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[ASP.NET]ページのタイトルやメタ情報を動的に変更するには?[2.0のみ、C#、VB]

山田 祥寛
2006/07/14

 SEO(検索エンジン最適化)という観点では、<title>タグや<meta>タグのKeyword属性、Description属性に適切な値をセットしておくことは重要だ(Googleでは重要視されていないといわれるが、Yahoo!では参照されているとされる)。サイトが大規模になれば、ふと忘れがちなこうした情報もデータベース化することで、漏れなく管理できるようになる。

 もっとも、アプリケーション開発に際してはごく当たり前と思われるこのような作業を行うにも、ASP.NET 1.xではややトリッキーな操作を行う必要があった。その一例は、「TIPS:[ASP.NET]アプリケーション共通のヘッダ/フッタを追加するには?」でも紹介しているので、併せて参照していただくとよい。

 本稿では、ASP.NET 2.0から導入されたHtmlHeadクラスやHtmlMetaクラス(いずれもSystem.Web.UI.HtmlControls名前空間)を利用して、ページ・タイトルやメタ情報をより直感的に操作する方法を紹介する。さっそく具体的な手順を見ていくことにしよう。

1.タイトル/メタ情報管理用のテーブルを作成する

 本稿のサンプル・プログラムを動作させるには、あらかじめ以下のようなPageInfoテーブルを用意しておく必要がある。

フィールド名 データ型 概要
url VARCHAR(255) URL(主キー)
title VARCHAR(50) ページ・タイトル
keywords VARCHAR(100) カンマ区切りのキーワード
description VARCHAR(255) ページの概要説明
ページ情報管理用のPageInfoテーブルのフィールド・レイアウト

 また、作成したテーブル内にテスト用のデータとして、仮に以下のデータを入力しておく。もちろん、PageInfoテーブルの内容は適宜、アプリケーション内のページに応じて、追加していけばよい。

フィールド名
url ~/Contents.aspx
title メタ情報の付与
keywords HtmlTitle, HtmlMeta
description データベースからメタ情報を付与するには?
ページ情報管理用のPageInfoテーブルのテスト用データ

2.マスター・ページを作成する(1)

 タイトルやメタ情報のような共通的なロジックは、マスター・ページ上で定義するのが好ましい。マスター・ページ作成の詳細な手順については、「TIPS:[ASP.NET]サイト共通のヘッダ/フッタを一元管理するには?」をご参照いただくとして、ここでは最低限、データベースにアクセスするためのSqlDataSourceコントロールを配置しておくものとする(そのほか、デザイン要素については、特に問わない)。

マスター・ページ(Header_cs.master/Header_vb.master)のレイアウト

 SqlDataSourceコントロールのプロパティ設定は、以下のとおりだ。ConnectionStringプロパティに設定した“db”はアプリケーション構成ファイルWeb.configで設定された接続情報名を表すものとする。Web.configへの接続情報の登録については、別稿「無償データベース SQL Server 2005 Express Editionを使ってみよう」などが詳しいので、併せてご参照いただきたい。

プロパティ
(ID) sds
ConnectionString db
ProviderName System.Data.SqlClient
SelectQuery SELECT title, keywords, description FROM PageInfo WHERE (url= @url)
DataSourceMode DataReader
SqlDataSourceコントロールのプロパティ設定

3.マスター・ページを作成する(2)

 以上の設定ができたら、マスター・ページのPage_Loadイベント・ハンドラを定義する。以下が具体的なコードだ。

using System;
using System.Data;
using System.Configuration;
using System.Collections;
using System.Web;
using System.Web.Security;
using System.Web.UI;
using System.Web.UI.WebControls;
using System.Web.UI.WebControls.WebParts;
using System.Web.UI.HtmlControls;

public partial class Header_cs : System.Web.UI.MasterPage {
  protected void Page_Load(object sender, EventArgs e) {

    // リクエストURLをキーにPageInfoテーブルからページ情報を取得
    sds.SelectParameters.Add("url",
      Request.AppRelativeCurrentExecutionFilePath);
    System.Data.IDataReader reader =
      (IDataReader)sds.Select(new DataSourceSelectArguments());

