特集モバイル開発を支援する.NET Compact Framework、.NETの世界を小型デバイスに(2)
Greg DeMichillie |
デバイス固有の機能をサポート
CFのサイズを縮小する必要がある一方で、Microsoftにとっては、開発者がCFを用いて個々のデバイス固有の機能を利用できるようにすることも重要だ。CFで提供される新しいAPIの例には次のようなものがある。
●赤外線送受信
多くのノートPCはデータの送受信用の赤外線(IR)ポートを備えているが、IRポートは携帯デバイスでより頻繁に使われる傾向があり、よく使われる用途は個人の連絡先情報のやりとりだ。CFには、アプリケーションがIRポート経由で情報を送受信できるようにする新しいAPIが含まれる。この機能は.NET Frameworkのデスクトップ・バージョンには搭載されていない。
●SQL CEプロバイダ
デスクトップ用の.NET Frameworkは多数のデータプロバイダ(.NET Frameworkがデータベース管理システム上の情報の取り出し、更新を行うためのコンポーネント)を備えている。だが、CFではデータプロバイダが2つに絞られている。MicrosoftのSQL Serverに接続するためのプロバイダ(.NET Frameworkにも搭載されている)と、SQL Server CE Editionに接続するための新しいプロバイダだ。SQL Server CE Editionは、小型デバイス上でローカルに動作するバージョンのSQL Serverだ(SQL Server CEと、CFベースのデータ対応アプリケーションの構築についての詳細は、下図「SQL Server CEとデータアクセス」を参照)。
開発者がCFで直接サポートされていないデバイスの機能(PPCリファレンス・プラットフォームのPhone Editionに搭載されている自動ダイヤル機能など)を使用するには、CFで提供されるOSへのアクセス機能を使用しなければならない。.NET Frameworkでは、マネージドコードがOSのネイティブ・コードにアクセスする方法が2つサポートされている。COMオブジェクトとしてパッケージされているネイティブ・コードにアクセスするためのCOM相互運用性と、Win32 DLLとしてパッケージされているネイティブ・コードにアクセスするためのプラットフォーム呼び出し(P/Invoke)だ。これに対し、CFではP/Invokeしかサポートされていない。
またMicrosoftは、企業の関心を引くようなアドオン・ハードウェアを製造するOEM(PPC対応のバーコード・スキャナを製造するSymbolなど)に、その機能性をCF開発者が直接利用することを可能にするアドオン・クラス・ライブラリの提供を呼びかけている。
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