特集:Visual Studio 2008&ASP.NET 3.5

ASP.NETアプリ開発者のための
Visual Studio 2008新機能 Part I

山田祥寛(http://www.wings.msn.to/
2008/01/18
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機能強化されたJavaScriptのデバッグ機能

 JavaScriptのデバッグ機能はVS 2005の時代からサポート済みであったが、インライン・スクリプトでブレイク・ポイントが設定できないなど、そのサポートはまだまだ不完全なものであった。しかし、VS 2008ではこのような制限が取り除かれ、Visual Basic/C#などとほぼ同様のデバッグ機能が利用可能になった。

 以下は、インライン・スクリプトの中でブレイク・ポイントを設定した例だ。

図10 インライン・スクリプトの中でブレイクした例

 このようにデバッグ・ブレイクさせることで、[ローカル]ウィンドウからの変数内容の確認や呼び出し履歴などを利用できることが確認できる。デバッグ実行中に動的ページ*7に対して設定したブレイク・ポイントなども、そのまま元の.aspxファイルに反映されるので、ブレイク・ポイントを設置するためにデバッグをいちいち中断する必要がないのもうれしいポイントだろう。

*7 ASP.NETページが解析されて、最終的に出力されたページのこと。

[注意]クライアントサイド・スクリプト時のデバッグ設定

 クライアントサイド・スクリプトでのデバッグ機能を利用する場合、あらかじめInternet Explorerのインターネットオプションから[詳細設定]タブ−[ブラウズ]−[スクリプトのデバッグを使用しない(Internet Explorer)]をオフに設定する必要がある。

■「スクリプト・ドキュメント」表示で、アセンブリ内のスクリプトもデバッグ可能に

 デバッグ機能を有効にできるのは、ファイルシステムに配置されたスクリプトに対してばかりではない。VS 2008では、アセンブリに埋め込まれた.jsファイル(実行時に動的に出力される.jsファイル)に対してもブレイク・ポイントを設定することが可能になった。

 例えば、以下は別稿「MS AJAX LibでAJAX対応コントロールを開発しよう(前編)」で作成したDialogButtonコントロールを実行した例である。

 デバッグ実行中の状態で、ソリューション・エクスプローラに注目してみると、以下の図11のように、ツリーの中に「スクリプト ドキュメント」という項目が追加されていることが確認できるはずだ。スクリプト・ドキュメントの配下には、ページが実行されたときに実際に出力されたJavaScript(のURL)がリスト表示される。



スクリプト・ドキュメント配下からスクリプト(ここではScriptResource……)を選択


図11 ソリューション・エクスプローラにおけるスクリプト・ドキュメント表示
ページが実行されたときに、実際に出力されるスクリプトの一覧が、ソリューション・エクスプローラ上に一覧表示される。スクリプト・ドキュメント配下に表示されたスクリプトはコード・エディタで開き、ブレイク・ポイントを設置することもできる。

 ソリューション・エクスプローラにリスト表示されたスクリプトは、ダブルクリックすることで、アプリケーションに静的に配置されたスクリプト同様、コード・エディタ上から参照することが可能だ。それだけではない。開かれたコードに対しては、ブレイク・ポイントの設置や、ブレイク時の変数確認などもできるため、エクステンダ・コントロールを自作するような場合にも、Behaviorオブジェクトだけを単独で切り出してテストするといった必要はなくなる(このことは、コントロール開発の手間を大幅に効率化するはずだ)。

 もちろん、ASP.NET AJAXやControl Toolkitなどで提供される出来合いのコントロールが思ったような動作をしない場合にも、この機能を利用すれば、内部的な動作がより確認しやすくなるだろう。

 以上、ASP.NETアプリケーション開発者のためのVisual Studio 2008の新機能ということで、まずはJavaScriptのサポートについて解説した。スクリプト言語ということもあり、Visual Studioでの対応も若干遅れていたJavaScriptサポートであるが、VS 2008ではC#やVisual Basic並みにほぼ完ぺきな対応がなされたといってもよいだろう。

 Ajaxの普及につれて今後JavaScriptを扱う機会はより一層増えてくると思われるが、ASP.NET AJAXとともにVS 2008は従来のVS 2005以上にASP.NETアプリケーション開発者の強力なパートナーとなるはずだ。

 さて、続くPart IIでは、こちらも大幅に機能強化されているCSS(Cascading Style Sheet)サポートを中心にVS 2008の新機能を解説していく予定だ。End of Article


 INDEX
  Visual Studio 2008&ASP.NET 3.5
  ASP.NETアプリ開発者のためのVisual Studio 2008新機能 Part I
    1.JavaScriptサポートを大幅に強化
    2.外部のJavaScriptライブラリやサービス・メソッドも認識可能
    3.サービス・メソッドを利用する場合/自作ライブラリにもツール・ヒントを表示
  4.機能強化されたJavaScriptのデバッグ機能
 
  ASP.NETアプリ開発者のためのVisual Studio 2008新機能 Part II
    1.CSSサポートもますます使いやすく(1)
    2.CSSサポートもますます使いやすく(2)
    3.マルチターゲッティング機能/分割ビュー
    4.マスタ・ページのネスト機能/エクステンダ・ウィザード
 
  ASP.NETアプリ開発者のためのVisual Studio 2008新機能 Part III
    1.新しいデータアクセス・コントロール − ListViewコントロール −(1)
    2.新しいデータアクセス・コントロール − ListViewコントロール −(2)
    3.より柔軟なページャの配置を可能にする − DataPagerコントロール −
    4.ASP.NETページでLINQ機能を利用する − LinqDataSourceコントロール −
 
  ASP.NETアプリ開発者のためのVisual Studio 2008新機能 Part IV
    1.UpdatePanelコントロールの適用範囲が拡大
    2.ロール・アクセスに対応したアプリケーションサービス・ブリッジ
    3.Webサービス・ブリッジがWCFをサポート


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