第4回 読者アンケート結果
読者のVisual Studio .NET導入計画は? ―

小柴豊
@IT マーケティングサービス担当
2002/05/08


 2002年3月22日、ついに「Visual Studio .NET」(以下VS.NET)の国内発売が開始された。Microsoft .NETビジョンが発表されてから21カ月を経て、ようやく正式な開発環境がエンジニアの手に届けられたわけだ。VS.NETには用途/機能別に10種類もの製品が用意されているが、ソフトウェア開発者はどのような導入予定を持っているのだろうか? Insider.NETフォーラムが実施した第4回読者調査の結果から、その状況をレポートしよう。

VS.NET導入状況:2割がすでに導入済み

 まずは読者のVS.NET導入予定時期を聞いた結果が、図1だ。今回の調査は発売日を挟んだ時期に行ったものだが、現時点で全体の21%が「すでに導入済み」と答えている。また今後3カ月以内あるいは6カ月以内の導入予定者は合計で42%となり、「導入予定なし」(37%)を若干上回った。

図1 Visual Studio.NET導入予定(N=400)

VS.NET導入課題:.NET業務需要は盛り上がるか?

 ところで、現時点でVS.NET導入のハードルになっているのは、どのような点なのだろうか? 図1で「導入予定/検討はしていない」と答えた人たちの理由を見ると、該当者の過半数が「今のところ.NETを使った業務の需要がないから」と回答している(図2)。製品機能や動作環境に関する指摘は相対的に少ないことからも、VS.NET普及のカギは「.NET案件」の需要喚起度合いにかかっているといえそうだ。

図2 VS.NETを6カ月以内には導入しない理由 (3つまでの複数回答 N=149)

VS.NET導入予定パッケージ:MSDN Deluxe Editionへの期待大

 では、VS.NETを導入する人は、10種類のパッケージからどの製品を選ぶのだろうか。図1で導入済み/導入予定ありと答えた人に該当製品を聞いた結果が、図3である。

 まず全体的に“Visual Basic .NET Standard”などの単体言語製品よりも、統合製品であるVS.NETへの需要が高くなっている。複数言語を同じ環境で扱えるVS.NETの特徴が、開発者メリットとして浸透しているようだ。またVS.NET各製品(Enterprise Architect/Enterprise Developer/Professional)については、いずれも“MSDN Deluxe Edition”の導入予定ポイントが高い点が注目される。

図3 VS.NET導入予定パッケージ(複数回答 N=250)

 MSDN Deluxe Editionは、開発ツールと開発者向けサービス*1が統合された日本独自の製品だが、このようなパッケージ形態は今後どの程度求められていくのだろうか? 回答者全員にその意向を尋ねたところ、「開発に必要なツールとサービスは、総合的に提供されることが望ましい」「価格差が大きくなければ、ツールだけではなくサービスもセットで利用したい」との回答が合計で7割弱に達した(図4)。開発業務にはさまざまな関連製品や情報が必要となるだけに、「サービスも製品の一部」という考えはユーザーに受け入れられやすいようだ。MSDN Deluxe Editionの成否は、今後、他開発ツールの提供形態にも影響を与えていくだろう。

*1 開発者向けサービス:ツールのアップデート版や関連するOS/各種サーバ製品などのソフトウェア自動送付に加え、開発者用テクニカル・サポート/情報提供/コミュニティが連携して提供される年間契約サービス
 
図4 MSDN Deluxe Edition評価 (N=400)

VS.NET 情報ニーズ:Webアプリ/Winアプリ開発への興味が先行

 最後に、VS.NETの機能や活用方法について、読者が現在どのような点に興味を持っているのか紹介しておこう。13の選択肢から3つまで選んでもらったところ、「ASP.NETによるWebアプリケーション開発」「.NET Frameworkクラス・ライブラリを用いたWindowsアプリケーション開発」「XML Webサービスによる企業内アプリケーション統合」の順で興味度が高いことが分かった(図5)。

図5 VS.NET情報ニーズ(3つまでの複数回答 N=400)

 一般に「.NETといえばXML Webサービス」というイメージが強いと思われるが、ソフトウェア開発の現場に携わる読者にとっては、今まで構築してきたWebアプリケーションやWindowsアプリケーションの変化の方が、よりリアルな関心事であるようだ。それはまた、Microsoft .NETがビジョンを語る段階から実装の段階へと歩を進めた証なのかもしれない。End of Article 

調査概要
調査方法
Insider.NETフォーラムからリンクした Webアンケート
調査期間
2002年3月11日〜4月8日
有効回答数
400件

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