとElasticとは言えないのではないだろうか。

 Amazon Web Servicesのようなサービスでは時間単位の課金が一般的だ。それに比べて、Oracle Database Cloud Serviceの課金モデルは柔軟ではないと思われるかもしれない。

 もちろん、クラウドコンピューティングではElasticであるということは非常に重要だと認識している。しかし、Oracle Database Cloud Serviceの最初のバージョンでは、ユーザーが手動でサービスをアップグレードしたりダウングレードしたりできるようにするだけの予定だ。少なくとも、提供開始から1年は手動のままだろう。将来はAPIを用意して、自動でサービスのレベルを切り替えられるようにする。

 しかし、月ごとの課金ということにはよい面もある。毎月必要なコストがあらかじめ分かるということだ。Amazon Web Servicesは使えば使うほどお金がかかるので、予期しないほどの請求がくることもある。

 そして、私たちはサービス提供開始とともに、1カ月の試用期間を設けるつもりだ。1カ月無料で試用できるので、じっくり評価してもらえる。その結果、私たちの顧客はより長期間サービスを使ってくれるものと考えている。

―― 利用金額はどのような要素で変わるのか。

 価格を決める要素はいろいろある。先に挙げたように、データ転送速度や、ストレージの大きさで価格は変わる。ストレージは最大で50Gbytesまで利用可能だ。

 さらに、データベースの大きさによっても値段が変わる。データベースは大きさが異なる3種類を用意する。データベースを複数確保することも可能だ。本番用、テスト用という具合に分けて使うことができる。クローニングの機能も用意するので、データベース間でデータをコピーすることもできる。もちろん削除も可能だ。

 プロセッサの処理能力や論理的、物理的入出力の性能も価格を決める要素になる。この部分はOracle Resource Managerで簡単に変更できる。プロセッサは、速いものに替えるだけでなく、追加していくこともできる。

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提供開始当初は月単位で課金

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ほとんどのアプリケーションには、50Gbytesあれば十分


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