EeePC

第2回 これだけは知っておきたい! 必須コマンド20(後編)


北浦 訓行
2009/4/22


覚えておきたいコマンド集・その3

mv

 mvは、ファイルを移動したり、ファイル名を変更するコマンドです。ディレクトリ名を変更する場合もmvコマンドを使用します。

$ mv tmp.txt foo.txt
tmp.txtというファイル名をfoo.txtに変更する

$ mv foo.txt doc
foo.txtというファイルをdocというディレクトリに移動する

 ファイルをディレクトリに移動する場合、あらかじめそのディレクトリを作成しておかなければなりません。例えば、上記の例でdocというディレクトリが存在しない場合、foo.txtがdocというファイル名に変更されます。

nkf

 nkfは、文字コードを変換するコマンドです。オプションとして、変換する文字コードを指定します。指定可能なオプションは主に以下のようなものがあります。

オプション 意味
-j JISコードを出力(デフォルト)
-e EUCコードを出力
-s シフトJISコードを出力
-w Unicodeを出力

 例えば、Windowsで作成したfoo.txtという名前のテキストファイルをUnicode(UTF-8:Ubuntuなどの文字コード)に変換するには、以下のようにします。

$ nkf -w foo.txt

 この場合、変換後の結果が画面に表示されます。例えば、変換結果をutf.txtとする場合は、以下のようにします。

$ nkf -w foo.txt > utf.txt

 nkfコマンドも、あるコマンドの実行結果の画面表示を受け取って、変換することができます。その場合は、以下のようにします。

$ cat foo.txt | nkf -w > utf.txt

【注意】

 UbuntuやEasy Peasyでは、初期状態ではnkfコマンドはインストールされず、実行すると以下のようなエラーメッセージが表示されます。

$ nkf
プログラム 'nkf' はまだインストールされていません。 次のように入力することでインストールできます:
sudo apt-get install nkf
-bash: nkf: command not found

その場合は、メッセージにあるように、「sudo apt-get install nkf」というコマンドを実行するか、Synapticパッケージマネージャで「nkf」を検索して、nkfパッケージをインストールしてください。

ps

 psは、実行中のプロセスを表示するコマンドです。psコマンドは、オプションの指定方法や結果の書式が複数あります。オプションを付けないでpsコマンドを実行すると、実行した端末のプロセスのみが表示されます。

$ ps
PID TTY TIME CMD
14292 pts/1 00:00:00 bash
16063 pts/1 00:00:00 ps

 標準的な書式でシステム上の全プロセスを表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ ps -eF
UID PID PPID C SZ RSS PSR STIME TTY TIME CMD
root 1 0 0 764 1848 0 Mar18 ? 00:00:01 /sbin/init
root 2 0 0 0 0 0 Mar18 ? 00:00:00 [kthreadd]
root 3 2 0 0 0 0 Mar18 ? 00:00:00 [migration/0]
(省略)

 BSD書式でシステム上の全プロセスを表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ ps aux
USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TTY STAT START TIME COMMAND
root 1 0.0 0.3 3056 1848 ? Ss Mar18 0:01 /sbin/init
root 2 0.0 0.0 0 0 ? S< Mar18 0:00 [kthreadd]
root 3 0.0 0.0 0 0 ? S< Mar18 0:00 [migration/0]
root 4 0.0 0.0 0 0 ? S< Mar18 0:00 [ksoftirqd/0]

pwd

 pwdは、カレントディレクトリを表示するコマンドです。UbuntuやEasy Peasyでは、デフォルトでプロンプトに現在のディレクトリが表示されますが、pwdコマンドは/(ルート)からのフルパスが表示されます。

user@localhost:~$ cd download
user@localhost:~/download$ pwd
/home/nori/download

rm

 rmは、ファイルやディレクトリを削除するコマンドです。複数のファイルを指定して、一度に削除することも可能です。削除したファイルやディレクトリを元に戻す確実な方法は存在しないため、削除を実行する際には十分に注意してください。

$ rm sample1.odt sample2.odt

 -iオプションを指定すると、確認のメッセージが表示されます。削除してよければ、[y]を入力して[Enter]キーを押します。

$ rm -i foo.txt
rm: remove 通常の空ファイル `foo.txt'? y

 ディレクトリを削除する場合は、-rオプションを指定します。その場合は、ディレクトリ内に保存されている全ファイルも一緒に削除されます。

$ rm -r doc
docディレクトリを中のファイルごと削除する

su(sudo)

 suは、ユーザーを変更してシェルを起動するコマンドです。多くのディストリビューションでは、root権限を取得するためにsuコマンドを実行しますが、UbuntuやEasy Peasyはsuコマンドでroot権限を取得することはできません(root権限は取得できないポリシーになっている)。

 userというユーザーIDに変更し、userのホームディレクトリに移動する場合は、以下のコマンドを実行します。パスワードの入力を求められますから、userのパスワードを入力して[Enter]キーを押してください。

$ su - user
パスワード:
$ pwd
/home/user

 UbuntuやEasy Peasyは、root権限が必要となるコマンドを実行する場合、sudoコマンドを実行します。その際に求められるパスワードは、実行するユーザーのパスワードです。rootのパスワードではないことに注意してください。

$ date -s 12:05
date: 日時を設定できません: Operation not permitted
2009年 3月 20日 金曜日 12:00:00 JST
$ sudo date -s 12:05
[sudo] password for user:
2009年 3月 20日 金曜日 12:05:00 JST

vi

 viは、テキストエディタ(vi)を起動するコマンドです。viは端末で実行可能なテキストエディタを起動します。ただし、実際に起動されるのは、viの拡張版であるVimになります。

$ vi <編集するファイル>

 UbuntuやEasy Peasyは、通常はグラフィカルなユーザーインターフェイスであるGNOMEが起動します。従って、あえて端末用のテキストエディタであるviを使用する意味はありません。しかし、何らかの原因でGNOMEが起動しなくなった場合は、コマンドラインでviを使用して設定ファイルを変更する必要が出てきます。

 viは非常に多機能なエディタですから、ここで使用法は解説しません。トラブルに遭遇する前に、簡単な使用法を確認しておいてください。

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 第2回 これだけは知っておきたい! 必須コマンド20(後編)
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 覚えておきたいコマンド集・その2
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