XMLとの連携・活用
XMLを活用した業務システムにはどんな事例がありますか?

テンアートニ 中越智哉
2001/7/12

 XMLを利用している業務システムの一例として、テンアートニが開発した事例をいくつかご紹介しましょう。

●インターネット保険料見積もりサイト

 このサイトでは、見積もりに必要な条件を入力していき、それらの条件から、自動車保険料の見積もりを表示させることができます。

 このとき、見積もり条件や、保険料のデータはXMLで保持しておき、データのブラウザへの表示と、ブラウザからのパラメータの入力をXSLTによって行います。こうすることで、データのやりとりを含めた表示イメージの変更や、入力フィールドの変更、データの追加・変更をサーブレット側のロジックをほとんど変更せずに、XSLTの変更によって対応することができます。

図1 XSLTを活用することで、サーブレット側のコード変更はほとんど必要なくなる

●インターネット保険料見積もり比較サイト

 このサイトでは、利用者の希望条件を入力することで、希望に合った見積もりを提供可能な保険会社をリストアップして、その見積もり内容を表示できます。

 このとき、各保険会社へ見積もり内容を入力したり、その結果を受け取るためのフォーマットとしてXMLが利用されています。

図2 XMLを中間データとして利用することで、各保険会社の処理に対応できる

 ユーザーが入力した見積もり条件は、いったんデータベースに格納されます。見積もり結果を表示するためには、データベースに格納されたものを、各保険会社の見積もりを算出するエンジンに送信するため、XML形式のフォーマットに変換する必要があります。

  1. データベースから見積もり条件を参照し、そこで得られたResultSetを、これと等価な中間XMLにいったん変換する

  2. その中間XMLを各社の見積もり条件に合わせるためXSLTによって変換し、各社ごとの見積もりデータを生成する

  3. その見積もりデータを各社のサーバに送信し、見積もり結果を、同様にしてXML形式で受け取る

  4. 受け取った見積もり結果XMLを、1.と同様の中間XMLに変換し、これと等価なSQL文を生成し、データベースに格納する


●携帯電話コンテンツ自動生成ソリューション

 携帯電話のコンテンツサービスにおいては、キャリアごとに記述形式が異なり、また、同じキャリアでも端末ごとの表現能力の違いによって、同一内容のコンテンツを複数作成する必要があります。

 このコンテンツの内容をXMLで作成しておき、リクエストからクライアント(携帯端末)のキャリアや機種を自動判別し、XSLTによって各キャリア向けのコンテンツ(C-HTMLやHDML/WML、MMLなど)に変換することで、同一内容のコンテンツを個別に作成することが不要になり、コストの低減が図れます。

図3 コンテンツはXML形式で存在する。XSLTで各キャリアが採用する記述言語に従ったコンテンツに変換する

 

 

「Java Solution FAQ」





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