特集:アーキテクトS+Sサミット・レポート

クラウドが活用できる場面とは?

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2009/11/04

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 2009年10月13日、ユーザー企業における技術/製品のTDM/BDM(技術/ビジネス上の意思決定層)、SI(システム・インテグレータ)やISV(独立系ソフトウェア・ベンダ)のIT アーキテクト、プロジェクト・リーダー、シニア・デベロッパーを対象にした、マイクロソフトによる招待制のイベント「マイクロソフト アーキテクト S+S サミット」が開催された。

 このイベントの最後を飾るセッションは、「クラウド・コンピューティングの現状と課題」をテーマとしたパネル・ディスカッションで、筆者もこれを聴講した。パネリストは下記の4名である。

  • デビット チャペル 氏(チャペル&アソシエイツ代表)
  • 丸山 不二夫 氏(早稲田大学 大学院情報生産システム研究科 客員教授)
  • 城田 真琴 氏(野村総合研究所 情報技術本部 技術調査部 上級研究員)
  • 平野 和順 氏(マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 部長)
パネル・ディスカッションの風景
左から順に、今回のパネル・ディスカッションのモデレータを担当された細川 努 氏(アーキテクタス)、パネリストであるチャペル氏、丸山氏、城田氏、平野氏。

 パネル・ディスカッションではクラウド・コンピューティングについて各パネリストからさまざまな意見が出されたが、本稿では筆者なりの観点で、その重要発言を短くまとめる。

 議論の中で筆者が最も共感を持ったのは、丸山氏の次の主張だ。

「クラウド・コンピューティングに対する社会的な反応が、疑問から関心へ、そしていま関心から受容へと移り変わろうとしている。そういった中で、これからますますユーザー企業の立場で、ビジネス視点での活用シナリオが求められるようになる。つまり今後は、クラウドを技術的な側面だけでとらえるべきではなく、具体性を持ったクラウドのビジネス活用という側面にもフォーカスしていくことが重要である。」

 では、

「現時点でクラウドは、どのような活用の可能性が考えられるのか?」

という疑問に対して、チャペル氏は次のように答えた。

「例えばBtoBアプリケーションなら、複雑なEDIをシンプルなXML Webサービスに置き換えることが可能で、そこでクラウドを採用すれば高いスケーラビリティを確保できる。

 ほかにも、ISVが提供するパッケージ・ソフトウェアの安価なバックアップ用のストレージとして使える。

 また、クラウドであれば初期投資を最小化して幅広い要求に柔軟に対処できるので、“Fail Fast or Scale Fast.”(素早く失敗して店じまいするか、素早く成功して規模を拡大するか)を実現できる。そのため、特にWeb 2.0スタートアップ企業(=創業したてのベンチャー企業)にも向いている。」

 また城田氏は、次のように答えた。

SaaSアプリケーションで、自分のデータセンターで運用するよりも、Amazon EC2の方が安いので、クラウドの利用を決定したという事例がある。

 また、キャンペーン・サイトのような時限的なサイトでクラウドを活用するという事例が、これまでにいくつかある。例えば高校生向けのコンテストでわずか1日だけ開催するが、実際にオープンしたらどれくらいのアクセスがあるかが推測できない状況だった。このような状況に対応するため、自由なスケールと一時的な利用が可能なAmazon EC2を利用することが決定した。ちなみにこのシステム開発/運用に掛かった金額はおよそ3万円と非常に安価だった。

 ほかにも、政府が実施しているエコポイント制度のサイトの事例では、セールスフォース・ドットコムのForce.com上に実質3週間ほどでサイトを構築している。このように、超短期間でシステム構築が必要な場面にクラウドは向いている。」

 さらに、関連して客席からの、

「ビジネス視点でのクラウド活用を考察/推進するコミュニティ作りが必要ではないのか?」

という問いに対し、平野氏は、次のような回答を行った。

「現状としては、(コミュニティ活動の促進よりも)まずはWindows Azureを試してもらうのが先だと考えている。」

 Windows Azureの正式稼働まですでに1カ月を切っているが(2009年内は、併せてCTP版の提供も継続予定)、それが実際にどのようなスタート・ダッシュを見せるのか、非常に待ち遠しいものである。

 Insider.NET編集部では、このパネル・ディスカッションと同日に、Windows Azureに造詣の深いデビット・チャペル氏にWindows Azureに関するインタビューを行った。後日(2009年11月10日 火曜日に)、そのインタビュー記事を公開する予定なので、お楽しみに。End of Article

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