アプリを国際化してAndroid Marketから世界へ発信Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門(8)(2/2 ページ)

» 2009年08月05日 00時00分 公開
[緒方聡,株式会社イーフロー]
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Androidが最も適合するリソースを選択する際の流れ

 以下のような端末があったと仮定します。

言語・地域 en-GB
画面の向き port
タッチスクリーンタイプ notouch
主要なテキスト入力方法 12key
表2 ある端末の仕様

 そして、以下のようなリソースが用意されていたとします。

MyApp/res/drawable/
MyApp/res/drawable-en/
MyApp/res/drawable-fr-rCA/
MyApp/res/drawable-en-port/
MyApp/res/drawable-en-notouch-12key/
MyApp/res/drawable-port-92dpi/
MyApp/res/drawable-port-notouch-12key

 最初のステップで、MyApp/res/drawable-fr-rCA/は言語が違うので除外されます。

MyApp/res/drawable/
MyApp/res/drawable-en/
MyApp/res/drawable-fr-rCA/
MyApp/res/drawable-en-port/
MyApp/res/drawable-en-notouch-12key/
MyApp/res/drawable-port-92dpi/
MyApp/res/drawable-port-notouch-12key

 次に、端末は108dpiなので、92dpiが指定されているMyApp/res/drawable-port-92dpi/が除外されます。

MyApp/res/drawable/
MyApp/res/drawable-en/
MyApp/res/drawable-en-port/
MyApp/res/drawable-en-notouch-12key/
MyApp/res/drawable-port-92dpi/
MyApp/res/drawable-port-notouch-12key

 残ったものは、すべて一応使えることになりますが、優先順位で並べ替えられ、最も優先順位の高いものが使用されます。

MyApp/res/drawable-en-port/        ← 2と3

MyApp/res/drawable-en-notouch-12key/ ← 2と5と7

MyApp/res/drawable-en/           ← 2

MyApp/res/drawable-port-notouch-12key ← 3と5と7

MyApp/res/drawable/             ← なし


 どれも適合しなかった場合は、どれが使われるかは分かりません。従って、どれも適合しなかった場合のために、修飾語句なしのデフォルトのリソースを用意しておくことを強くお勧めします。

国際化対応は、リソースを用意するだけ

 修飾語句の使い方が理解できたら、アプリの国際化対応を行ってみましょう。国際化対応はそれぞれのリソースを用意するだけでソースコードの改変なしに行えます。今回のサンプルでは、日本語、中国語、韓国語、英語に対応し、英語がデフォルトになるようにしてみます。

 ADTで作成した直後のリソースに、フォルダとファイルを追加して、以下のようにしました。

図4 国際化対応済みのリソース 図4 国際化対応済みのリソース

 元からあったリソース用フォルダのほかに、言語コードを伴った同じ名前のフォルダを追加してあります。この各言語のフォルダは、各言語向けに変更された内容で同じ名前のリソースファイルを持っています。元からあったフォルダは英語のリソースが入っています。

 端末が日本語、中国語、韓国語に設定されている場合は、それらが使用され、それ以外の言語に設定されている場合はデフォルトの英語が使用される、というわけです。

図5 国際化対応したAndroidアプリ 図5 国際化対応したAndroidアプリ

 このように、アプリ一覧でアプリのアイコンやアプリ名までも変更できます。

次回は、Webを表示させる方法について

 Androidにはあらかじめリソースを適切に選択する仕組みが備わっているため、本当にリソースを複数用意するだけで国際化対応や各種端末対応が行えてしまいます。リソースを用意するのはちょっと手間ですが、効果は大きいのでがんばってみてはいかがでしょうか。

 今回使用したサンプルは、以下のリンクからダウンロード可能です。アプリ起動時の国際化も行われているので、実際に手元の環境で動作させてみてください。

 次回はWebを表示させ、操作する方法について解説します。


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