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VS.NETのスタート・ページのプロジェクト一覧を編集するには?

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2005/08/12

 Visual Studio .NET(以降、VS.NET)を起動すると、デフォルトの設定では、[スタート ページ]というWebページが表示される。この[スタート ページ]には、最近使用した(VS.NETの)プロジェクトの一覧が表示され、その項目をワン・クリックするだけで既存のプロジェクトを開くことができる。

VS.NETの[スタート ページ]
スタート・ページは、デフォルトの設定では、VS.NETが起動する際に自動的に表示される。手動で表示するには、メニュー・バーから[ヘルプ]−[スタート ページの表示]を選択すればよい。なお、デフォルトの設定(スタートアップ時の動作)を変更するには、メニュー・バーから[ツール]−[オプション]を選択して[オプション]ダイアログを表示し、そのダイアログ上のツリーから[環境]−[全般]を選択して、そこで表示される[スタートアップ時]のコンボボックスの設定内容を変更すればよい。
  スタート・ページが表示されているところ。ページには最近使用したプロジェクトの一覧が表示されている。
  一覧に表示されているプロジェクト項目をクリックするだけで、そのプロジェクトを開くことができる。

 この機能は大変便利なため、日常的に使用している開発者は相当多いだろう。しかし例えば、ことプレゼンテーションする場合においては、プレゼンテーション内容に無関係なものは、逆にこの一覧上に表示させたくないというケースも少なくないのではないだろうか。

 そこで本稿では、このようなケースに対処する手段として、プロジェクト一覧の内容を編集する方法を紹介する。

スタート・ページのプロジェクト一覧を編集する方法

 実際にはこのプロジェクト一覧の情報はレジストリに格納されているが、一覧を編集する必要が出てくるたびにレジストリを手動で修正するのは危険なため、あまりお勧めできない(間違って別のところを消してしまったりすると、レジストリのバックアップを取っていなければ修復が難しい)。そこで本稿では、この一覧を編集するソフトウェアを紹介する(これを活用すれば手動でレジストリを扱う必要がない)。それが、「VSTweak PowerToy」である。

 VSTweak PowerToyは、VS.NETの機能を拡張するためのソフトウェアで、次のような機能を持っている。

  • IDE Settings(IDE設定):例えば、VS.NETのキーボード・マップ・スキームのインポート/エクスポートなど

  • Alias Manager(エイリアス管理):コマンド・ウィンドウで利用できるコマンドのエイリアス(別名)の編集など

  • MRU Lists Manager(最近使ったファイル/プロジェクト一覧の管理):プロジェクト一覧の編集など(本稿ではこの機能を利用する)

  • File Extensions Manager(ファイル拡張子の管理):ファイルの拡張子とVS.NETエディタの関連付けなど

  • Debug Editor(デバッグ・エディタ):C#のデバッガが持つウォッチ・ウィンドウのテンプレートのカスタマイズなど

 本稿では、MRU Lists Managerの機能を利用してプロジェクト一覧の編集を行う。

 まずは下記のサイトからVSTweak最新版をダウンロードして、VS.NETと同じマシン上にインストールしよう(インストールの説明は割愛する。なお本稿では、VSTweak 1.1 Beta 2を使用した)。

 インストールが完了すると、[スタート]メニューに[すべてのプログラム]−[PowerToys for Visual Studio .NET 2003]−[VSTweak]−[VSTweak]が作成されているので、そこからVSTweakを起動できる(なお起動する際には、あらかじめすべてのVS.NETを終了しておく必要がある)。

 そして、VSTweakの[MRU Lists Manager]タブを開いて、[Project MRU List]の中にあるリスト・ボックスから非表示にしたいプロジェクト項目(プロジェクト名ではなく、パス名で表示されているので注意してほしい)を選択して[Remove Selected Project]ボタンをクリックすればよい。これにより、選択されたプロジェクト項目がリスト・ボックスから削除される(実際にはレジストリに格納されている情報が削除される)。なお一覧のプロジェクト項目すべてを削除する場合ならば[Clear All Recent Projects]ボタンをクリックすればよい。

 次の画面は、実際にこのような作業を行って、非表示にしたプロジェクト項目を削除しているところである(1つを残してすべてのプロジェクト項目がリストから削除されている)。

VSTweak PowerToyの実行画面
非表示にしたいプロジェクト項目を削除しているところ。この画面では、あと1つしかプロジェクト項目が残っていない。
  複数のVS.NETのバージョン(VS.NET 2002/VS.NET 2003)がインストールされている場合には、ここでどちらのバージョンを対象にするかを選択できる。
  [Project MRU List]の中にあるコンボボックスから非表示にしたいプロジェクト項目を選択する。
  プロジェクト項目を選択した状態で、[Remove Selected Project]ボタンをクリックすると、コンボボックスからその項目が削除される。
  [Clear All Recent Projects]ボタンをクリックすると、一気にすべてのプロジェクト項目が削除される。

 上の画面で説明されている作業を行ったうえで、VS.NETを新たに起動してみよう。

VSTweakにより編集されたVS.NETのスタート・ページのプロジェクト一覧
VSTweakで作業を行った後、VS.NETを起動すると、スタート・ページのプロジェクト一覧が正しく編集されていることが分かる。この例では、プロジェクト項目が1つしかない。

 すると、上の画面のように実際にスタート・ページに表示されるプロジェクト項目が正しく編集されていることを確認できるはずである(本稿の例では1つしかプロジェクト項目が表示されないことになる)。End of Article

カテゴリ:開発環境&ツール 処理対象:Powertoys
 
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