解説

Intel Xeon搭載サーバの工夫を検証する
――「Express5800/120Me」に見る最新ワークグループ・サーバのハードウェア――

1. やや大きめだがメンテナンスのしやすいケース

デジタルアドバンテージ
2002/08/28

解説タイトル


 「特集:基礎から学ぶIAサーバ 2002年度版」で述べたように、2002年はIAサーバのハードウェアが大きく変わる年である。特にプロセッサは、P6マイクロアーキテクチャPentium III系)からNetBurstマイクロアーキテクチャPentium 4系)へと移行し始めている。ワークグループ・サーバを例に挙げれば、Pentium IIIあるいはPentium III Xeon(2プロセッサ対応版)から、次第にIntel Xeonへと変わりつつあるのが現状だ。

 NetBurstマイクロアーキテクチャを採用した初めてのプロセッサであるPentium 4が発表されたのは、2000年11月21日のこと。すでに2年近くが経ち、デスクトップPCではすでにPentium III系からPentium 4系への移行が完了しつつある。しかし、サーバ向けとしてIntel Xeonが発表されたのは、2002年2月26日と半年前のことでしかない(Intel Xeonはワークステーション向けとしては2001年5月21日に発表されている)。これは、サーバ向けのチップセット開発が大幅に遅れたためである。つまり、サーバのNetBurstマイクロアーキテクチャへの移行は、やっと始まったばかりという状態なのだ。そこで、今回はIntel Xeon搭載サーバを取り上げ、そのハードウェア構成を調べてみたいと思う。サーバ導入の参考にしていただきたい。

評価したExpress5800/120Meの構成

日本電気のExpress5800/120Me (拡大表示:56Kbytes)
早い時期に発表されたIntel Xeon搭載サーバの1つ。その後、ラックマウント型も発表された。なお、本機もオプションでラックマウントにできる。

 このところ多くの大手IAサーバ・ベンダが、Intel Xeonを搭載したIAサーバをラインアップに加え始めている。その中でも発表/出荷が早かったのは日本電気だ。本稿で取り上げる「Express5800/120Me」は、2002年4月に発表され、6月に出荷開始されたペデスタル(タワー)型IAサーバである(Express5800/120Meの製品情報ページ)。

 日本電気が擁するペデスタル型IAサーバのラインアップの中で、本機は2ウェイ(2プロセッサ)構成のワークグループ・サーバでは最上位機種となる(その下はPentium III-S、逆に上はIntel Xeon MP×4ウェイ構成だ)。また本機自体には、Intel Xeon-2.40GHz搭載モデルと1.80GHz搭載モデル、それにハードディスクを加えてWindows 2000 ServerをプレインストールしたExpressSelectionPackモデルという、合計3モデルが存在する。本稿では、2.40GHzモデルに増設メモリ(合計4Gbytes)やSCSI RAIDコントローラ、5台のハイエンドSCSIハードディスクが追加された評価機を試用した。

パーツ交換の容易な本体ケース

 まずは、本体ケースから見ていくことにしよう。フロント全体を覆っているカバー(フロント・ドア)を鍵で開けると、以下の写真のようにドライブ・ベイなどが露出する。

多数のドライブ・ベイが並ぶフロント・パネル (拡大表示:56Kbytes)
これはフロント・パネルを覆うカバーを開いたところ。の部分に装着されていたブラケット・カバーは、取り外して撮影している。
  インジケータLEDと各種スイッチ
 2系統のイーサネット・インターフェイスのそれぞれについて、インジケータLEDでアクセスの有無が確認できる。カバーを閉じても、これらのインジケータLEDの表示は参照可能だ。電源オン/オフだけではなく、リセットやスリープのためのスイッチまで用意されているのは、サーバとしては珍しい。枠内で一番下にあるのはUSBコネクタである。
  5.25インチ幅のドライブ・ベイ
 オプションとしてラインアップされているDDSテープ・ドライブやDVD-RAMドライブなどが実装できる。標準装備のCD-ROMドライブを含めて最大3台まで増設可能だ。
  ハードディスク・ベイ
 1インチ厚の3.5インチSCSIハードディスクを最大5台まで装着可能なドライブ・ベイ。ホットスワップも可能で、RAIDコントローラと組み合わせることで、ディスク・サブシステムの可用性を高めることも可能。また各種の管理機能にも対応しており、例えばバックプレーンの温度も監視できる。評価機には、15000RPMのハイエンドSCSIハードディスク5台が装着されていた。
  増設用ハードディスク・ベイ
 ここにはと同じドライブ・ベイを装着可能だ。これにより合計で最大10台のホットスワップ可能なハードディスクを内蔵できる。またのバックプレーンはそれぞれ別々のSCSIチャネルに接続できるので、2つのRAIDシステムに分けるなど、フレキシブルなSCSI接続が可能だ。

