Linux Tips

1CD LinuxをUSBメモリから起動するには

北浦訓行
2007/5/23

 1CD Linuxは、PCのメンテナンスやLinuxの体験版として広く使われているが、持ち運ぶとなると意外とかさばってしまう。そこで、代表的な1CD LinuxであるKNOPPIX(CD版)の日本語版を1GbytesのUSBメモリにコピーして、そこから起動する方法を紹介する。

注:USBメモリから1CD Linuxを起動するには、PCのBIOSがUSBメモリからのブートをサポートしている必要がある。

 まず、SYSLINUXというブートローダをhttp://syslinux.zytor.com/からダウンロードする。SYSLINUXは、フロッピーメディア用として開発されたブートローダだが、USBメモリにもインストール可能だ。今回は、Windows用のSYSLINUXをダウンロードして、作業をWindows XP上で行うことにする。

 Windows用のSYSLINUXは、ZIP形式の圧縮ファイルとなっている。原稿執筆時点での最新版は、syslinux-3.36.zipだ。ダウンロードしたら、このファイルを展開する。

 次に、KNOPPIXのISOファイルをダウンロードしてCD-Rメディアを作成する。ほかにこのメディアを使用する予定がないのであれば、仮想CD-ROMドライブソフトウェアのDAEMON ToolsでISOファイルをドライブとしてマウントする方法もある(注)

注:DAEMON Toolsの4.xxにはアドウェアが同梱されている。気になる方は、3.xxを使用することをお勧めする。

 以上の準備が整ったら、USBメモリをFAT32でフォーマットする。

USBメモリのフォーマット画面

 フォーマットが完了したら、KNOPPIXのファイルをUSBメモリにコピーする。コピーするのは、\boot\isolinuxフォルダの全ファイルと\KNOPPIXフォルダだ。それぞれ、USBメモリのルートにコピーする(注)

注:USBメモリのルートには、17個のファイルと1個のフォルダが存在する。

 次に、USBメモリのルートにコピーされたファイルのうち、isolinux.cfgをsyslinux.cfgというファイル名に変更する。そして、syslinux.cfgの以下の行を変更する。

F4 isolinux.cfg
   
F4 syslinux.cfg

 最後に、Windows XPのコマンドプロンプトを開いて、SYSLINUXを展開したフォルダ内のwin32フォルダ(ここではsyslinux-3.36\win32)を移動し、「-ma」オプションを付加してsyslinux.exeを実行する。書式は以下のとおりだ。

syslinux -ma USBメモリのドライブ名

 例えば、USBメモリがH:に割り当てられている場合は、以下のようになる。

syslinux -ma h:

 以上で作業は完了だ。BIOSの設定を変更して、起動用デバイスの設定でUSBメモリの優先順位を上げ、システムを起動する。

 1CD Linuxであれば、基本的に同様の手順でUSBメモリから起動できる可能性がある。ただし、syslinux.cfg(オリジナルはisolinux.cfgの場合が多い)の変更が必要となるケースもあるだろう。

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