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Windowsのユーザーはユーザー名(ログオン時に使用されるアカウント名)により識別されるが、ユーザー情報の一部としてそのユーザーの「フル・ネーム」を設定することができる。これは「表示名」とも呼ばれ、例えばWindows XPなどでは、[スタート]メニューの一番上の部分でユーザーの名前*を表示するのに使用されている。
* フル・ネームが設定されていない場合には[スタート]メニューにもユーザー名が表示される。フル・ネームの設定内容は「net user ユーザー名」や「net user ユーザー名 /domain」などのコマンドにより「フル ネーム」の項目から確認できる(前者はローカル、後者はドメインの情報をそれぞれ表示)。
本稿では、このフル・ネーム(表示名)をプログラムで取得する方法について解説する。
フル・ネームを取得するには、ユーザー名とそのユーザーが登録されているドメインの名前(PCがドメインに参加していない場合にはコンピュータ名)がまず必要になる。
これらについては取得のためのプロパティがEnvironmentクラス(System名前空間)に用意されており、現在のユーザーのユーザー名は、EnvironmentクラスのUserNameプロパティから取得できる。
同様に、そのユーザーが属するドメインの名前(PCがドメインに参加していない場合にはコンピュータ名)は、EnvironmentクラスのUserDomainNameプロパティから取得できる。
以下にその記述例を示す。
string uName = Environment.UserName;
string domain = Environment.UserDomainName;
Dim uName As String = Environment.UserName
Dim domain As String = Environment.UserDomainName
フル・ネームに関しては、それを直接取得できるプロパティなどは用意されておらず、ユーザー名/ドメイン名を用いてActive Directoryに問い合わせる必要がある(ただし、必ずしもActive Directoryに参加している必要はない)。
Active Directoryへの問い合わせには、ADSI(Active Directory Service Interfaces)という仕組みがWindowsに用意されているが、.NET Frameworkのクラス・ライブラリでは、DirectoryEntryクラス(System.DirectoryServices名前空間)がこのADSIを実装している。
以下のコードはドメイン「myDomain」のユーザー「myName」のフル・ネームを取得するためのコード例である。
string path = "WinNT://myDomain/myName";
DirectoryEntry dirEnt = new DirectoryEntry(path)
string dName = dirEnt.Properties["FullName"].Value.ToString();
Dim path As String = "WinNT://myDomain/myName"
Dim dirEnt As DirectoryEntry = New DirectoryEntry(path)
Dim dName As String = dirEnt.Properties("FullName").Value.ToString()
Active Directoryはツリー構造で情報を格納しており、DirectoryEntryクラスでは特定のエントリ(ノード)の位置を「WinNT://〜」の形式で指定できる。各エントリはプロパティのセットであり、Propertiesプロパティを使って各プロパティの値を取得できる。
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