Linux Tips

Fedora Core 3をハードディスクインストールするには

北浦訓行
2004/12/2

 Fedora Coreは比較的短期間で新バージョンがリリースされるため、毎回4枚もCD-Rを焼くのは面倒だ。そこで、Fedora CoreのISOイメージをハードディスクに保存し、そこからインストールする方法を紹介する。

 Fedora Coreをハードディスクインストールするには、以下の条件を満たさなければならない。

  • ハードディスクにLinuxがインストールされていること
  • ハードディスクに空き領域があること

 今回は、Windows XPとFedora Core 2のデュアルブート環境、Fedora Core 2のみをインストールした環境(VMware上に構築)という2つの環境でインストールを確認した。それぞれのパーティションは以下のようになっている。

  • Windows XPとFedora Core 2のデュアルブート環境(以下「デュアル」)
      /dev/hda1   Windows XP
      /dev/hda2   Fedora Core 2の/
      /dev/hda3   スワップ

  • Fedora Core 2のみの環境(以下「VMware」)
      /dev/hda1   /
      /dev/hda2   スワップ

 まず、Fedora Core 2でFedora Core 3のISOイメージをダウンロードする。今回は、このISOイメージを/tmpに保存した。次に、ISOイメージをマウントし、そこからインストーラ起動用のファイルをFedora Core 2の専用ディレクトリにコピーする。

# mount -o loop /tmp/FC3-i386-disc1.iso /mnt/cdrom ←ISOイメージをマウント
# mkdir /boot/install ←インストーラ用のディレクトリを作成
# cp /mnt/cdrom/isolinux/vmlinuz /boot/install ←カーネルのコピー
# cp /mnt/cdrom/isolinux/initrd.img /boot/install ←インストーライメージのコピー

 そして、Fedora Core 2のGRUB設定ファイルにFedora Core 3インストーラ用の設定を追加する。ただし、その前にFedora Core 2に作成した/boot/installディレクトリがどのパーティションにあるかを確認しておく必要がある。mountコマンドですぐに分かるだろう。例えば、「デュアル」は、

$ mount
/dev/hda2 on / type ext3 (rw)

となっているので、/bootは/dev/hda2にあると分かる。「VMware」の場合は、

$ mount
/dev/hda1 on / type ext3 (rw)

となっていている。この情報を念頭に置いて、/etc/grub.confに以下の設定を追加する。

title Fedora Core 3 Installer
        root (hd0,1)
        kernel /boot/install/vmlinuz ramdisk_size=8192
        initrd /boot/install/initrd.img

 なお、/bootが別パーティションに割り当てられている場合は、以下のようになることに注意。

title Fedora Core 3 Installer
        root (hd0,1)
        kernel /install/vmlinuz ramdisk_size=8192
        initrd /install/initrd.img

 また、「root (hd0,1)」の「0,1」は、ハードディスクの構成によって変更する必要がある。「hd」の右にある数字は、

X番目のハードディスク, Y番目のパーティション

を示す。数字はゼロから始まるので、上記例の「(hd0,1)」は、1番目のハードディスクの2番目のパーティションを示している。

 /etc/grub.confを修正したら、システムを再起動する。GRUBが起動したら、「Fedora Core 3 Installer」を選択して[Enter]キーを押す。

GRUBの画面で[Fedora Core 3 Installer]を選択

 「インストール方法」という、インストール対象のパッケージを含むメディアを指定する画面が表示されたら、「ハードドライブ」を選択する。

「インストール方法」では「ハードドライブ」を選択

 「パーティションを選択して下さい。」という画面では、ISOイメージを保存したパーティション(例では/dev/hda1)を選択して、「イメージを含むディレクトリ」ボックスにディレクトリ名(例では「/tmp」)を入力する。

Fedora Core 3のISOイメージを置いたハードディスクとディレクトリを指定

 後は通常のインストール手順と同じだ。注意すべき点は、「ブートローダーの設定」画面で[高度なブートローダーオプションの設定]をオンにして、次の画面で「ブートローダーをインストールする場所」で[/dev/hdaX ブートパーティションの最初のセクタ]をオンにすることだ。そうしないと、MBRが書き換えられてWindows XPやFedora Core 2が起動しなくなる可能性がある。

「ブートローダーの設定」画面では、[高度なブートローダーオプションの設定]をオンにする

「ブートローダーをインストールする場所」で[/dev/hdaX ブートパーティションの最初のセクタ]をオンにする

 Fedora Core 3のインストールが終了したら、システムを再起動してFedora Core 2を起動する。そして、Fedora Core 2の/etc/grub.confにFedora Core 3を起動するための設定を追加する(詳しくは1台のPCに複数のディストリビューションをインストールするにはを参照)。

 まず、Fedora Core 3の/bootをインストールしたパーティションをマウントする。

# mount /dev/hda3 /mnt

 次に、Fedora Core 2の/etc/grub.confを開いて、ファイルの末尾にFedora Core 3の/boot/grub/grub.conf(実際には/mntにマウントしたため/mnt/boot/grub/grub.confになる)を読み込み、Fedora Core 3の起動部分以外を削除する。必要となるのは、以下のような記述だ。

title Fedora Core 3 (2.6.9-1.667smp) ←分かりやすいように「Fedora Core 3」に変更
        root (hd0,2)
        kernel /boot/vmlinuz-2.6.9-1.667smp ro root=LABEL=/1 rhgb quiet
        initrd /boot/initrd-2.6.9-1.667smp.img
title Fedora Core-up 3 (2.6.9-1.667) ←同じく「Fedora Core 3」に変更
        root (hd0,2)

        kernel /boot/vmlinuz-2.6.9-1.667 ro root=LABEL=/1 rhgb quiet
        initrd /boot/initrd-2.6.9-1.667.img

 修正が終了したらシステムを再起動して、GRUBのメニューから「Fedora Core 3」を選択する。

Fedora Core 2と3のデュアルブートになったGRUBのメニュー

 なお、VMwareにゲストOSとしてFedora Core 3をインストールしてみたところ、VMwareにFedora Core 2をインストールするにはで紹介した修正を/etc/X11/xorg.confに行うことなく、X Window Systemが起動した。VMware Toolsについては、CD-ROMのマウントポイント(/mnt/cdrom)を作成する必要があった()が、それさえ行えばFedora Core 2にVMware Toolsをインストールするにはの手順でインストールできた。

注:Fedora Core 3では、リムーバブルメディアのマウントポイントが/mediaになっているが、VMware Toolsのインストーラはそれに対応していないようだ。

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