最終回 音楽や動画を楽しむ〜DVDメディアの再生
北浦 訓行
2009/12/16
音楽と動画を再生してみる
さて、いよいよ音楽と動画です。まずは、オンラインの配信サービスから見ていきましょう。とはいうものの、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サービスを利用するに当たって、特別に行うべき設定などはありません。デスクトップの［インターネット］をクリックして、WebブラウザのFirefoxを起動します。後は、アドレスバーに動画配信サービスのURLを入力するだけです。
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| 画面6 FirefoxでYouTubeにアクセスしたところ |
次に、音楽CDの再生です。NetbookにはDVDドライブが搭載されていないため、音楽CDやDVDを再生するためには、外付けのDVDドライブが必要となります。USB接続のDVDドライブ（CDも再生可能）は、例えばAmazonなどの通販サイトでは、5000円台から販売されています。
DVDドライブを接続して、音楽CDをドライブにセットすると、［オーディオ・ディスク］ダイアログボックスが表示されます。
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| 画面7 ［オーディオ・ディスク］ダイアログボックス |
初期設定では、［"Banshee Media Player"を開く］が選択されていますので、そのまま［OK］ボタンをクリックします。なおその際に、［常にこのアクションを適用する］にチェックマークを付けておくと、次回以降音楽CDをセットすると、自動的にBanshee Media Playerが起動するようになります。
Banshee Media Playerで音楽CDを再生するには、左のボックスの一番下に表示される［音楽CD］をクリックします。すると右のボックスに収録されている楽曲の一覧が表示されます。ツールバーの［再生］ボタンをクリックすると、音楽の再生が始まります。
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| 画面8 音楽を再生中のBanshee Media Player |
Banshee Media Playerは、［楽曲のインポート］ボタンをクリックすることによって、音楽をHDDに取り込むことも可能です。
最後に、DVDムービーの再生です。市販のDVDムービーを再生するには、livdvdcss2というモジュールおよびメディアプレーヤー（ここでは「VLC media player」）が必要になります。
livdvdcss2は、暗号化された映像を復号するためのモジュールですが、国によっては違法となるためUbuntuには含まれていません（もちろん、Easy Peasyも同様です）。そこで、livdvdcss2が含まれたパッケージをインストールするためのプログラムが含まれたパッケージ（ubuntu-restricted-extras）をインストールして、install-css.shというプログラムを実行します。
まず、Synapticsパッケージ・マネージャでubuntu-restricted-extrasをインストールします。デスクトップの［システム管理］を選択して［Synapticsパッケージ・マネージャ］を起動します。
そして、［クイック検索］ボックスに「ubuntu-restricted」と入力すると、ubuntu-restricted-extrasが表示されるので、それをインストールします。
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| 画面9 Synapticsパッケージ・マネージャ |
ubuntu-restricted-extrasのインストールが完了したら、いったんSynapticsパッケージ・マネージャを終了させます。次に、デスクトップの［アクセサリ］を選択して、［端末］を起動します。そして、以下のコマンドを実行します。
$ sudo /usr/share/doc/libdvdread4/install-css.sh |
パスワードの入力を求められますから、自分のパスワードを入力して［Enter］キーを押します。これにより、必要なファイルを自動的にダウンロード＆インストールしてくれます。
インストールが完了したら、端末を終了して、再度Synapticsパッケージ・マネージャを起動します。そして、［クイック検索］ボックスに「vlc」と入力して、VLC media playerをインストールします。
以上で、DVDムービーの再生準備が整いました。DVDをドライブにセットすると、「ビデオDVDを挿入しました。起動するアプリケーションを選択してください」というメッセージが表示されるので、リストボックスで［"VLC media player"を開く］を選択して、［OK］ボタンをクリックします。その際に、［常にこのアクションを適用する］にチェックマークを付けておくと、次回以降にDVDムービーをセットすると、自動的にVLC media playerが起動するようになります。
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| 画面10 DVDムービーをセットした際のメッセージ |
VLC media playerが起動したら、再生ボタンをクリックします。すると、DVDムービーの再生が始まります。
| コラム■ステップアップのためのヒント |
DVDドライブが付属していないNetbookで、音楽CDやDVDムービーを再生する方法はいくつかあります。例えば、ほかのPCに音楽やムービーを取り込んで、そのデータを共有して再生する方法や、ほかのPCをDLNAサーバにして、音楽やムービーのデータをストリーム配信し、それをEasy Peasyで表示するなどの方法です。 ここでは、これらの手順を説明しませんので、雑誌や書籍などから情報を得たり、ネットで検索してみるといいでしょう。 |
まとめに代えて
衝撃的な初代EeePCの発売から2年が過ぎようとしています。初期のころには、インストールにも工夫が必要だったのですが、Ubuntu eee（現Easy Peasy）のリリースなどにより、Netbookでも簡単にLinuxを使えるようになりました。また、本家のUbuntuからも「Ubuntu Netbook Remix」がリリースされるなど、Netbook専用Linuxの選択肢も増えています。
多くのユーザーが所有しているという意味において、Netbookはすでに一般的なPCの仲間入りをしています。そのため、この連載で使用したEasy Peasyだけでなく、UbuntuやFedoraなどのディストリビューションを、通常のPCと変わることなく、Netbookにインストールすることができます。
問題となるのは、ディスプレイの解像度です。Netbookのような狭い画面解像度では、画面からはみ出てしまうダイアログボックスがあります。その場合、［Alt］キーを押しながらダイアログボックスをドラッグすることで、はみ出た部分を表示することができます。このような処置に不便さを感じるようであれば、Easy PeasyやUbuntu Netbook Remixを使用するといいでしょう。また、Netbookによく使われる周辺機器（Webカメラや無線LANなど）は、Netbook用ディストリビューションの方がサポートが早い可能性があります。
OSもアプリケーションもフリーで、たいていのことが実現可能なLinuxと、低価格でコンパクトなNetbookは、まさにベストな組み合わせといえるでしょう。
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