 一方、バック・パネルは一見すると、ATXフォーム・ファクタに対応するデスクトップPCとよく似た部品配置になっている。しかし、細部を見ると、サーバらしい仕様が随所に表れている。

耐障害機能のための装備が目に付くバック・パネル (拡大表示:58Kbytes)
これは電源ユニット1台と冷却ファン1基を、それぞれ半分取り外したところ。の電源ユニットやその下のI/Oパネル、拡張スロット(の左隣)の配置は、ミドルタワー型デスクトップPCとほぼ同じだ。
  冗長化が可能な電源ユニット
 標準で2台の電源ユニットが搭載されているが、冗長構成ではない。3台目を増設して初めて冗長構成となり、1台が壊れても電力を供給し続けられるようになる。また電源ケーブルも2本接続して冗長化できる。電源ユニット自体はレバー操作だけで容易に着脱可能だ。
  簡単に着脱可能な冷却ファン
 これは、マザーボードやドライブから出る熱をケース外部へ排出するための冷却ファン2基だ。どちらもケース・カバーを開けることなく、また工具も使うことなく容易に交換できる。プラスチックのレバーで固定されているだけだが、稼働中でも特にゆるみや異常な振動は感じられなかった。
  標準装備の2系統のイーサネット・インターフェイス
 上側のコネクタが10/100/1000BASE-T、下側のコネクタが10/100BASE-TXにそれぞれ対応している。ケーブル接続の間違いを防ぐためなのか、この2つのコネクタの向きは互い違いになっている。
  拡張カードを固定するためのレバー
 これらはケース内部で拡張カードのブラケットを固定している。このように外部に露出しているが、外部からレバーは操作できない(ケースを開けて、内部で操作する必要がある)。

 上の写真のとおり、個々の電源ユニットは薄型なので、風通しがあまり良くないように見える。しかし実際に稼働させたところ、ケース内部に配置された冷却ファンにより、電源ユニットの排気口から暖かい空気が流れ出ていた。排熱については、問題はないだろう。

 ケース内部にアクセスするには、2本のネジを手ではずして、側板を取り除く必要がある。

比較的見通しの良いケース内部 (拡大表示:89Kbytes)
これは、本体ケース左側の側板を取り外し、さらにダクト・カバー(詳細は次ページ参照)も外したところ。右側がフロント・パネル側で、銀色のドライブ・ベイが見える。その左脇には、冷却ファン3基とマザーボードが並ぶ。その上側に見えるのは電源ブロックで、これはまるごと取り外し可能だ。マザーボード上には、SCSIケーブルが少し被っているものの、メモリやプロセッサへは速やかにアクセスできる。

 こうしてみると、ケース全体の奥行きが比較的長く感じられる(675mm)。これは、ケースを横向きにして19インチ・ラックに装着できるように、高さを制限している分、奥行きを長めにして容積を稼いでいるように見える。設置時には、バック・パネルの排気スペース(150mm)も含めて奥行きを十分に取るよう気を付けたい。

 次のページでは、ケース内部の冷却システムに注目してみる。

  関連記事 
基礎から学ぶIAサーバ 2002年度版
IAサーバ製品カタログ 日本電気
 
  関連リンク 
Express5800/120Meの製品情報ページ
 
 
 
 
 INDEX
  Intel Xeon搭載サーバの工夫を検証する
  1.やや大きめだがメンテナンスのしやすいケース
    2.工夫が見られる冷却ファンでの排熱の仕組み
    3.高密度実装で標準規格対応のマザーボード
    4.Intel Xeonサーバか、Pentium III-Sサーバか?
 
目次ページへ  「System Insiderの解説」


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