ホスティングサービス利用時のIPv6対応方法
Webサイト運営者から見たWorld IPv6 Day

おがわ あきみち
2011/8/18

「Geekなぺーじ」の対応は事業者に問い合わせて

 「Geekなぺーじ」もWorld IPv6 Dayに参加しましたが、私のサイトが利用しているレンタルサーバは、その時点ではIPv6サービスを提供していませんでした。レンタルサーバサービスの顧客としてWebを運用している場合、利用しているサービスがIPv6対応を正式サービスとして提供していなければ、WebのIPv6表示は困難です。

 そこで、World IPv6 Dayへの参加が可能かどうかを事業者に問い合わせてみました。すると、ちょうどWorld IPv6 Dayに際して期間限定の実験サービスを検討しているところで、タイミングよく実現することができました。

 その後、実現方法について何度か打ち合わせを行いましたが、最終的には、既存のIPv4サーバを残しつつ、別途、IPv6用のWebサーバを立ち上げることになりました。

 私のサイトは数年前から運用しており、現在の環境をあまり大きく変えることなくWorld IPv6 Dayに向けてIPv6に対応するには、別サーバでIPv6 Webを立ち上げるか、IPv6/IPv4トランスレータを利用する方法しかありませんでした。打ち合わせの結果、IPv6/IPv4トランスレータを用意するよりも、別サーバを用意する方が簡単であると分かり、この方法を取ったわけです。

図3 www.geekpage.jpのIPv6対応。別々のサーバを用意した

 この方法では、まったく別のサーバでIPv6用Webを立ち上げたため、IPv4サーバとのコンテンツの同期が面倒になるという問題がありました。

 記事そのものの投稿は、両方のサーバにコピーすればそれですみましたが、ブログへのコメントの同期が問題となりました。また、RSSの更新時間を同期させることもちょっと難しく、IPv4とIPv6とで内容がずれてしまったという問題点もありました。

 このように、デュアルスタックにせず、IPv4とIPv6で別サーバを立ち上げるという方法は簡単ではありますが、コンテンツの同期に関してはいろいろと工夫が必要だというのが今回の感想です。

自分の手を動かして体験することの大切さ

 個人的には、World IPv6 Dayは一種のお祭りというか、IPv6を推進する立場の方々によるプロモーション活動だと思っています。ですから、何が何でも「World IPv6 Dayに皆が参加すべき」とは思いません。しかし、自分で「今の環境で」IPv6に関する設定を行ってみて、あらためて新しい発見がありました。

 例えば、以下のような点が挙げられます。

  • IPv4とIPv6で別々のFQDNを用意してあると、問題の切り分けがしやすい。例えば、wwwにはAとAAAAという2つのレコードを用意しつつ、「www4はAのみ」「www6はAAAAのみ」などと設定しておくと、どちらで問題が生じたかが分かりやすい。

  • IPv6で表示したときにだけ何らかの動作をさせたい(例えばIPv6でアクセスしたときだけ亀が踊るなど)場合には、工夫が必要。IPv4とIPv6とで別サーバを立てていれば容易に実現可能だが、IPv6/IPv4トランスレータを使っていると、クライアントからの接続はIPv4で行われることに注意が必要。

  • アクセスログの扱いが面倒(全日本剣道連盟の対応で説明したとおり)

  • IPv4コンテンツとIPv6コンテンツの同期が必要な場合がある(Geekなぺーじの対応で説明したとおり)

 やはり、自分で手を動かして体験するのは大事なことです。World IPv6 Dayという「締め切り」に挑戦したのはよかったことだと思います。

 また、今回の対応を通して、技術的に「設定できる」ということと、「十分普及していて低価格化したサービスがある」ことって、やっぱり違うと実感しました。これからIPv6が普及し、当たり前のサービスになるまでには、まだまだ解決していくべきことがあるなあ、という感想を抱く今日このごろです。

Profile
おがわ あきみち
Geekなぺーじ

Geekなぺーじ」という技術情報サイト、兼技術情報ブログを運営している。近著「インターネットのカタチ - もろさが織り成す粘り強い世界」。全日本剣道連盟情報小委員会委員。慶應義塾大学政策メディア研究科にて博士を取得。ソニー株式会社において、ホームネットワークにおける通信技術開発に従事した後、2007年にソニーを退職し、現在はブロガーとして活動。twitter IDは@geekpage


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