.NETエンタープライズWebアプリケーション 開発技術大全

―― エンタープライズWebアプリ開発に必要な知識と設計セオリー ――

マイクロソフト コンサルティング本部 赤間 信幸
2004/04/22
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.NETエンタープライズWebアプリケーション 開発技術大全

 本記事は、日経BPソフトプレス/マイクロソフトプレスが発行している『.NETエンタープライズWebアプリケーション開発技術大全 Vol.1 .NET Framework導入編』の「第1章 Microsoft .NET概要」より、同社の許可を得てその内容を転載したものです。

 同書はマイクロソフトのコンサルタントが執筆した.NETシステム設計/構築のための技術解説書で、全5巻で構成されています。

 
本シリーズでは、Webアプリケーション構築の実践的テクニックを網羅しつつ、ASP.NETなどのフレームワークにおける内部処理の詳細までが多数の図を交えて丁寧に解説されています。

 また、
実際の開発現場を熟知したコンサルタントが書き下ろしたというだけあって、通り一遍な解説ではなく、どれも「使える」内容となっています。

  マイクロソフトの開発技術を概観する第1巻(本記事はこの巻からの転載)では、Microsoft .NETによるソリューションが現在のIT業界の現場でどのようにマッピングされ、どのようなメリットをもたらすかが解説されています。


 本シリーズは、全5巻のうち、第1巻から第3巻までがすでに発売されています(第4巻と第5巻は、2004年秋以降の発行が予定されています)。Insider.NETでは、全6回に渡り、.NET開発者にとって特に重要だと思われる個所をこの3巻より抜粋して掲載していく予定です。なお、書籍の詳細については本記事の最後に表記しています。

はじめに

ご注意:本記事は、前挙の書籍の内容を改訂することなく、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。

 オープン系システムがエンタープライズシステムやミッションクリティカルシステムとしても利用されるようになってきた昨今において、システム設計やアプリケーション設計、運用設計の重要性は非常に大きなものとなっている。しかし実際の開発現場を見てみると、いわゆる『アーキテクト』と呼ばれる上流設計のスペシャリストが(.NET、J2EEなどを問わず)、IT業界全体で不足しているのではないかと感じられる状況にある。

 その原因は様々だろうが、原因が何であれ、少なくとも現在の状況において開発者が『アーキテクト』を目指して学習していくことは容易ではない。なぜなら今、実際に『アーキテクト』を目指そうとしても、その下支えとなるべき情報が世の中に散逸しており、いわゆる『教科書』となり得るものが存在しないからである。本シリーズはこうした現状を鑑みて執筆したもので、主にアプリケーションアーキテクトを目指す上で必要となる基本知識や設計セオリをまとめたものとなっている。

 本シリーズがそうした『教科書』足り得る書籍となっているか否かに関しては、実際にお読み頂いた方々にご評価頂ければと思う。しかし、アーキテクトを目指して暗中模索されている方々の視線を実践的な方向に向け、その背中をほんの少しだけ後押しすることはできるのではないかと考えている。本シリーズへの取り組みが、皆様にとってアーキテクトを目指すための第一歩となれば幸いである。

本シリーズの特徴

 本シリーズは、実際にお客様のプロジェクトに参加してシステム構築のお手伝いをさせて頂くコンサルティングサービスに所属する者が、『現場』の視点で執筆したものである。現場の皆様に役立つように、英語3文字で書かれるようなセンセーショナルなキーワードを持ち出すことをなるべく避け、本質を可能な限り平易な言葉で分かりやすく書くように心がけたつもりである。

 コンサルタントが執筆した内容にしては表現が地味な印象を与えるかもしれないが、本質部分の執筆については妥協していない。このため「難しい」と感じられることも多いかもしれないが、ぜひ、最後までお読み頂ければと思う。また、途中で不明な単語や用語があれば、インターネットの検索エンジンなどで調べつつ、先へと読み進めて頂きたい。

本シリーズの構成

 本シリーズは、以下の5巻から構成されている。各巻の主な内容は以下の通りである。

第1巻「.NET Framework導入編」について
 第1巻は、網羅的にマイクロソフトの開発技術を概観し、その全体像を把握することを目的としている。特に、その開発技術が実際の現場にどのようなメリットをもたらすかを解説することによって、皆様を.NETの世界へとご招待したいと考えている。

第2巻「ASP.NET 基礎編」について
 第2巻では、ASP.NETランタイムの持つ各種の内部処理を詳細に紐解き、ASP.NETをフレームワークとして理解し直すことを目的としている。これにより、ASP.NETの持つ高開発生産性をどのようにすればうまく引き出せるのかを解説していく。また第2巻の第3章では、セキュアプログラミング方法についても解説する。

第3巻「ASP.NET 応用編」について
 第2巻に引き続き、第3巻では、エンタープライズWebアプリケーション開発に欠かすことのできない、各種の知識や設計セオリの深堀りを行っていく。開発現場で起こりやすいミスや失敗を事前に防ぎ、より高品質なWebシステムを構築するために活用可能な項目を多数解説する。

第4巻「セキュアアプリケーション設計編」について
 Webシステムが高いセキュリティ要件を満たすためには、ファイアウォールやパッチ適用などの対策だけでなく、ユーザアプリケーション内部にも適切な対策を行わなければならない。第4巻ではこのために必要な、アプリケーション内部におけるセキュリティ制御のデザイン方法について解説する。また、チーム全体の作業効率や開発生産性を高めるための開発環境の構築方法についても解説する。

第5巻「トランザクション設計編」について
 第5巻では、「アプリケーション開発者」の視点から見たトランザクション処理とその制御方式を、網羅的に解説する。インフラ・ランタイムレベルの制御メカニズムの解説はもちろん、業務アプリケーションレベルから見たトランザクションの設計方法についても解説する。

第1巻「.NET Framework導入編」について

 本シリーズではエンタープライズWebアプリケーション開発に必要となる様々な技術を順番に解説していくが、その道のりはかなりの長さになる。そこで第2巻以降の各論に入る前に、第1巻では、現在マイクロソフトが提供している開発技術の全体像について幅広い解説を行う。これにより、第2巻以降の学習を進めていく上での展望を前もって把握することができるだろう。

 本書では3つの章に分けて解説を進める。まず、2000年に打ち出されたMicrosoft .NET 構想について解説を行い、これと.NET FrameworkやVisual Studio .NETの関係を解説する。次に、.NET FrameworkやVisual Studio .NETが今日の開発現場にどのように役立つのか、そして未来に向けてどのような展望を持っているかについて解説する。最後に、開発ツールの視点から一段視点を引き上げて、マイクロソフトの開発ソリューションを俯瞰し、その全体像について解説する。これと併せて、J2EEを初めとする他の開発技術と比較する際の注意事項や比較ポイントなどについても解説することとする。

 なお本書に関しては、今後.NET開発に取り組もうとされている方々はもちろんのこと、普段、J2EEなど他の開発技術を使われている方々にも有益な情報を多数含めるようにした。特に開発技術を比較する立場にあるアーキテクトの方々にとっては、マイクロソフトの開発技術を容易に俯瞰できると同時に、実際の比較検討に役立つ内容も入手することができる内容になっていると思われる。第1巻に関しては幅広い方々にお読み頂き、ご活用頂ければ幸いである。

 それでは早速、第1巻「.NET Framework 導入編」の解説を始めることにしよう。

 

 INDEX
  .NETエンタープライズWebアプリケーション開発技術大全
  1.はじめに
    2.Microsoft .NET概要(1)
    3.Microsoft .NET概要(2)
 
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