テラリウム徹底攻略ガイド

Terrariumモードでのテスト

デジタルアドバンテージ
2002/05/09


Terrariumモードでのテスト

 取りあえずは生物が出来上がったので、前回に説明した手順で生物をEcosystemに放ってもよいのだが、サンプルである生物テンプレートが生き長らえられるほどEcosystemは甘くない。また、たくさんの生物がひしめき合うEcosystemでは、自分が試作した生物がフィールドのどこに現れたかを探すのもなかなか容易ではない。さらには、前回書き忘れていたことだが、一度生物をIntroduceしてしまったら、同じIPアドレスを持つマシンからは5分間待たないと次の(別の名前の)生物をEcosystemにIntroduceすることはできない(24時間で最大30匹しかIntroduceできないという制限もある)。これでは、生物プログラムの実行と修正を繰り返したり、テストをするのに特定の環境を作り出したりするのに非常に不便だ。そこでテラリウムには、生物プログラムのテストのためのシングル・プレイヤー・モードである「Terrariumモード」が用意されている。このモードでは、画面に表示されているフィールドが1つの閉じた生態系となる。(これに対して、Ecosystemという生態系の一部としてテラリウムを実行するモードは「Ecosystemモード」と呼ばれる)。

 EcosystemモードからTerrariumモードへの切り替えは、まず画面左下にある飼育器をクリックし()、一番左端のボタンをクリックする()。

Ecosystemモードで実行中のテラリウム・アプリケーション
Ecosystemモードは、Ecosystemという生態系の一部としてテラリウムを実行するモードである。
  ここをクリックしてタブを切り替える。
  新規にTerrariumモードへ切り替える場合にはここをクリックする。
  以前に保存したTerrariumモードの状態をロードする場合にクリックする。

 このボタンをクリックすると、保存のためのファイル名を入力するダイアログ・ボックスが表示されるが、これはTerrariumモードの状態を保存するファイルを指定するためのものだ。Ecosystemモードでは、テラリウム・サーバが動作している限り生態系は永続的なものだが、Terrariumモードではテラリウム・アプリケーションを終了したり、別のTerrariumモードの状態をロードしたりする()ときに、現在のフィールドの状態をファイルに保存し、中断することができる。

 次の画面はTerrariumモードに切り替えた直後の画面だ。画面の右上隅の表示で現在のモードを知ることができる。このまま待っていても、当然ながら生物がテレポートされてくることはない。ここは自分専用の生態系だ。

Terrariumモードに切り替えたテラリウム・アプリケーション
画面の右上隅の表示で現在のモードを知ることができる。Terrariumモードは、生物プログラムのテストのためのシングル・プレイヤー・モードである
  Terrariumモードで生物をIntroduceするにはこのボタンをクリックする。
  一度フィールドにIntroduceした生物をさらに追加するには、まずここからその生物を選択する。
  このボタンをクリックすることにより、で選択した生物がフィールドに追加される。

 Terrariumモードで生物をIntroduceするには、5つ並んだボタンの右にある方の[Introduce Animal]ボタン()をクリックする。これによってまず、次のようなダイアログ・ボックスが開く。ここには絶滅のいかんにかかわらず、テラリウム・サーバに登録されているすべての生物がリストアップされている。すなわちTerrariumモードでは、現在Ecosystemで活躍中の生物でもフィールドにIntroduceできるのである(ダイアログ・ボックスのタイトル・バーは「Reintroduce Species」となっているが、恐らくこれはプログラム・ミス)。

[Introduce Animal]ボタンをクリックして開くダイアログ・ボックス
ここには絶滅のいかんにかかわらず、テラリウム・サーバに登録されているすべての生物がリストアップされており、どの生物でもフィールドにIntroduceすることができる。

 さらにこの画面より、右端にある[Browse]ボタンをクリックして開くダイアログ・ボックスでコンパイルして作成したDLLファイルを開くことにより、自分の作った生物をTerrariumモードのフィールドにIntroduceすることができる(下図)。ここでIntroduceした生物がテラリウム・サーバに登録されることはない。

IntroduceするDLLファイルを選択するダイアログ・ボックス
テラリウム・サーバにまだ登録されていない自作の生物をTerrariumモードでIntroduceしてテストするには、ここでコンパイルによって出来たDLLファイルを選択する。

 また、Terrariumモードでは、最初にIntroduceされる生物は10匹だが、[Introduce Animal]ボタンの下にある[Species]ドロップダウン・リストボックス()で生物を選択して[Add]ボタン()をクリックすることにより、一度フィールド上にIntroduceしたが、まだ絶滅していないような生物でも続けてどんどんIntroduceすることが可能だ。

 このようにTerrariumモードでは、Ecosystemで上位にランクされている生物をIntroduceし、その挙動をじっくりと観察することも、自分の生物がそれらの生物と戦うとどうなるのかを研究することも簡単に試してみることができる。

Ecosystem最新情報

 残念ながら今回はここまでである。最後に現時点でのEcosystemについての最新情報を見ておこう。もちろん最新状況はテラリウムのサイトからいつでも参照できるが、現時点での状況をここに記しておくことは、のちに日本でのコンテストを語るときに何かの足しになるかもしれない。ということで、2002年5月8日朝9時の日本のサーバにおけるEcosystemトップ10は次の画面のようになっている。どうやら最も恐れていたことが起こってしまったようである。そう、外国産生物の台頭である。しかもコンテスト開始後からつい先ほどまで1位をキープしていたBuu2Test氏による“buu_sou3”を蹴落としたのは、米国サーバで今もなおトップ10を独占中のcmboarシリーズの作者CorwinXX氏によるcmhare01である(ちなみにboarは雄豚、hareは野ウサギのことらしい)。3位と5位のgammaシリーズもまた米国サーバで一時、天下を取っていた生物である。本人が日本のサーバに接続してIntroduceしたのか、誰かが米国サーバから拾ってきたのかは不明だが、ここ数日間で日本のサーバのレベルもどーんと上がってしまったことは確かだ。

2002年5月8日朝9時の日本のサーバにおけるEcosystemトップ10
海外のプログラマーにより作成されたと思われる生物が増えてきている。日本人のメンツにかけてそれだけは食い止めなければならない。

 サーバに登録されている生物の数はこの時点で2670匹となっている。ただし200匹を超えている草食動物はわずか6匹、肉食動物に至ってはたったの1匹である。やはり肉食動物は不利なのだろうか?

 さて次回では、organismbase.dllで定義されている、生物プログラミングに必須なライブラリのオブジェクト・モデルと、今回用いた生物テンプレートに記述されているソース・コードについて解説し、より賢い生物にするにはどういった処理が必要となるかを考えてみる予定だ。End of Article

 

 INDEX
  [連載]テラリウム徹底攻略ガイド
  第2回 生物プログラミング始めの一歩
     飼育器事情の読み方
     Ecosystemトップ10
     生物プログラミング始めの一歩
   Terrariumモードでのテスト
 
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