特集
Visual Studio.NETベータ2の新機能

―― 開発したWebサービスをインターネット経由でテスト可能にする1クリック・ホスティングとは? ――


デジタルアドバンテージ 遠藤孝信
2001/07/06

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 2001年6月19日より米国で開催されたTech・Ed 2001において、.NET開発環境の最新版、Visual Studio.NETベータ2 英語版が参加者に配布された。この概要については、すでに別稿の「Insider’s Eye:Tech・Ed 2001:VS.NETベータ2など、プログラマ待望の最新版.NET開発環境がついに登場」でご紹介しているので参照されたい。今回はこの記事に引き続き、Visual Studio.NETベータ2英語版(以下「VS.NET」。特定のバージョンや各国語版を指すときには、個別に明記)で取り入れられた新機能のうち、最も目を引く「Webホスティング」を中心にご紹介しよう。

インターネットと開発環境とを融合したVS.NET

 以前のベータ1と比べると、クラス・ライブラリの構成が大幅に変更されたVS.NET ベータ2であるが、開発環境の機能という意味では、細かなデザインの変更以外はあまり変化はないようだ。米Microsoftのサイトにある「What's New in Visual Studio .NET Beta 2(Visual Studio.NETベータ2の新機能)」というページを見ると、新機能として次の3つが挙げられている。

  • Webホスティング
  • サードパーティ・ダウンロード
  • エンタープライズ機能

 このうち最後の「エンタープライズ機能」とは、VS.NETの最終版として予定されている3つのバージョン(Professional、Enterprise Developer、Enterprise Architect)のうち、最上位のEnterprise Architect版に含まれるであろうソフトウェア・モデリングやデータベース・モデリングのための機能のことだ。ただしベータ2の新機能をうたわれながら、今回配布されたバージョンではこのエンタープライズ機能は提供されなかった。これについてMicrosoftは、「タイミングの問題のため」と説明している。ベータ2 CDの製作にぎりぎりで間に合わなかったということだろうか。

 残る2つの新機能は、VS.NETの起動時、最初に自動的に開く[Start Page]の中から利用できる。

Visual Studio.NET ベータ2の起動画面
このように、最初に表示される[Start Page]のデザインはベータ1から大きく変更された。ベータ2で追加された新機能もここから利用できる。
  初期メニュー・ページのタブは[VS Home Page](ベータ1)から[Start Page]に変更された。作成したプロジェクトはこのページに追加される。
  Solution Explorerペイン。Visual Studio 6.0の「ワークスペース」に相当する部分。プロジェクト・ツリーなどがここに表示される。
  ヘルプ用ペイン。下のタブを切り替えることで、オブジェクトのプロパティ用ペインとしても機能する(各ペインは自由に移動・配置が可能)。
  ベータ2では、Start Pageのこの部分にいくつかのオプションが新たに追加された。この「Get Started」では、新規プロジェクトの作成や、既存のプロジェクトを開くためのリンクが用意されている。
  インターネットを経由して新着情報を提供・表示する。
  Microsoftが運営しているニュースグループの一覧を表示する。
  .NET関連の新着記事やニュースなどを表示する。
  「MSDN Online Library」を検索する。
  .NET関連のコンポーネントやサンプル・コードをダウンロードする。ベータ2で追加された新しいタブ。
  VS.NETで開発したWebサービスなどをインターネット上に置き、テスト可能にするWebホスティング機能。ベータ2で追加された。
  統合環境のセッティングをカスタマイズする。これまでのVisual BasicやVisual C++などに似せたウィンドウ配置やキー割り当てを設定することができる。

 この[Start Page]の表示には、IE(Internet Explorer)のコンポーネントが使用されており、VS.NET自体が表示する情報と、表示の時点でインターネットから取得した最新情報がシームレスに合成され表示される。[Start Page]に相当するもの自体はベータ1にもあった。しかしベータ2では見栄えもよくなり、新たにタブも追加されている。具体的には、[Downloads]と[Web Hosting]の2つである。本稿で詳しく解説する「Webホスティング」機能は、この[Web Hosting]タブから使用する。

 VS.NETの新機能として挙げられていた「サードパーティ・ダウンロード」は、ドキュメントによれば、このうち[What's New]を指しているようだ。このタブを開くと、さらにその中に、[Product Information]と[Partner Resources]という2つのタブが含まれている。

[What’s New]−[Partner Resources]タブの画面
現時点では、いろいろなベンダによるのVS.NET対応製品のアナウンスへのリンクが集められている。タブ内に表示される情報は、インターネットから取得されたものであり、随時自動的にアップデートされる。
  VS.NETや.NET FrameworkなどのSDKやツールキットに関する最新情報を表示するタブ。情報量が多いため、VS.NETでは、さまざまな場所でタブを切り替えながらウィンドウに表示する情報を切り替えるようになっている。
  パートナー企業の最新情報を表示するタブ。

 ここで[Product Information]タブでは、VS.NETや.NET Frameworkに関連するSDK(ソフトウェア開発キット)やツールキットなどの最新の情報が表示される。例えば原稿執筆時点(2001年7月上旬)では、「Microsoft Mobile Internet Toolkit」と「Visual Studio for Applications(VSA) SDK Beta2」に関する情報が表示された(これらからは、MSDNMicrosoft Download Center内のページへリンクが張られている)。一方の[Partner Resources]タブでは、画面に示したように、VS.NETで使用可能なコンポーネントやツールを提供しているベンダが列挙されている。各ベンダのリンクをクリックすると、そのベンダのVS.NET対応製品のページが表示される。

 [Downloads]タブでは、Microsoftが提供する.NET関連のコンポーネントやサンプル・コードがダウンロードできるようになっている。

[Downloads]タブの画面
このページには、さらに[Downloads](ダウンロード可能なツールキットやコンポーネントなど)、[Code Samples](サンプル・コード)、[Reference](こちらも現時点ではダウンロード可能なツールキットなど)の3つのタブがあり、各ページからMicrosoftが提供する最新のコンポーネントやサンプル・コードなどをダウンロードすることができる。

 ここまで見てきたように、VS.NETの新しい[Start Page]では、これまではWebブラウザを開いて自分で探さなければならなかった.NETに関するリンクや入手可能なコンポーネント、関連するサードパーティ製品などが網羅されており、しかもVS.NETを起動するたびに、常に最新情報に触れられるようになった。動きが激しい分野だけに、ともすればプログラマは、自分が取り残されているような気分に陥りやすかった。これからはそういう心配は無用になるだろう。

関連記事(Insider.NET内)
Insider’s Eye
Tech・Ed 2001:VS.NETベータ2など、プログラマ待望の最新版.NET開発環境がついに登場
 
関連リンク
What's New in Visual Studio .NET Beta 2(Visual Studio.NETベータ2の新機能)
MSDN
Microsoft Download Center
 
 

 INDEX
[特集]Visual Studio.NETベータ2の新機能
    1.インターネットを介したWebサービスのテストを可能にするWebホスティング
    2.Webサービスの作成
    3.Webサービスのアップロード


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