特別企画:
「Groove 2.0」登場!
〜 本格始動を始めたPtoPアプリの本命
   新機能と活用術の数々を大紹介!! 〜


吉川満広
ネットマークス
2002/7/11


Groove活用の際のポイント

●ファイル保存時のエラー
 Grooveでは、ファイルを変更して保存すれば、そのままワークスペースでの共有が行える点が便利であった。ところがごくまれに、変更して保存を行った場合にエラーが発生し、変更した分の内容が失われてしまう現象がある。従来のバージョンではほとんど見られなかった現象だが、現在のバージョン(2002年6月14日現在)では下記のようなエラー画面が表示されることがある。このエラーを回避するためには、ファイルを開いていったん別名でローカルのディスクに保存しておき、そこで変更作業を終了させ、あらためてGrooveのワークスペース上に上書きしてやればよい。

画面16 変更後の保存時にエラーが発生して、作業内容が失われる場合がある(画面をクリックすると拡大表示します


●日本語の文字化け

 前回の記事掲載以降、読者の方から筆者にいくつかの問い合わせがあった。筆者の環境がWindows 2000とWindows XPであるため日本語の文字化けには気付かなかったが、Windows 9x系のOSなどで文字化けが発生するようだ。従って、Grooveを日本語で使用する場合は、Windows 2000とWindows XPでの使用を推奨する。

●ファイル名の取り扱い
 共有ファイルのツールでは、ファイル名に日本語が使用できる。ただし、Grooveからローカルのフォルダに対してコピー&ペーストの操作を行おうとすると、日本語名のファイルではエラーが発生する。

画面17 日本語名のファイルをコピーしようとすると、エラーが発生する(画面をクリックすると拡大表示します

 このようにエラーが出た場合の対処方法としては、作成したアプリケーション(例えばWord)で該当ファイルを開き、「名前を付けて保存」などの操作を行って、いったんアプリケーションからローカルのディスクに保存する必要がある。フォルダ名が半角の英数字であれば、フォルダ内のファイルもコピーペーストで移動できるので、ある程度のファイルをまとめてコピー&ペーストするのなら、半角英数字のフォルダを作成しておいて、そこで運用しておけば容易に移動が行えるだろう。

●ワークスペースの権限
 ワークスペースには、「Manager」「Participant」「Guest」と3つの権限がある。Managerはその名のとおり管理者なので、ワークスペース上でのあらゆる権限を持っている。従って、Managerをワークスペース上に多く置くことは好ましくない。ワークスペースでの権限は、そのオーナーが必要と思われるユーザーに対してのみ渡すようにする。

 ただよくあるトラブルとして、Participantはデフォルトの権限ではファイル登録できるものの、消去はできないということである。実際に、筆者も何度か経験している。多くのユーザーが使用するワークスペースでは、何名かManagerを決めておいて、トラブルや誤操作に対応することも重要である。ユーザーの権限は、ワークスペースやツールごとに変えることもできる。

●共有ファイル
 Grooveを初めて使ったユーザーからの質問でよくあるのが、「共有したファイルは実際どこに存在するのか?」ということだ。共有ファイルやデータは、Grooveで指定されたdataフォルダの「groovebinaryfilestore.xss_」に、ファイルという形で格納されており、普通に内容を見ても意味のないような形になっている。

 実は、ここがほかのファイル共有型のPtoPソフトと違うところであり、意味のあるデータやファイルとして引き出そうとしても、Grooveのユーザーインターフェイス経由でないと取り出せないということです。ファイルを第三者が覗いたり、盗んだりということが難しい仕組みになってます。

 共有ファイルで気を付けなければならないのは、当該のワークスペースを共有しているユーザーにはすべてエントリされたファイルがローカルのディスクに入ってしまうということだ。従って、Grooveを使用するPCではディスクの空き容量を、使用する目的によってあらかじめ必要な分だけ確保しておく必要があるということだ。急にディスクの空き容量が減り、必要なファイルが保存できなくなるということが起こり得るので、ディスクの空き容量には常に気を付けて運用したい。

Grooveをどういった場面で使う?

