[Software]

IDEコントローラの状態をチェックするには

澤谷琢磨
2000/07/10

 マザーボード上に搭載されるIDEコントローラは、標準の転送モード(PIOモード)とは別に、Ultra DMA/100などのバスマスタDMA転送モードを備えている。一般に、バスマスタDMA転送モードのほうが、PIOモードより高速にデータ転送を行うことができる。さらにバスマスタDMA転送モードには、転送レートの違いによりいくつかの規格がある。ディスク アクセスは速いことに越したことはないが、自分が使っているPCは、果たして最速のモードで正しく設定されているのか気になるところだ。しかし、Windows標準のドライバでは、PIOモードとバスマスタDMA転送モードのどちらで動作しているのかは確認できるが、バスマスタDMA転送モードのうち、どのモードで動作しているのかを知ることはできない。

転送モード 転送速度 規格名
Ultra DMAモード0 16.6Mbytes/s  
Ultra DMAモード1 25.0Mbytes/s  
Ultra DMAモード2 33.3Mbytes/s Ultra DMA/33
Ultra DMAモード3 44.4Mbytes/s  
Ultra DMAモード4 66.6Mbytes/s Ultra DMA/66
Ultra DMAモード5 100.0Mbytes/s Ultra DMA/100

Ultra DMAで定義されている転送モード

 インテルの800番台(810、820、840、815)のチップセットを実装したPCならば、インテルが提供している「Intel Ultra ATA Storage Driver」という独自のデバイス ドライバを使うことで、転送モードが確認できるようになる。

 Windows 2000標準のIDEコントローラのプロパティでは、IDEデバイスがPIOかUltra DMAモードのどちらで動作しているかは表示してくれるが、Ultra DMAモードのモード2(転送レート:33Mbytes/s)なのか、モード4(転送レート:66Mbytes/s)なのかまでは表示してくれない。Windows 9xやWindows NTに至っては、バスマスタDMAモードで動作しているかどうかが分かるだけだ。

Windows 2000 IDEコントローラのプロパティ

Windows 2000をPCにインストールした場合に一般的に表示される画面を示している。Ultra DMAモードで動作していることまでは分かるが、Ultra DMAモード0〜モード4のうち、どのモードで動作しているかまでは表示されない。

 これに対し、Intel UltraATA Storage Driverには、「Companion」というユーティリティが付属してくる。Companionは、現在どのモードで動作しているかを始め、IDEインターフェイスに関する各種ハードウェア情報を表示してくれる。ただ残念なことに、CompanionはIntel Ultra ATA Storage Driverとの組み合わせでしか動作しないため、広くすべてのPCで使うことはできない。とはいえ、インテルの800番台のチップセットを実装したPCは、多くのPCベンダから出荷されており、ユーザーも多いので、Intel Ultra ATA Storage DriverをWindows 2000にインストールする方法を紹介しておこう。

 まず、インテルのホームページからIntel Ultra ATA Storage Driverを入手する(2000年7月時点のIntel Ultra ATA Storage Driverの最新バージョンはv6.0)。intelata_enu.exe(1.35Mbytes)とintelata_multi.exe(2Mbytes)の2種類のファイルが配布されているが、両者の違いはセットアップ時に表示される言語サポートの違いだけだ。ここでは多言語対応のintelata_multi.exeをダウンロードする。

 intelata_multi.exeを実行すると、まずファイルを展開し、次にインストーラを起動するが、これらは半自動的に実行されるため、ユーザーは項目の確認だけ行えばよい。セットアップが終了すると再起動が求められる。

intelata_multi.exeのセットアップ画面

intelata_multi.exeは、一部日本語化されており、セットアップの途中から日本語で表示されるようになる。

 Windows 2000を再起動後、新しいハードウェアとしてUltra ATA Channelというデバイス ドライバのインストールが開始される。新しいハードウェアの検出ウィザードが起動されるが、ここではただ[次へ]をクリックしていけばよい。

Ultra ATA Channelが新しいハードウェアとして検出された画面

セットアップ終了後、再起動とログオンを済ませると、新しいハードウェアとして「Ultra ATA Channel」が検出され、同時に[新しいハードウェアの検索]ウィザードが起動されるが、これらはすべて正常な動作である。Ultra ATAはプライマリとセカンダリの2つのチャンネルを持つため、新しいハードウェアの検索ウィザードは都合2回実行されることになる。

 インストール終了後、再びUltra ATA Channelが新しいハードウェアとして検出されるが、これは、IDEにはプライマリとセカンダリの2つのチャネルが存在するためだ。セットアップの手順は最初のときと同様である。インストールが正しく終了したかどうかは、[コンピュータの管理]ツールの[デバイス マネージャ]から確認できる。

ドライバ導入後のデバイスマネージャの表示

ドライバが正しく導入されたかどうかは、[デバイス マネージャ]の表示によって確認できる。
  プライマリおよびセカンダリIDEチャネルに変わって、Ultra ATA Channelが表示されるようになった。これまでとは異なり、ここのプロパティからIDEの転送モードを確認することはできなくなっている。
  本来IDEハードディスクとして表示されるはずのDPTA-351500が、SCSIハードディスクとして認識されているが、これはIntel Ultra ATA Storage Driverの仕様によるもので異常な動作ではない。

 これでインストールは完了し、CompanionでIDEインターフェイスに関する各種ハードウェア情報が確認できるようになったはずだ。Windows標準のドライバと異なり、Ultra DMAモード4といった細かい転送モードを知ることができるようになったはずだ。記事の終わり

Companionの実行画面

[スタート アップ]の[Intel Ultra ATA Storage]に[Companion]の名前で登録されるプログラムを起動すると、現在のIDE関連の状態を知ることができる。ユーザーが変更できる項目は、転送レート(プログラム中ではTransfer Mode Limit)のみで、PIOモード0から、Ultra DMAモード4までの各モードから転送モードを選択できる。なお、変更を反映するには、[File]メニューの[Commit Changes Now]をクリックする必要がある。

Ultra ATA Companionの[Storage Report]タブの画面

[Storage Report]タブでは、テキストでIDE関連の情報を表示する。ここで表示されるのと同じ情報がテキストファイルとして、PC起動時に保存されるので、IDEデバイスのエラー発生時のデバックが容易となる。
 
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Intel Ultra ATA Storage Driverのダウンロード先
 
「PC TIPS」


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