連載

ASP.NET 2.0が変えるWebアプリ開発の世界

第1回 周辺技術が支えるASP.NET 2.0の進化

山田 祥寛
2004/09/29
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●サイト管理の専用ツール
   〜ASP.NET Web Application Administration〜

 ASP.NET Web Application Administrationは、ASP.NETアプリケーション開発に際してよく使用する管理項目の設定をブラウザ上から行えるようにしたものだ。VS 2005のメニューから[Webサイト]−[ASP.NET構成]を選択するか、IIS経由で以下のURLをリクエストすることで起動することができる。

http://localhost/<仮想ディレクトリ名>/webadmin.axd
 
ASP.NET Web Application Administration
VS 2005のメニューの[Webサイト]−[ASP.NET構成]で起動したところ。VS 2005で起動した場合には、Visual Web Developer Web Server経由で起動するので、IISは必要ない。
 
[注意]

 ASP.NET Web Application Administrationの実体は、「%SystemRoot%\Microsoft.NET\Framework\v2.0.40607\ASP.NETWebAdminFiles」にインストールされたASP.NETアプリケーションだ。IISに仮想ディレクトリを設定するだけで(VS 2005がなくても)利用できるという手軽さはあるが、その性質上、思わぬセキュリティ・ホールとなる可能性もある。特別な理由がない限り、本番環境では仮想ディレクトリの設定を削除することを強くお勧めする。
 もしもASP.NET Web Application Administrationの機能を、限定的に自分のアプリケーションに取り込みたいなどというニーズがある場合には、専用のAPI(System.Configuration名前空間)が提供されているので、自前で作り込むことも可能だろう。

 ASP.NET Web Application Administrationは大きく[Security][Profile][Application][Provider]の4つの設定グループ(タブ)から構成される。それぞれのグループで設定可能な主要項目は以下のとおりだ。

タブ 概要
Security サイト認証の種類、ユーザー・ロール、アクセス規制を編集
Profile ユーザー単位に一意なプロファイル項目を追加/編集(サイトのパーソナライズなどに利用可能)
Application アプリケーション全般で利用可能な情報を管理。ページにハード・コーディングしたくないアプリケーション設定の編集や電子メールの設定、サイト統計情報の基本値定義、デバッグ&トレース、カスタム・エラーページの設定など
Provider プロファイルやユーザー情報などを格納するためのストアを設定(AccessファイルやSQL Serverを指定可能)
ASP.NET Web Application Administrationの設定項目

●構成ファイルの管理をシンプルに
   〜IISサービス・マネージャの拡張機能〜

 構成ファイルとは、ASP.NETアプリケーションの動作を規定するXML形式の設定ファイルのことだ。構成ファイルに関する詳細は、「.NET TIPS:アプリケーション個別の構成ファイルの変更を禁止するには?」などを参照いただくとして、これまで読者諸兄は構成ファイルを更新するに当たって、どのようにしてきただろうか。多くの方が、テキスト・エディタ、またはVS.NET上のコード・エディタなどから、直接にmachine.config(またはweb.config)を開いてXMLのコードを編集してきたのではないだろうか。

 なるほど、XMLは視認性にも富んだ比較的編集もしやすいデータ・フォーマットであるが、それでも慣れていない人間にとっては十分に難解であるし、内容が複雑になれば、当然、編集上の誤りも増えてくる。また、あらかじめ決められた設定要素を覚えておかなければならないのも厄介なことだった。先述したように、VS 2005ではインテリセンス機能も強化されているが、これらもあくまで構成ファイルを熟知している人間を入力レベルで支援するだけのもので、初学者のストレスを必ずしも軽減するものではない。

 しかし、ASP.NET 2.0ではIISマネージャに専用の管理ツールが追加された。管理ツールを用いることで、machine.configやweb.configの編集がより直感的に編集可能になる。

 次の画面は、IISマネージャに搭載されたASP.NET 2.0用の管理ツールを実際に開いたところだ。

IISマネージャに追加された管理ツール
管理ツールは、IISマネージャから[Webサイトのプロパティ](または[<仮想ディレクトリ名>のプロパティ])を開き、[ASP.NET]タブを選択することで起動できる。対象となるASP.NETのバージョンを選択できるほか、machine.configやweb.configの主要な項目をGUI画面上で編集できる(machine.configの編集は[Webサイトのプロパティ]でのみ編集可能)。

 以上、第1回の今回は、ASP.NET 2.0の改善テーマを整理するとともに、ASP.NET 2.0を取り巻く周辺技術について、主要なポイントを押さえてみた。次回からはいよいよ本題、ASP.NETのコア・アーキテクチャともいうべきサーバ・コントロールにおける変更/拡張のポイントについて概観する。マスターページ、セキュリティ・コントロール、ナビゲーション・コントロール、データソース・コントロールなどなど、盛りだくさんの内容を予定しているので、ご期待いただきたい。End of Article


 INDEX
  ASP.NET 2.0が変えるWebアプリ開発の世界
  第1回 周辺技術が支えるASP.NET 2.0の進化
    1.Visual Studio 2005新機能「簡易Webサーバ」と「配置」
    2.Visual Studio 2005新機能「インテリセンス」と「構成」
    3..NET Framework 2.0新機能「事前コンパイル」
  4..NET Framework 2.0新機能「サイト管理」
 
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