ユーザーの挑戦

フリーAPサーバで音楽ダウンロードサイトを構築


羽生章洋
有限会社エア・ビート
取締役兼CEO
2000/12/20

前編 アプリケーションサーバ「Enhydra」を使った挑戦


 

Enhydraの入手方法

 Enhydraを使ってどのように開発を進めたかについては、次の機会に譲りたいと思います。それまでにぜひ皆さんにも是非Enhydraを入手しておいていただきたいと思います。

 以下の4つのソフトウェアが必要になります。

  • JDK1.2.2(Java2開発キット)
  • Enhydra3.0(アプリケーションサーバ)
  • JBuilder 3.5 Foundation
  • Kelp1.1

 Enhydraはマルチプラットフォーム対応なので、どのOSにもインストールできます。ここでは、Windowsでの開発を行うためのそれぞれのバイナリの入手元とインストールについて、簡単に説明します。

(1)JDK1.2.2
 Enhydra3.0をインストールするためには、Java2 SDK(バージョンは1.2.2以降)が必要です。これはEnhydra自体が1つの巨大なJavaアプリケーションだからです。

Java2 SDKはSun Microsystems社のWebサイトよりダウンロードできます。ダウンロードしたファイル(jdk-1_2_2_xxx-win.exe)をダブルクリックし、インストールを行ってください。ダウンロードサイトは次のURLです。
http://java.sun.com/products/jdk/1.2/ja/


(2)Enhydra3.0
 Java2 SDKのインストールが終了したら、Enhydraをインストールします。Windows NTの場合は、Administrator権限を持つユーザーとしてログオンし、インストールを行ってください。Enhydraのインストールが終了すると、デスクトップ上にラッコのアイコン(EnhydraShell)が作成されます。本来、Enhydraのアプリケーション作成は、このDOSプロンプトのようなEnhydra Shellを使って行うのですが、JBuilder & Kelp を使うと、Shellを使用せずに簡単にEnhydraアプリケーションを構築することができます。Enhydraのインストールが終了したら、コマンドラインからEnhydraツールを実行するために、環境変数の設定を行います。PATH環境変数に<enhydra_root>/binを追加してください。

EnhydraはEnhydra.orgのWebサイトより、ダウンロードできます。ダウンロードサイトのURLは次のURLです。
http://www.enhydra.org/software/enhydra/downloads/


(3)JBuilder 3.5 Foundation
 JBuilderは現在JBuilder 4 が最新バージョンですが、残念ながら今のところ正式にサポートしているのはJBuilder 3.5です。なお、JBuilder 3.5のバージョンであれば、FoundationでもProfessionalでも使えます。現在、JBuilder 4にはβ版のKelpが用意されています。

(4) Kelp1.1
 KelpはJBuilder用のEnhydraツールです。JBuilderのOpenTools APIを利用してJBuilder内部に組み込まれて、まるでJBuilderの一部のような形で利用することができます。Enhydra.orgのWebサイトより、ダウンロードできます。

Kelpは現在バージョン2.0β2が最新版です。JBuilder3.5、4はもちろん、実は、Oracle JDeveloper 3.0に対応しています。正式版は現在のところバージョン1.1のみです。ダウンロードサイトは次のURLです。
http://www.enhydra.org/software/downloads/kelp/index.html

 Kelpをインストールすると、JBuilderで3つのウィザードを使用できます。

  • Enhydra Application Wizard
  • XMLC Compiler Wizard
  • Enhydra Confuger Wizard

 Kelpを使うことによって、GUIから簡単にEnhydraアプリケーションを構築できます。またJBuilderのデバッガを利用できるので、開発効率が向上します。

 さて、現在JDK1.3がリリースされています。残念ながら現時点ではEnhydraはJDK1.3を正式にサポートしてはいませんが、メーリングリストでも使用例が増えていること、また当社においても特に目立った問題がないことからJDK1.3を使っても差し支えないかと思います。またJBuilder4が既にリリースされていますが、こちらを使う場合はKelp1.2をお使いください。Kelp1.2は現時点ではまだβ版です。あらかじめご了承ください。

RDBMSとJDBCドライバについて

 さてEnhydraを使う上でもう1つ重要なファクターがあります。それはRDBMSです。当社ではオープンソースであること、また商用としてのしっかりとした実績も有していることからInterbase6を使っています。またSybase Adaptive Server Anywhereもテストしましたが特に問題なく動作することを確認しています。もちろんほかのRDBMSでも構いませんのでお好きなRDBMSをご用意ください。ただし1つだけ注意してほしいことがあります。それはきちんとしたJDBCドライバが用意されているRDBMSを用意するということです。

 Enhydraはそれ自体が1つの巨大なJavaアプリケーションです。ですからJDBCを経由してRDBMSとやりとりを行います。ですからJDBCドライバが必ず要ります。必須です。ですのでRDBMSと合わせてきちんと対応したJDBCドライバが用意されているRDBMSを選んでください。RDBMSがいくらしっかりしていても提供されているJDBCドライバは意外とお粗末であったりすることも場合によってはあります。するとつまらないトラブルの原因となってしまいます。JDBCドライバは特に日本語処理でトラブルが起こったりすることがあるため、できればオープンソースであることが望ましいです。ともあれ必ずしっかりと確認してください。

 というわけで、次回は実際の開発をどうやったかについてお話しします。Enhydraのだいご味であるXMLCを中心にPO(プレゼンテーション・オブジェクト)の開発について説明します。お暇なときがあれば、当社のEnhydraによる事例でもあるワクワク音楽体験のテーマサイト【エア・ビート・ドットコム】にもぜひアクセスしてみてください。http://www.air-beat.com/ です。では次回もぜひお読みください。

 


Index
フリーAPサーバで音楽ダウンロードサイトを構築(前編)
  ■Enhydraで音楽ダウンロードサイトを構築
 
アプリケーションサーバはやはり必要?
 Enhydraを選んだワケ
 Javaで作られているメリット
 JBuilderとの連携に優れる
 デザイナーとプログラマの完全分業
 自己責任というリスクよりメリットの方が大きかった
■Enhydraの入手方法
 RDBMSとJDBCドライバについて
フリーAPサーバで音楽ダウンロードサイトを構築
(後編 バーチャル組織で成功した理由と「Enhydra」の優位性)



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