 米国ではいくつかの事例が紹介されているが、日本ではまだ代理店などが登場したばかりで、事例などをあまり見かける機会はない。ここでは私の身の回りなど、現在使用している例を少しご紹介したいと思う。

●ワークグループでの使用
 少人数での使用の場合、ファイルサーバではなく個人のPCでファイル共有などを行っている場合が多いが、その個人のPCは安定して存在するとは限らない。そこで、Grooveを使用して情報共有をはじめてみた。その効果は下記のとおりだ。

  • ファイルサーバの管理がいらない
  • どこでもファイルが参照できる

●プロジェクトでの使用
 社外の人間と協調して行うプロジェクトでは、一般に下記のような問題点がある。

  • 双方にファイアウォールが入っているので、ファイルの受け渡しが容易にできない(メールで大きな容量のファイルを送受信することが困難。トラブルを防止するために、添付ファイルの容量制限を行っている企業がほとんど)
  • メールでの送受信が多く、情報が錯綜する
  • 最新版のファイルが分かりずらい

 社内であればファイル・サーバやグループウェア・サーバ、掲示板で解決できるが、社外も含むとなると、従来のソリューションでは難しかった。この問題点を解決するのに、Grooveは最適である。

  • ファイアウォールを意識しない
  • ファイル共有の設定はインストールとアカウント、ワークスペースのInviteのみ
  • ファイル容量が大きくても共有できる
  • ファイルや情報の最新版が分かりやすい
  • Preview版は無料
  • 管理に工数が発生しない

などある。実際に、社内外を含めて情報共有を行っているが、トラブルもなく便利に使用している。

●原稿の入稿
 以前にも紹介させていただいたが、この原稿の打ち合せや入稿も、すべてGrooveを使っている。編集部からの原稿の依頼、執筆、その意見交換、入稿などである。画面キャプチャなどを多く入れているために、今回のこの原稿は現在16MBのファイル容量になっている。これだけの大きさのファイルの場合、先ほども触れたとおり、メールでの入稿は現実的ではなく、文章と図とを分けてファイルを細切れにして入稿するか、こまめに圧縮して送るかのいずれかだろう。ところが、Grooveを使用すると、ファイル容量はあまり意識をすることなく原稿を書くことに集中できる。また、意見交換もDiscussionで行うことにより、全体の流れが見やすくなる。

●海外とボイス・チャット
 以前の記事でも紹介したが、Grooveにはボイス・チャットの機能が入っている。国内ではモデムによるダイヤルアップ接続でも音声品質には問題なかったが、海外出張などで国内のユーザーとボイス・チャットを行うことは可能だろうか? 結論は、海外でも問題なくボイス・チャットが行える。よほど回線品質が悪くない限り、問題なく通信できるだろう。

Grooveの展望

 Groove Networks社のホームページには、Groove上で使用できるToolsのサードパーティ・アプリケーションが紹介されている。

http://www.groove.net/downloads/tools/partners.html

 いくつかFreewareをダウンロードしてみたが、エラーでうまくいかないものも多くあった。しかし、このようにサードパーティ・アプリケーションが出てくるということは、Grooveがプラットフォームとして魅力があると認識されていることであり、これからに期待が持てるということだ。

 今回のバージョンアップではさまざまな機能が付け加わっているが、それらを見ていると、Grooveが今後どのような方向に進んで行こうとしているか、少だが見える気がする。ここでは、今回のバージョンアップによってもたらされた変化をもとに、少し方向性を探ってみたいと思う(あくまでも私見だが)。

●マイクロソフト製品との連携
 マイクロソフトとの提携は、マイクロソフトからGroove Networksへの出資という形で行われたことは、前回の記事でお伝えした。それがGroove2.0では、具体的な製品との連携という形で出てきている。Microsoft Word、PowerPoint、Outlook、Projectなどとは、それぞれの製品の特徴を生かした連携を行っており、これからも機能は追加されていくのではないかと思われる。

