実験 

中古PC活用講座パート2【RAID構築編】

11. ソフトウェアRAIDの再構築の実際−−デバイスごとの再構築

澤谷琢磨 
2002/04/02

3.raidhotaddコマンドでデバイスごとに再構築する

 パーティションの準備が終わったら、続いてRAIDボリュームの再構築作業に入る。ソフトウェアRAIDの設定内容は、/etc/raidtabファイルに記述されている。まずその内容を見て、どのパーティション(/dev/hd?)が、どのRAIDボリューム(/dev/md?)に関連付けられているかを確認しておこう。

raiddev     /dev/md1
raid-level     1
nr-raid-disks     2
chunk-size     64k
persistent-superblock     1
nr-spare-disks     0
    device     /dev/hde3
    raid-disk     0
    device     /dev/hdg3
    raid-disk     1
/etc/raidtabの内容(一部)
テスト環境において、Red Hat Linux 7.2のインストーラが作成した/etc/raidtabの内容の一部を抜粋した。RAID 1ボリューム/dev/md1は、/dev/hde3と/dev/hdg3の2つのパーティションを束ねたものであることが分かる。

 続いて、作り直した/dev/hdg側のパーティションを、raidhotaddコマンドを用いてRAIDデバイスに再度関連付ける。画面「raidhotaddコマンドの実行例」に、/dev/md1の場合を例に取って、再度関連付ける手順を示した。

# raidhotadd /dev/md1 /dev/hdg3
raidhotaddコマンドの実行例
現在稼働中のRAIDボリューム(md1)に、対となるパーティション(hdg3)を再度追加するには、このようにコマンドを入力する。

 raidhotaddコマンドを実行すると、直ちにRAIDボリュームの再構築が始まる。再構築処理はバックグラウンドで実行されるため、その進行状況を確認するには、やはり/proc/mdstatの内容を見ることになる。画面「raidhotaddコマンド実行直後の/proc/mdstatの表示」は、/dev/md1に対してraidhotaddコマンドを実行した直後の/proc/mdstatの表示内容を示している。この作業を、すべてのmdデバイスに対して繰り返せば、ソフトウェアRAIDの再構築作業は終了となる。

Personalities : [raid1]
read_ahead 1024 sectors
md3 : active raid1 hdg5[2] hde5[0]
      144448 blocks [2/1] [U_]

md1 : active raid1 hdg3[2] hde3[0]
      3068288 blocks [2/1] [U_]
      [=====>...............]  recovery = 27.6% (1698880/6136576) finish=5.7min speed=12910K/sec
md0 : active raid1 hdg2[2] hde2[0]
      35840896 blocks [2/1] [U_]

md2 : active raid1 hdg1[2] hde1[0]
      24000 blocks [2/1] [U_]

unused devices: <none>
raidhotaddコマンド実行直後の/proc/mdstatの表示
 


 INDEX
  [実験]中古PC活用講座パート2【RAID構築編】
    1.Linuxのディストリビューションを選択する
    2.RAID構築の機材を揃える
    3.パーティション構成を検討する
    4.ソフトウェアRAIDの構築−−パーティションの構築
    5.ソフトウェアRAIDの構築−−RAIDボリュームの作成
    6.ソフトウェアRAIDの構築−−動作確認
    7.ハードウェアRAIDの構築−−デバイス・ドライバを準備する
    8.ハードウェアRAIDの構築−−デバイス・ドライバをインストールする
    9.RAIDの再構築を確認しておこう
    10.ソフトウェアRAIDの再構築の実際−−パーティションの構築
  11.ソフトウェアRAIDの再構築の実際−−デバイスごとの再構築
    12.ソフトウェアRAIDかハードウェアRAIDか
 
「PC Insiderの実験」


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