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SQL Server CEを使ったデータベース連携を学ぶ(1)
携帯情報端末向けのOSとしてWindows CEが登場してから、かなりの年月が経過しました。筆者もWindows CE 1.0を搭載したPDAを予約して購入した1人ですが、その後Handheld PC Pro、Pocket PCへとWindows CEを搭載したデバイスも進化し、世の中をとりまくモバイル環境も急速に発達してきました。いまや携帯電話からメールを送信したり、Webページを閲覧するのはごく当たり前のこととなり、Pocket PCなどのPDA端末はカラー液晶や無線通信機能、PCとのデータのやりとりなど多彩な機能が搭載されるようになりました。このような携帯端末の多様化、多機能化に伴って、企業情報システムのフロントエンド端末として採用されるケースが急速に増加してきています。例えば、営業マンが持ち歩くPocket PCにその日に訪問する顧客のデータや地図、これまでの取引履歴を入れておく場合もあるでしょう。 このようなデータをPocket PCやWindows CEをベースとした端末にストアしておくうえで、高性能でバックエンドデータベースとの連携機能に優れたモバイルデータベースが求められています。
「SQL Server 2000 Windows CE Edition」(以下、SQL Server CE)は、SQL Server 2000と互換性をもつ本格的なモバイルデータベースです。先に紹介したような企業内の顧客データや商品データをPocket PCやHandheld PCといったWindows CEベースの端末にストアし、データの検索や更新といった処理を高速かつ安定して実現するプラットフォームを提供します。 これまでもWindows CE端末を企業情報システムのフロントエンドツールとして活用する方法として、Windows CEに標準で添付されるCEDBやPocket Accessを用いるケースや、他のモバイルデータベースを利用するケース、さらにはPDAから直接バックエンドのWebベースシステムにアクセスする方法などがありました。しかしながら、これらのアプローチはいずれも次のような問題をかかえています。 ・期待されるパフォーマンスがでない。特にCEDBなどを用いて数万件におよぶ商品データを扱う場合、検索やデータのアップデートといった処理で条件をクリアできる速度が得られない場合がありました。
これらの問題を解決する、ハイパフォーマンスで導入コストが安価なモバイルデータベースの登場が期待されていたのはいうまでもありません。このような状況で登場したのが、SQL Server CEです。SQL Server CEは次のような特徴をもっています。
ここでは、このSQL Server CEへのアクセス方法のほか、バックエンドデータベースとの連携についても解説していきます。
さて、SQL Server CEをベースとしたアプリケーションを開発する方法について述べる前に、まずはSQL Server CEをセットアップしなければなりません。SQL Server CEによるデータベースアプリケーション開発では、SQL Server CEとアプリケーションを実際にインストールするWindows CEデバイスのほか、アプリケーション開発用のPC、さらにバックエンドサーバとの連携を行う場合はバックエンドデータベース側での設定が必要になります。まずは、開発用のPCからセットアップしていきましょう。 開発用のPCには、アプリケーション開発を行うツールとしてeMbedded Visual ToolsとPlatform SDKをインストールしておく必要があります。ここではPocket PC上で動作するモバイルデータベースアプリケーションをeMbedded Visual Basicを使って開発していくことにします。 Embedded Visual ToolsのDisk1からセットアップを起動し、eMbedded Visual Basicをインストールします。 続いて、Pocket PC用のPlatform SDKをインストールします。Pocket PC以外のWindows CEデバイス(例えば、Handheld PC Pro)を使用する場合は、eMbedded Visual ToolsのDisk2からそれぞれのデバイスに対応したPlatform SDKをインストールします。 さて、いよいよSQL Server CEのインストールです。SQL Server CEをダウンロードしてセットアップを起動すると次のような画面が表示されます。
ここでは開発用のPCのセットアップを行いますので、Development Toolをクリックし、インストールを開始します。 Windows CEのコンポーネントのほか、Windows CE Data Access 3.1(ADO CE 3.1など)がインストールされます。 これで開発用PCのセットアップは完了です。さて次はバックエンドデータベースマシンをセットアップします。バックエンドのデータベースマシンにはPocket PCとデータのやり取りを行う顧客のデータや商品のデータがストアされているSQL Server 2000とIIS(Internet Information Services)が動作しています。このサーバマシンでもSQL Server CEのセットアップを行っておきます。セットアップは開発用PCでのセットアップと同様に行いますが、図1の画面でDevelopment Toolsではなく、Server Toolsの方をクリックしてセットアップを開始します。 これでインストールは完了です。SQL Server CEのインストールでは、次のコンポーネントがインストールされているはずです。
さて、もうお気づきになっている方もいるでしょうが、SQL Server CEのサーバコンポーネントの中にIISで動作するISAPIフィルタが含まれています。また、サーバマシンでもSQL Server 2000の他にIISが動作していました。なぜ、IISが必要なのでしょうか? 実はSQL Server CEはIISを介してバックエンドデータベースとデータのやり取りを行うのです。一見まどろっこしい方法にも思えますが、これには理由があります。
なお、IISの設定については、後述するバックエンドデータベースとの接続方法のところで紹介したいと思います。 次回は、インストールしたSQL Server CEを使ったアプリケーション作成をご紹介します。 次回、「アプリケーション作成」編の掲載は7月下旬ごろになります |
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