●.NET My Servicesへの対応
 Microsoft .NET My Servicesに対応することがアナウンスされている。例えば、.NET My ServicesのカレンダーとGrooveのカレンダー・ツールとの連携である。アップデートが行われたら。双方にそのアップデートが反映されるというものである。これは、マイクロソフトが考える、.NET My Servicesの1つのデバイスもしくはブラウザとして、Grooveが使えるということである。また、PocketPCの.NET対応版にもGrooveは対応すると発表されている。

●ファット・クライアント
 Grooveは依然として動作が重く、高速なプロセッサの速度や多くのメモリ容量が必要である。Grooveが立ち上がっている状態では、常にバックグラウンドでファイルの同期などが行われていて、リソースが少ないPCでは動作が遅くなる。クライアントPCでは処理を行わず、サーバで処理を行うシン・クライアントというものがあるが、Grooveはそれとは全く逆で、PCですべての処理を行うファット・クライアントと認識して使用する必要がある。これからも、機能が追加されたり、サードパーティ・アプリケーションが出現したりして、より重くなっていくものと思われる。余裕をもったPCで使用するようにしたいものである。

●管理ツールの充実
 Grooveは、PC個別に動作しているために、全体としてユーザーの管理やアクセスの管理などが集中して行いにくくなっている。しかし、企業ユーザーとしては、ユーザーの管理や全体の効率の管理などをきちんと行いたいという要望があると思う。Grooveでは、いくつかの管理ツールを用意しているようだが、これからはユーザー・アクセスや情報漏えいなどを防止するために管理ツールの充実が図られて来ると思われる。実際、ディレクトリ・サーバとの連携やPKIとの連携などが紹介されている。

http://www.groove.net/extras/features/readiness/#req3

●リアルタイムコミュニケーション
 Grooveは、今回のバージョンアップでリアルタイムの編集やプレゼンテーションなど、同時に複数のユーザーが処理を行うことを目的とした機能が加わってきている。この傾向はますます進むと思われ、オンライン時でのリアルタイム処理を行う基本ソフトとして進化するのではと思われる。


 Grooveは、ユーザーにはPtoPを意識させないが、動作としては非常に高度なPtoPアプリケーションである。Grooveの場合、ユーザーのステータスを把握しているサーバがあり、そのサーバを通じてほかのユーザーのステータスを知ることになる。もちろん、ファイル転送やチャットなど、1回コネクションが確立してしまえば直接ピア間での通信となる。いわば、クライアント/サーバ型とPtoP型のハイブリッドである。しかし、IPv6が実装させれてくれば、直接行える処理は増えてくるだろう。筆者は個人的には、IPv6のキラーアプリはPtoPから出てくるのではと思っている。

 PtoPにはさまざまな活用事例が出てきているが、方向としてはPtoPアプリケーションとしてではなく、コラボレーションのツールやプラットフォームとして進化していくのではないかという感じがしている。例えば、企業向けの管理ツールやデータベースとの連携などのソリューションは、PtoPというよりもプラットフォームといった位置付けの方が正しいように思う。Groove Networks社CEOのレイ・オジー氏自身、雑誌のインタビューでPtoPという枠にはこだわらないという趣旨の発言をしており、その方向に着実に進んでいると思う。

特別企画:Groove 2.0登場!
  Page.1 Groove 2.0の強化点/変更点
・Groove 2.0で何が変わったか
・従来の機能も強化されている
・有料版の入手
Page.2 Grooveの活用法と今後の展望
・Groove活用の際のポイント
・Grooveをどういった場面で使う?
・Grooveの今後の展望
 


「Master of IP Network総合インデックス」

 



Master of IP Network フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Master of IP Network 記事ランキング

本日 月間