Linux Tips

USB接続のスキャナを使うには(Vine Linux編)

北浦訓行
2004/6/3

 SCSI接続のスキャナを使うにはで説明したとおり、Linuxではスキャナ関連ツールとしてSANEを使っている。SANEは、スキャナを始めとするラスターイメージを取り込むハードウェアに対するアクセスを標準化したAPIで、SANEのパッケージには多くの関連ツールが入っている。Vine Linuxの場合、Vine PlusにSANEのパッケージ

  • sane-1.0.11-0vl2.i386.rpm
  • sane-clients-1.0.10-0vl1.i386.rpm
  • sane-devel-1.0.11-0vl2.i386.rpm
  • xsane-0.90-0vl1.i386.rpm

が用意されているので、これらをインストールする。

 SANEがサポートしているスキャナは、SANEのWebサイト(http://www.sane-project.org/)で公開されている。例として、キヤノンのフラットベッドスキャナ「CanoScan FB636U」がサポートされているかどうかを調べてみよう。

 [Supported devices]をクリックし、「Current Stable SANE Version」の[Ordered by Manufacturer]をクリックする。メーカーの一覧から[Canon]をクリックすると、各スキャナの機種名やインターフェイス、サポートされているかどうかなどの一覧が現れる。CanoScan FB636Uの場合、ステータスが「untested」になっており、「hopefully works」とコメントされている。そして、バックエンド(ドライバ)は[canon630u]となっている。つまり、「テストは行われていないがcanon630uのドライバを使えばおそらく動くだろう」ということだ。

 では、canon630uを使ってCanoScan FB636Uを使ってみよう。

 まず、rootでログインして/etc/sane.d/dll.confをバックアップする。そして、/etc/sane.d/dll.confを開いて[canon630u]という項目以外をすべて削除するか、行頭に「#」を付けてコメントアウトする。

 USBスキャナは、デバイスとして/dev/usb/scanner0を使用する。しかし、デフォルトではrootでしか/dev/usb/scanner0にアクセスできないため、一般ユーザーでもアクセスできるようにパーミッションを変更する。

# chmod 666 /dev/usb/scanner0

 以上の作業が終了したらスキャナを接続し、一般ユーザーでログインしてsane-find-scannerコマンドを実行してみよう。

$ sane-find-scanner
(省略)
found USB scanner (vendor=0x04a9, product=0x2204) at /dev/usb/scanner0
(省略)

と表示されれば、正常に認識されている。後は、画像をスキャナで取り込むには(Xsane編)で説明したように、xsaneを起動すればよい。

 上記の作業を行ってもスキャナが認識されない場合は、murasakiの設定を行う必要がある。murasakiは、カーネル2.4のHotPlug機能を利用して、自動的に対応モジュールのロード/アンロードを行うツールで、Vine Linuxではバージョン2.5から標準採用されている。

 USBのスキャナを接続したら、dmesgコマンドを実行する。以下のようにスキャナの情報が表示されたら、「0x04a9/0x2204」の部分の値をメモしておく。ちなみに、前半(0x04a9)がベンダID、後半(0x2204)がプロダクトIDを示す(例では便宜的にCanoScan FB636UのベンダIDとプロダクトIDを示しているが、この値は接続するスキャナによって異なる)。

usb.c: registered new driver usbscanner
scanner.c: USB scanner device (0x04a9/0x2204) now attached to scanner0

 次に、rootでログインして、/etc/murasaki/murasaki.dependに以下の行を追加する。「スキャナ名」にはスキャナの機種名を、「ベンダID」と「プロダクトID」にはdmesgコマンドで取得した値を入力する。

alias-スキャナ名: scanner vendor=ベンダID product=プロダクトID

 ファイルの編集が終わったら、スキャナを接続してsane-find-scannerコマンドを実行する。これで認識されれば、正常に使用できる可能性がある。認識されなければ、SANEではサポートしていない機種で、使用できないのかもしれない。

 SANEのWebサイトに掲載されていない機種は、試してみなければ分からない。エプソンのスキャナの場合は、エプソンコーワ(http://www.epkowa.co.jp/linux/)が開発している「Image Scan! for Linux」によって使用できる可能性があるので、試してみるといいだろう。

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