ゼロ円でできるグループウェア
カスタマイズも可能な国産ソフトウェア「アイポ4」

北浦 訓行
2008/9/16

アイポ4をカスタマイズする

 上述したとおり、アイポ4で設定を変更する場合、スパナの形をした[カスタマイズ]アイコンをクリックします。例えば、[Myページ]から使用しないポートレットを削除する場合には、画面左上の[Myページ]タブに表示されている[カスタマイズ]アイコンをクリックします。

画面15
画面15 [Myページ]タブと[カスタマイズ]アイコン

 すると、レイアウト設定の画面が表示されます。ここでは、ページのレイアウトやポートレットの配置を変更したり、新しいポートレットを追加することができます。

画面16
画面16 レイアウト設定(クリックすると拡大します)

 [レイアウトの選択]では、6つのレイアウトから任意の1つを選択します。[Myページ]の場合は、初期設定では左から3番目のレイアウトになっています。

 ポートレットの配置を変更する場合は、対象となるポートレットの右上に表示されている三角マークのアイコンをクリックします。[×]アイコンをクリックすると、そのポートレットは表示されなくなりますので、使用しない機能はこれで削除するといいでしょう。ここでは、大きなサイズの[ブログ]と[掲示板][ワークフロー]、小さなサイズの[ニュース][タイムカード][検索窓][便利なリンク集]を削除しました。

【注意】ポートレットを削除しても、その機能自体や、保存されているデータが削除されることはありません。単にそのポートレットが非表示になるだけです。

 ポートレットを追加する場合は、画面上部の[ポートレット追加]をクリックして、追加するポートレットにチェックマークを付け[追加する]ボタンをクリックします。

 カスタマイズが完了したら、[更新する]ボタンをクリックします。すると、変更した内容が反映されます。

画面17
画面17 カスタマイズ後の[Myページ](クリックすると拡大します)

データのバックアップとリストア

 アイポ4には、データのバックアップとリストアを行うためのシェルスクリプトも用意されています。/usr/local/aipo/binにあるbackup_handler.shを実行すると、/usr/local/aipo/backup/にコマンド実行日時を名前にしたバックアップ用ディレクトリが作成され、そこにバックアップデータが保存されます。なお、backup_handler.shは、アイポ4が起動した状態で実行しなければなりません。

# cd /usr/local/aipo/bin
# ./backup_handler.sh
# ls -l /usr/local/aipo/backup/
合計 12
drwxr-xrwx 5 root root 4096 9月 7 12:34 2008090812340
(省略)

 backup_handler.shで作成したバックアップをリストアするときは、restore_handler.shを実行します。実行すると、リストアするデータの日時を指定する画面が表示されます。restore_handler.shも、アイポ4が起動した状態で実行しなければなりません。

# cd /usr/local/aipo/bin
# ./restore_handler.sh
[1] 2008年09月07日12時34分
[2] 2008年09月08日14時42分
[0] キャンセル
バックアップファイルを選んで番号を入力してください
1                ←ここでは「1」を入力して[Enter]キーを押した
version 4.0.3.0
#

 アイポ4は、多機能なグループウェアです。インストールも簡単ですし、画面や操作方法も洗練されています。さらに、必要があれば携帯電話からのアクセスなども可能です。施設予約の機能がやや弱いような印象も受けますが、グループウェアとして期待される多くの機能はアイポ4でサポートされています。必要であれば有償サポートも受けることができますので、大企業での導入も可能です。

4/4

Index
ゼロ円でできるグループウェア
  カスタマイズも可能な国産ソフトウェア「アイポ4」
  Page 1
 国産オープンソースの「アイポ4」とは
 アイポ4のインストール
  Page 2
 アイポ4のセットアップ
 アイポ4を使ってみる
  Page 3
 アイポ4のポートレットを活用する
Page 4
 アイポ4をカスタマイズする
 データのバックアップとリストア


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