Linux Tips

ユーザーが退社や出向でいなくなったときに行うべき作業

北浦訓行
2001/8/16

 長期出張や出向などで、近い将来ユーザーが戻ってくる可能性があるなら、ユーザーアカウントはロックするだけでいいだろう。

 ユーザーアカウントをロックしたり外したりするには、passwdコマンドを使用する。-lオプションでアカウントがロックされ、-uオプションでロックが外れる。

# passwd -l nori ←noriというユーザーアカウントをロック
Changing password for user nori
Locking password for user nori
passwd: Success
# passwd -u nori ←noriというユーザーアカウントをアンロック
Changing password for user nori
Unlocking password for user nori
passwd: Success

 ユーザーが退社した場合は、速やかにユーザーアカウントを削除しなければならない。しかし、いきなり削除して必要なファイルも消してしまうと困る。まず、ユーザーアカウントをロックして、ユーザーのホームディレクトリやメールスプーラのバックアップを取る。

 次に、ユーザーアカウントを削除する。ユーザーアカウントの削除には、userdelコマンドを使用する。削除するユーザーのホームディレクトリも併せて削除する場合は、-rオプションを付ける。

# userdel -r nori ←noriというユーザーアカウントをホームディレクトリごと削除

 続いて、ユーザーがホームディレクトリ以外に作成したファイルを削除する。念のため、必要そうなファイルはバックアップするか、所有者を変更して場所を変更するなどの作業をしておこう。いなくなったユーザーが作成したファイルは、findコマンドで探すことができる。

# find / -user nori ←noriというユーザーが作成した全ファイルを検索

 最後に、いなくなったユーザーが残したジョブがないかどうかチェックする。atコマンドで予約されたジョブは、前述のfindコマンドで/var/spool/atディレクトリに見つけられるはずだ。cronで設定されたコマンドは、crontabコマンドで調べることができる。残っていたら-rオプションで削除する。

# crontab -u nori -l ←noriの設定を表示
# DO NOT EDIT THIS FILE - edit the master and reinstall.
# (/tmp/crontab.1029 installed on Fri Aug 3 12:04:19 2001)
# (Cron version -- $Id: crontab.c,v 2.13 1994/01/17 03:20:37 vixie Exp $)
30 5 1,15 * * /usr/local/bin/mycommand
# crontab -u nori -r ←noriの設定を削除
# crontab -u nori -l ←noriの設定を再度表示
no crontab for nori ←noriの設定は削除された

Linux Tips Index



 Linux Squareフォーラム Linux Tipsカテゴリ別インデックス
インストール/RPM ブート/ブートローダ
ファイル操作 環境設定
ユーザー管理 コンソール/ターミナル
X Window System セキュリティ
トラブルシューティング 他OS関係
ネットワーク ハードウェア
Webサーバ Samba
GNOME KDE
OpenOffice.org エミュレータ
ソフトウェア そのほか/FAQ
全Tips公開順インデックス Linux Tips月間ランキング
Linux Squareフォーラム全記事インデックス

MONOist組み込み開発フォーラムの中から、Linux関連記事を紹介します


Linux & OSS フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Linux & OSS 記事ランキング

本日 月間