    // データベースから情報を取得できた場合のみ
    // タイトル/メタ情報をセット
    if (reader.Read()) {
      Page.Header.Title = reader.GetString(0);
      HtmlMeta meta1 = new HtmlMeta();
      HtmlMeta meta2 = new HtmlMeta();
      meta1.Name = "keywords";
      meta1.Content = reader.GetString(1);
      meta2.Name = "description";
      meta2.Content = reader.GetString(2);
      Page.Header.Controls.Add(meta1);
      Page.Header.Controls.Add(meta2);
    }
  }
}
タイトル/メタ情報を取得するためのマスター・ページ(C#:Header_cs.master)
 
Partial Class Header_vb
  Inherits System.Web.UI.MasterPage

  Protected Sub Page_Load(ByVal sender As Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles Me.Load

    ' リクエストURLをキーにPageInfoテーブルからページ情報を取得
    sds.SelectParameters.Add("url", _
      Request.AppRelativeCurrentExecutionFilePath)
    Dim reader As System.Data.IDataReader = _
      sds.Select(New DataSourceSelectArguments())

    ' データベースから情報を取得できた場合のみ
    ' タイトル/メタ情報をセット
    If reader.Read() Then
      Page.Header.Title = reader.GetString(0)
      Dim meta1 As New HtmlMeta()
      Dim meta2 As New HtmlMeta()
      meta1.Name = "keywords"
      meta1.Content = reader.GetString(1)
      meta2.Name = "description"
      meta2.Content = reader.GetString(2)
      Page.Header.Controls.Add(meta1)
      Page.Header.Controls.Add(meta2)
    End If
  End Sub
End Class
タイトル/メタ情報を取得するためのマスター・ページ(VB:Header_vb.master)

 SqlDataSource.Selectメソッドの利用方法については、連載「Visual Studio 2005でいってみようDBプログラミング 第5回 開発生産性を向上させるASP.NET 2.0のコントロール」を参照していただくとして、このコードでポイントとなるのは、データベースから読み込んだデータをPage.Headerプロパティに設定している個所(太字)だ。

 Page.Headerプロパティは、ページのHTMLコードの<head>要素をHtmlHeadオブジェクトとして取得する。ページ・タイトルを設定するには、そのTitleプロパティを書き換えればよい。また、メタ情報を設定するには、あらかじめ用意したHtmlMetaオブジェクトを、HtmlHeadオブジェクトのControlsプロパティに対してAddメソッドにより追加すればよい。HtmlMetaクラスは<meta>要素を表現するためのクラスで、Nameプロパティがメタ・プロパティ名を、Contentプロパティが実データを、それぞれ表す。

4.コンテンツ・ページを作成する

 あとは、マスター・ページを適用するためのContents.aspxというファイルを作成すればよい。ここで注目したいのはあくまでマスター・ページの内容なので、Contents.aspxの中身は何でも構わない。

 Contents.aspxを実行し、ブラウザの[ソースの表示]から出力されたHTMLコードを確認してみよう。Contents.aspxのヘッダ部分にデータベース上で管理されたページ・タイトルとメタ情報が反映された、以下のようなHTMLコードを確認できるはずだ。なお、このHTMLコードには見やすいように適宜改行を入れてある。

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN"
  "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" >
<head>
<title>メタ情報の付与</title>
<meta name="keywords" content="HtmlTitle, HtmlMeta" />
<meta name="description" content="データベースからメタ情報を付与するには?" />
</head>
<body>
  ……後略……
データベース上で管理されたページ・タイトルとメタ情報が反映されたHTMLコード

 ここではごく基本的な例として、ページ・タイトルやキーワード、ページ概要を管理する例を挙げてみたが、もちろん、タグラインやスタイルシートなどなど、上記のサンプル・プログラムはさまざまなページ単位の情報を管理するために応用できる。ぜひ、ご自分のサイトでも活用してみてほしい。End of Article

利用可能バージョン:.NET Framework 2.0のみ
カテゴリ:Webフォーム 処理対象:マスター・ページ
使用キーワード:SqlDataSourceコントロール
使用ライブラリ:HtmlHeadクラス(System.Web.UI.HtmlControls名前空間)
使用ライブラリ:HtmlMetaクラス(System.Web.UI.HtmlControls名前空間)
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