OPhoneだけじゃない!
中国のAndroidは三国志!?


〜中国Android/通信キャリア最新事情〜

株式会社イーフロー
緒方聡
2010/9/29

中国もAndroid活用が盛んな国

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今回の主な内容

中国もAndroid活用が盛んな国
中国の通信キャリアは“三国志”状態

中国移動の「OPhone」

Androidと100%の互換性がある「OPhone SDK」
中国聯通の「UPhone」
中国電信の「CPhone」
中国Android事情の参考リンク

 中国では、さまざまなメーカーからすでに数十機種のAndroid端末が登場しており、Android端末が豊富な国だと思います。メーカーは、世界的知名度のメーカーもあれば、中国ローカルの中小メーカーもあり、また端末価格もさまざまです。

 中国のAndroidを取り巻く環境を理解するに当たり、まずは、2010年現在の中国の携帯電話事情を紹介し、各プラットフォームの現状やOPhone SDKでのアプリ作成・マーケットへの登録についてもお話しします。

 Androidアプリ作成の基本については、下記記事を参照しておいてください。

Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門 New!
本連載で、SDKとEclipseを使ってAndroidの携帯端末で動くJavaアプリを作成し、Android Marketでの配布を目指しましょう
Smart & Social」フォーラム
今日から始める! Androidケータイアプリ作成の基礎
いまこそ知っておきたい「Androidアプリ」とは 日に日に国内でのニュースが増えているAndroidケータイ。その特徴を押さえてアプリ作成を始めるための基礎を紹介します
Smart & Social」フォーラム 2009/11/19

中国の通信キャリアは“三国志”状態

 中国の通信市場は、三大キャリアがほぼすべてを掌握しています。

表1 中国三大通信キャリアのシェア
中国移動
China Mobile
中国聯通
China Unicom
中国電信
China Telecom
携帯電話 72% 21% 5%
固定電話 6% 30% 63%
ブロードバンド 4% 35% 60%

 中国移動は携帯電話、中国電信は固定電話とブロードバンドのシェアが圧倒的に高く、中国聯通は、すべてにおいてシェア第2位を保持しています。

 これらのバランスは、中国政府が主導で2008〜2009年に行った電気通信事業再編によるものです。もともとは6社(上記に加え、中国鉄通(China Railcom)、中国衛通(China Satcom)、中国網通(China Netcom))がしのぎを削る形でしたが、合併と事業買収によって現在のようになりました。どこも突出せず、力が均衡になるように考えられたこの再編は、諸葛孔明の「天下三分の計」に例えられることもあります(参考:中国電信の公式ページのニュース(中国語))。

 筆者と読者の最大の関心である携帯電話事業にフォーカスすると、中国移動が完全に有利なように見えますが、そこもうまく計算されていて、中国移動は「TD-SCDMA」という中国の独自通信方式を、中国聯通は「W-CDMA」を、中国電信は「CDMA2000」を採用しています。TD-SCDMAは、海外で実績のあるW-CDMAやCDMA2000の設備や機材が使用できず、これにより中国移動は足枷を付けられた形です。

 ちなみにiPhoneは中国聯通から発売されています。シェア第2位といっても1億ユーザーを超えているので、アップルにとっても魅力的な市場です。ただし筆者の感じる限り、iPhoneに対しては、米国や日本のような熱気はないように思います。

 さて、おおよそ理解できたところで、各社のAndroidへの取り組みを見ていきましょう。上記すべての通信キャリアはOpen Handset Alliance(OHA)に加盟しています。

中国移動の「OPhone」

 圧倒的携帯電話シェアを誇り、単一キャリアで世界最大のユーザー数(6億ユーザー)を誇る中国移動のAndroidの戦略は「OPhone」です。

 OPhoneはAndroidが発表された早い時期から開発が始まっていて、その開発は清華大学系ベンチャーの「Borqs」)が行っています(清華大学は日本でいうところの東大に当たります)。なお、BorqsもOHAに加盟しています。

 Borqsは「Open Mobile System(OMS)」というAndroidをベースにしたプラットフォームを開発しています。オリジナルのAndroidの状態からかなり変更が加わっています。

図1 OPhoneの画面キャプチャ(ophone8.comより)
図1 OPhoneの画面キャプチャ(ophone8.comより)

 具体的には、以下のような変更があります。

  • ホーム画面の大幅な変更
  • 大量の独自アプリ
  • 独自API
  • AGPS Service
  • Home Screen
  • Local Search
  • Video Telephony
  • Multi Touch Support
  • Active Desktop
  • Game Engine
  • ウィジェットプラットフォーム
  • 携帯テレビ(CMMB)
  • 独自SDK(OPhone SDK)
  • 独自アプリ・マーケット「Mobile Market」

 プラットフォームとしての完成度は、Androidを超えている部分も多々見られるほど、よくできています。特に、大幅に変更が加わっているホーム画面マルチタッチのサポートによる操作性が優秀です。サービスも、中国移動をターゲットにしているため、中国人ユーザーにとってのキラーアプリ(テレビ、飛信など)が豊富です。

 一方で、残念ながらOPhoneからは、Google系のアプリはすべて削除されています。

 なお、OMSのソースコードはミドルウェアの部分が、BorqsのWebサイトよりダウンロード可能です。ソースコードからはCLDC/MIDP(Java MEを基にした、いわゆる「ケータイJava」)も搭載されていることがうかがえます。

 Mobile Marketは、Android Marketに変わるものではなく、アプリのほかに壁紙(テーマ)、音楽、動画、電子書籍など、扱うコンテンツは多様です。その点ではアップルのApp Storeが近いでしょう。ただし以下の3点で、App Storeをも超越しています。

  1. コンテンツは特定のプラットフォームに縛られず
  2. 特定の開発言語に縛られず
  3. 競合ストアの出店をも許容する
http://www.mmarket.com/

 例えば、Windows Mobileユーザー向けに、C#で作ったアプリも配信できますし、Java MEアプリも、もちろんAndroidアプリも配信できます。携帯電話メーカーの独自ストアの出店も実際に行われています。

 現在一番人気があり、かつ登録数も多いのが、テーマです。人気ゲームやアニメ、最新映画のプロモーションとして無償で利用できる形態が多く、それが人気の理由の1つでしょう。

 開発者として一番気になるのは、やはり独自APIと独自SDKでしょう。APIは、Web上で確認できます。SDKについては、次ページで紹介します。

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 INDEX
Page1
  中国もAndroid活用が盛んな国
中国の通信キャリアは“三国志”状態
中国移動の「OPhone」
  Page2
  Androidと100%の互換性がある「OPhone SDK」
  Page3
  中国聯通の「UPhone」
中国電信の「CPhone」
中国Android事情の参考リンク


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