フレッシュマン企画 連載
簡単!Visual Studio 2008入門

第4回 Visual Studio 2008のひな型コードを理解する

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2009/06/03
Page1 Page2 Page3 Page4

ひな型コード全体の流れ

 以上でひな型コード全体をすべて解説したことになる。まとめとして、これまでのすべての処理の流れを、Mainメソッドから順番に追っていくことにしよう。

  1. アプリケーションのエントリ・ポイントであるMainメソッドが、Windowsシステム(厳密には.NETの実行エンジン)によって呼び出される

  2. 呼び出されたMainメソッドは、Form1オブジェクトを生成し、そのForm1オブジェクトを使ってメッセージ・ループを開始するためにApplication.Runメソッドを呼び出す。これによりForm1オブジェクト、すなわちWindowsフォーム画面が実行されることになる

  3. Windowsフォームを初期化するために、コンストラクタのForm1メソッドが呼び出され、Form1メソッドからInitializeComponentメソッドが呼び出される
    (実際には、2の「Form1オブジェクト生成」のタイミングで、これらの処理が行われる)

  4. InitializeComponentメソッド内でForm1オブジェクト(=Windowsフォーム画面)の初期値などを設定する
    (実際には、2の「Form1オブジェクト生成」のタイミングで、この処理が行われる)

  5. Windowsフォーム画面が開かれ(第1回の「生成されたプログラムを動かす/」を参照)、ユーザーがフォーム画面を操作できるようになる
    (実際には、2の「Application.Runメソッド呼び出し」中に、この処理が行われる)

  6. 実行中のプログラムの右上の[×]ボタンを押せばWindowsフォーム画面が閉じられる
    (実際には、2の「Application.Runメソッド呼び出し」中に、この処理が行われる)

  7. Form1オブジェクトのDisposeメソッドが呼ばれて、終了処理が行われる
    (実際には、2の「Application.Runメソッド呼び出し」中に、これらの処理が行われる)

  8. Application.Runメソッドが終了し、Mainメソッドの中の処理がすべて完了するので、アプリケーション自体が終了する

[Properties]/「My Project」フォルダ内のファイルについて

 Windowsアプリケーションのひな型コードの解説はこれですべて終わりだが、前回「ソリューション・エクスプローラの内容」で説明を省略したソース・ファイルがいくつかある。それらのファイルはすべて[ソリューション エクスプローラ]の「Properties」フォルダ(VBでは「My Project」フォルダ)内に配置されており、VS 2008のIDEでプロジェクトのプロパティを設定・変更するとそのデータ内容が自動的に書き込まれるようになっているため、開発者が手動で編集することは(基本的に)ない。

 具体的には、以下の画面に示すファイルだ。

[Properties]フォルダ(C#)に格納されたVS 2008が取り扱うファイル群
プロジェクトのプロパティを設定したり変更したりすると、これらのファイルの内容が書き換わる。プロジェクトのプロパティは、「Properties」フォルダ(VBでは「My Project」フォルダ)をダブルクリックすると表示される。

 例えば、この図にある「AssemblyInfo.cs」というソース・ファイルは、プログラムのバージョン情報に関する設定データがするためのものだ。詳しくは、「.NET TIPS:Visual Studio 2005でバージョン情報を設定するには?」を参照していただきたい。

 また、「Resources.resx」ファイルは、アプリケーションで使用する文字列やグラフィックなどのデータ(=「リソース」と呼ばれる)を格納するためのもの。これについては「.NET TIPS:文字列リソースを活用するには?」を参考にしてほしい。

 「Settings.settings」ファイルは、アプリケーションの挙動を決めるなどの用途に使うアプリケーション設定データを保存するためのものである。詳細な内容については「.NET TIPS:アプリケーション設定を活用するには?」を参照してほしい。

 今回は、Windowsアプリケーションのひな型コードの内容について解説した。次回は、実際のアプリケーション構築を例に、プログラミング作業の手順であるコードの追加・編集やデバッグについて解説する予定だ。次回もご期待いただきたい。End of Article


 INDEX
  [フレッシュマン企画 連載]簡単!Visual Studio 2008入門
  第4回 Visual Studio 2008のひな型コードを理解する
    1.Mainメソッドの内容の理解
    2.Application.Runメソッドの理解
    3.Windowsフォーム・デザイナで生成されたコード
  4.ひな型コード全体の流れ

インデックス・ページヘ  「簡単!Visual Studio 2008入門」


Insider.NET フォーラム 新着記事
  • 第2回 簡潔なコーディングのために (2017/7/26)
     ラムダ式で記述できるメンバの増加、throw式、out変数、タプルなど、C# 7には以前よりもコードを簡潔に記述できるような機能が導入されている
  • 第1回 Visual Studio Codeデバッグの基礎知識 (2017/7/21)
     Node.jsプログラムをデバッグしながら、Visual Studio Codeに統合されているデバッグ機能の基本の「キ」をマスターしよう
  • 第1回 明瞭なコーディングのために (2017/7/19)
     C# 7で追加された新機能の中から、「数値リテラル構文の改善」と「ローカル関数」を紹介する。これらは分かりやすいコードを記述するのに使える
  • Presentation Translator (2017/7/18)
     Presentation TranslatorはPowerPoint用のアドイン。プレゼンテーション時の字幕の付加や、多言語での質疑応答、スライドの翻訳を行える
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)
- PR -

注目のテーマ

Insider.NET 記事ランキング

本日 月間
ソリューションFLASH