委任元と委任先に記録するリソースレコードとは(NS編)

佐藤 新太(JPRS)
2003/12/3

 NSレコードはDNSのツリー構造の中で、ドメインの委任を行うときに必要となるリソースレコードです。委任するドメインの情報を持つコンテンツサーバの名前を指定します。

 NSレコードは、委任先のネームサーバをホスト名で指定しており、直接IPアドレスで指定するものではないことに注意してください。また、指定するホスト名はAやAAAAレコードを持つものである必要があります。CNAMEによる別名を指定してはいけません。DNSではこのNSレコードによって、ツリー構造の分散管理を実現しており、非常に重要な意味を持ちます。

 あるドメイン名に対して、NSレコードはコンテンツサーバの数だけ指定します。プライマリ、セカンダリを含めてコンテンツサーバが6台ある場合は6個のNSレコードを指定します。

 NSレコードは、委任元のゾーンファイル委任先のゾーンファイルという2つのゾーンファイルの両方に記載される、珍しいレコードです。名前解決はルートサーバから順にたどっていくため、上位の委任元ゾーンが委任先のネームサーバの情報を持つ必要があります。しかし、NS レコードのオーソリティは委任先にあるため、委任先のゾーンに記載されているNSレコードが、信頼できる情報となります。

 実際に委任元、委任先のネームサーバに NS の情報を問い合わせてみると、挙動の違いが確認できます。以下の dig コマンドの実行結果から回答のフラグをよく見てみると、委任先のネームサーバ (ns1.jprs.co.jp) に問い合わせたときのみオーソリティを持つ回答が来ることが分かると思います(「digコマンドとは」参照) 。

例1 NSレコードの例

% dig @a.dns.jp jprs.jp ns
(jp ゾーンのネームサーバに jprs.jp の NS レコードを問い合わせる)

% dig @ns1.jprs.co.jp jprs.jp ns
(jprs.jp ゾーンのネームサーバに jprs.jp の NS レコードを問い合わせる



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