連載:VS 2005でいってみようDBプログラミング

第10回 実践アプリケーションで一歩踏み込むASP.NET 2.0の世界

山田 祥寛(http://www.wings.msn.to/
2006/11/29
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個別記事表示/返信/投稿画面を作成する − FormViewコントロールの応用

 次に、Bbs.aspxで個別の記事リンク、または[新規投稿]リンクをクリックした場合に表示される個別記事画面(BbsShow.aspx)を作成してみることにしましょう。このBbsShow.aspxでは、指定された記事を表示するとともに、既存記事の削除や新規記事の投稿、既存記事に対する返信投稿などの機能を提供します。

[1]サーバ・コントロールを配置する

 先ほどと同様にマスタ・ページ「BbsMaster.master」を適用した新規のWebフォーム「BbsShow.aspx」を作成し、図5の要領でサーバ・コントロールを配置します。


図5 BbsShow.aspxのフォーム・レイアウト
  自動作成されるContentコントロール。
  FormViewコントロール(fv)を配置。
  SqlDataSourceコントロール(sds)を配置。

 FormViewコントロールは、第5回で解説したDetailsViewコントロールと同様に、詳細ビューを作成するためのコントロールです。

 DetailsViewコントロールでは詳細ビューをあらかじめ決められたテーブル組みの形式で整形するのに対して、FormViewコントロールは、参照/編集/新規ビューをそれぞれテンプレートとしてデザインでき、DetailsViewコントロールに比べて自由にレイアウトを決められるのが特徴です。

[2]FormViewコントロールのテンプレートを編集する

 次に、配置したFormViewコントロールの各テンプレートを編集します。

 FormViewコントロールには表5のようなテンプレートが用意されていますが、本サンプルでは「個別記事参照」画面としてItemTemplateテンプレートを、「記事返信」画面としてEditItemTemplateテンプレートを、「新規投稿」画面としてInsertTemplateテンプレートを、それぞれ定義しておくものとします。

テンプレート 概要
ItemTemplate 個別アイテムの表示
FooterTemplate フッタ部分
EditItemTemplate 個別アイテムの更新
HeaderTemplate ヘッダ部分
InsertItemTemplate 個別アイテムの新規登録
EmptyDataTemplate データが存在しない場合の表示
PagerTemplate ページャ部分
表5 FormViewコントロールで利用可能なテンプレート

 テンプレートを編集するには、FormViewコントロールのタスク・メニューから[テンプレートの編集]を選択してください。

 デフォルトではItemTemplateテンプレートの編集画面が表示されますので、表示テンプレートを切り替えたい場合には、同じくタスク・メニューの[表示]一覧から対象のテンプレートを選択してください。編集が終了したら、タスク・メニューの[テンプレート編集の終了]を選択します。

 ここでは、それぞれ以下の図のようにサーバ・コントロールを配置するものとします。


図6 ItemTemplateテンプレートのレイアウト(「個別記事参照」画面)
  Labelコントロール(lblId)を配置。
  Labelコントロール(lblSubject)を配置。
  Labelコントロール(lblNam)を配置。
  Labelコントロール(lblLastModified)を配置。
  Labelコントロール(lblBody)を配置。
  TextBoxコントロール(txtPasswd)を配置。
  Buttonコントロール(btnDelete)を配置。
  Buttonコントロール(btnRes)を配置。


図7 EditItemTemplateテンプレートのレイアウト(「記事返信」画面)
  TextBoxコントロール(txtSubject)を配置。
  TextBoxコントロール(txtNam)を配置。
  TextBoxコントロール(txtBody)を配置。
  TextBoxコントロール(txtPasswd)を配置。
  HiddenFieldコントロール(hdnId)を配置。
  Buttonコントロール(btnUpdate)を配置。
  Buttonコントロール(btnCancel)を配置。


図8 InsertItemTemplateテンプレートのレイアウト(「新規投稿」画面)
  TextBoxコントロール(txtSubject)を配置。
  TextBoxコントロール(txtNam)を配置。
  TextBoxコントロール(txtBody)を配置。
  TextBoxコントロール(txtPasswd)を配置。
  Buttonコントロール(btnInsert)を配置。
  Buttonコントロール(btnCancel)を配置。

