第1回 仮想専用サーバには仮想UTMがウマ合い!


菅原 継顕
フォーティネットジャパン株式会社
シニアリージョナルマーケティングマネージャー

2008/7/31

大企業だけではなく、中小企業にも浸透するUTM(Unified Threat Management)。1台でセキュリティを確保できる機器は、さまざまな業種によりさまざまな使われ方をしています。そこで本連載では、工場、金融業、小売業、大学など、現場によって異なる「確実に安全を確保すべきポイント」を総合セキュリティ機器でどうカバーしていくべきか、業種ごとに解説します(編集部)

 フォーティネットジャパンの菅原です。セキュリティの統合化を提案するセキュリティ企業でマーケティングを担当しています。ユーザー事例の取材、セミナー会場、イベント会場などでお客さまと直接お話しさせていただく機会も少なくありません。そこでこの連載では、お客さまに教えていただいた、統合セキュリティ製品の「意外」な使い方を中心に紹介していきます。

 インターネットは面倒だ!

 ビジネスとインターネットの結び付きはますます深まっています。社内業務としての電子メールの利用やWebサイト閲覧はもちろんのこと、企業からの情報発信やお客さまとのコミュニケーション窓口としての利用は、10年以上も前から一般的になっています。mixiなどのSNSや、広告収入や会員費用によるインターネット情報サイトなど、インターネット上でサービスを提供すること自体がビジネスとして成り立っている場合も数多くあります。いまご覧いただいている、アイティメディア社の情報サイトもこのモデルです。周りをご覧いただくと広告主のバナーがすぐに見つかるはずです。

 携帯電話向けのサイトかPC向けのサイトであるかにかかわらず、企業が何らかの形でインターネットをビジネスとして利用したいと考えた場合、インターネットに接続されたサーバが必要になります。

 これを自分自身で用意するのは、なかなか面倒です。どうして面倒なのかというと……。

 インターネット活用のために必要なものを再認識してみよう

 インターネットで何かをするために必要なものは何でしょうか。一般的に用意が必要なのは、

インターネット回線、サーバマシン、サーバOS、電源が確保され、気温・湿度が安定したサーバの設置場所、CMS(コンテンツマネジメントシステム)やショッピングサイトシステムなどのアプリケーション、アクセスログ管理ツール、ファイアウォールやアンチウイルスなどのセキュリティ……

 さらに障害対策として、

インターネット回線の2重化、サーバの電源を2重化しさらにサーバ自体をHA(ハイアベイラビリティ)構成にする、停電対策としてのUPS、使用機材やソフトウェアの保守契約……

 もちろん、機材を用意するだけでなく、サーバマシンやOS、アプリケーションのセットアップができる知識を持ったシステム管理者が必要になります。さらに運営していくうえで、OSやアプリケーションのセキュリティパッチの適用も実施する必要がありますし、常にセキュリティの最新情報を収集していく必要があります。

 これが多くの企業にとって非常に「面倒だ!」ということを発見し、企業のために面倒なことを代わりにしてくれるのがレンタルサーバ事業者です。

 レンタルサーバ事業者が用意すべき“松竹梅”

 企業によって、レンタルサーバに求める条件はさまざまです。とにかく低価格で大容量のもの、ある程度自由度が高いもの、ある程度高価格でも完全に自由な使い方ができるものなど多様なニーズがあります。ほとんどのレンタルサーバ事業者は多くの要望に応えられるよう、松竹梅のサービスコースを用意しています。

サービス 自由度 セキュリティ
専用サーバ(松) ハードウェア、OSから選択可能 専用セキュリティ
仮想専用サーバ(竹) root権限を使ってアプリケーションを自由に使える 仮想専用セキュリティ
共用サーバ(梅) 基本パッケージを使用 共用セキュリティ
表1 一般的なレンタルサーバ事業者のサービスプラン

 では、この3つのレベルのサービスが生まれた背景をおさらいしておきましょう。

 レンタルサーバの普及の黎明(れいめい)期には、「ホスティング」と呼ばれることの多かった「共用サーバ」と、「ハウジング」と呼ばれた「専用サーバ」の2本立てになっていました。

 共有サーバは低価格で提供できましたが自由度が低く、専用サーバは、自由度が高い代わりに低価格にできませんでした。そこで生み出されたのが、自由度を持たせ、低価格化も可能なVPS(Virtual Private Server)とも呼ばれる、「仮想専用サーバ」です。これで、現在のサービス形態となったわけです。

 レンタルサーバのセキュリティの歴史

 レンタルサーバの黎明期のセキュリティはファイアウォールと電子メールのアンチウイルスさえ用意すれば十分でした。気にすべき脅威は、サーバ自身へのDoS攻撃とマスメール型のウイルスぐらいだったからです。

 この時代はアンチウイルスに対して、ウイルスアカウントごとに月額300円程度のオプション料金を課金することができました。つまり50個のメールアカウントを使う顧客に対し、アンチウイルスだけで月額1万5000円課金することができたのです。しかし、2003年ころから、Hotmailなどの無料のメールに、電子メールのウイルスチェックが無料の標準機能として追加されていき、徐々にウイルスチェックに課金をするのは難しくなっていったのです。

 優秀なレンタルサーバ事業者は、低価格化の波に押し流されるだけではなく、付加価値を付けたセキュリティサービスで乗り切ろうと考えています。そこで注目されているのが、「仮想専用セキュリティ」と「専用セキュリティ」です。

1/3

Index
仮想専用サーバには仮想UTMがウマ合い!
Page1
インターネットは面倒だ!
インターネット活用のために必要なものを再認識してみよう
レンタルサーバ事業者が用意すべき“松竹梅”
レンタルサーバのセキュリティの歴史
  Page2
「仮想専用サーバ」用の「仮想専用セキュリティ」
「共有セキュリティ」の限界
「仮想専用セキュリティ」のススメ
  Page3
仮想UTMの導入イメージと注意点
管理コストも軽減される仮想UTM

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