 なお、本サンプル・アプリケーションでは「記事返信」用の画面として、便宜的にEditItemTemplateテンプレートを利用していますが、これは既存記事の編集用ではありませんので注意してください。

 それぞれのテンプレートには、表6の要領でプロパティ情報を設定しておきます。

テンプレート コントロール プロパティ 設定値
ItemTemplate Label
(lblId)
Text Eval("id")
Label
(lblSubject)
Text Eval("subject")
Label
(lblNam)
Text Eval("nam")
Label
(lblLastModified)
Text Eval("last_modified","{0:yyyy年MM月dd日 HH:mm:ss}")
Label
(lblBody)
Text Eval("body")
TextBox
(txtPasswd)
Columns 5
TextMode Password
Button
(btnDelete)
CommandName Delete
Text 削除
Button
(btnRes)
CommandName Edit
Text 返信
EditItemTemplate TextBox
(txtSubject)
Columns 50
MaxLength 100
Text Bind("subject")
TextBox
(txtNam)
MaxLength 35
Text Bind("nam")
TextBox
(txtBody)
Columns 45
Rows 7
Text Bind("body")
TextMode MultiLine
TextBox
(txtPasswd)
Columns 5
MaxLength 10
Text Bind("passwd")
TextMode Password
HiddenField
(hdnId)
Value Bind("id")
Button
(btnUpdate)
CommandName Update
Text 投稿
Button
(btnCancel)
CommandName Cancel
Text 戻る
InsertItemTemplate TextBox
(txtSubject)
Columns 50
MaxLength 100
Text Bind("subject")
TextBox
(txtNam)
MaxLength 35
Text Bind("nam")
TextBox
(txtBody)
Columns 45
Rows 7
Text Bind("body")
TextMode MultiLine
TextBox
(txtPasswd)
Columns 5
MaxLength 10
Text Bind("passwd")
TextMode Password
Button
(btnInsert)
CommandName Insert
Text 投稿
Button
(btnCancel)
PostBackUrl ~/Bbs.aspx
Text 戻る
表6 各テンプレート上のプロパティ情報

 ただし、Label/TextBoxコントロールのTextプロパティ、HiddenFieldコントロールのValueプロパティのように、データベースからの取得値をバインドする式を記述したい場合には、プロパティ・ウィンドウからは入力できません。各コントロール右上のタスク・メニューから[DataBindingsの編集]を選択し、表示された[<コントロール名> DataBindings]ダイアログから[カスタム式]−[コード欄]にバインド式(「Bind("subject")」など)を入力してください。バインド式の詳細については、第4回でも紹介していますので、併せて参照してください。

 HiddenFieldコントロールは、どの記事に対する返信なのかを識別するための投稿コードを維持するために使用しています。

[コラム]HiddenFieldコントロール

 HiddenFieldコントロールはASP.NET 2.0から追加されたコントロールで、いわゆる隠しフィールド(<input type="hidden">)を生成します。隠しフィールドの値はブラウザ上では表示されませんが、エンドユーザーの目から完全に隠ぺいされているわけではない、という点に注意してください。悪意あるユーザーが隠しフィールドの値を改ざんすることは比較的容易に可能です。原則として、アプリケーションの挙動を左右するような情報を隠しフィールド経由でやりとりするべきではありません。

 もしもそのような必要がある場合には、HiddenFieldコントロールのValueChangedイベントを利用するべきです。ValueChangedイベントは隠しフィールドの値がポストバックの前後で変更された場合に発生するイベントで、本イベントを利用することで(例えば)値の改ざんが行われた場合などに後続の処理を中止するなどの処理を記述することが可能になります。

 なお、FormViewコントロール上の各ビューではMultiView/Viewコントロールと同様、ボタンに特殊な機能を持たせるために、CommandName/CommandArgumentプロパティの値が予約されています。FormViewコントロールで利用可能な予約コマンドは、表7のとおりです。

CommandName CommandArgument 概要
New [新規]ボタン
Insert [挿入]ボタン
Delete [削除]ボタン
Edit [編集]ボタン
Update [更新]ボタン
Cancel [キャンセル]ボタン
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表7 FormViewコントロールで利用可能な予約コマンド


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