解説

Windowsからのイメージ・バックアップが可能となった「V2i Protector 2.0」

2. 専用のレストアCD-ROMでシステムをレストア

元麻布春男
2003/09/19

解説タイトル


 ここまで見てきたようにWindows上で動作するV2i Protector 2.0の本体プログラムは、システムを含めたドライブ単位、パーティション単位のバックアップと、ドライブ/パーティション/ファイルやフォルダの各単位でのレストアが可能だ。しかし、システムを含むドライブについては、バックアップはできても、レストアすることができない。これを実現するために用意されているのが、PowerQuest Recovery Environment(PQRE、あるいはWinPEと呼ばれる)だ。

 PQREは、V2i Protector 2.0のレストア・プログラムを実行することに特化した「専用のWindows XP」である。プログラムCDからシステムを起動すると、PQREが立ち上がる。PQREから実行可能なことは、ドライブやパーティションのイメージを用いた完全なレストア、イメージのブラウズおよびファイルやフォルダ単位のレストアといったタスクのみである。付属のユーティリティを用いて、IPアドレスの設定やネットワーク・ドライブのマウント、マスターブートレコードの復元といったことは可能だが、Drive ImageのようにCDから起動してバックアップを行うことはできない。文字通り、レストアに特化したOSである。Drive Imageのようにブートディスクを作成することができないため、システムのレストアにはこのプログラムCDが必ず必要になる。

 システム・リカバリが専用のブータブルCDになったこと、ブートディスクの作成ができないことには、デメリットもある。シリアル・バス。インターフェイスに関しては、ホスト・インターフェイスが規格化されているため、将来のチップセットなどでも問題なく利用できると思われるが、ネットワーク・アダプタ(NIC)、SCSIやRAIDのアダプタ(ストレージ・アダプタ)などについては、PQREが対応している必要がある。添付のユーザーガイドでは、13ページ以上をサポートしているストレージ・アダプタやNICのリストに割いているほど、サポートは幅広い。

 それでも、今後新しいNICが登場した場合、互換性が問題になることは避けられない。実際、表1に記したマシン2のオンボードLANインターフェイス(CSA接続のギガビット・イーサネット・コントローラ)は、PQREでは認識されなかった(サポート・リストにはないが、マシン1のnForce2チップセット内蔵NICはPQREで利用可能だった)。マシン2のオンボードLANインターフェイスにはWindows XP用のドライバはあるのだが、書き換えできないブートCDでは追加のドライバとして組み込むことができない。この問題を解決するには、システム側にサポートされているNICをPCに組み込むことになる。この点、何らかの改善策が必要であると感じた。

 もう1つの問題は、バックアップを行うのに、必ずハードディスクにインストールされたWindowsを必要とすることだ。Drive ImageやV2i Protector 2.0はLinuxで使われるものも含め、さまざまなファイル・システムをサポートしている(表3)。Drive Imageであれば、ブートディスクを作成し、バックアップ時だけブートディスクから起動することで、Linuxボリュームのバックアップができた。しかし、V2i Protector 2.0ではブートディスクが作成できないし、ブートCD(PQRE)からバックアップを行うことができない。ハードディスクにV2i Protectorを起動するためのWindowsパーティションを用意しなければならないのだ。

ファイル・システム V2i Protector 2.0 Drive Image 2002
FAT16
FAT32
NTFS 4
×
NTFS 2000
NTFS 5.1
Linux ext2
Linux ext3
×
Linux Swap
表区切り
表3 V2i Protector 2.0とDrive Image 2002がサポートするファイル・システム

 こうした問題を軽減するため、V2i Protector 2.0の日本語版パッケージは変則的な構成となっている。V2i Protector 2.0に加え、これまで販売されてきたDrive Image 2002がバンドルされているのである。バージョンアップ版にはDrive Image 2002が含まれていないが、これはバージョンアップ・ユーザーの多くがDrive Imageを持っているためと思われる。ブートディスクを作成したり、ブータブルCD/DVDとしてバックアップデータを作成したりしたいユーザーは、Drive Image 2002を使ってほしい、というわけだ。

 確かにDrive Image 2002を併用することで、V2i Protectorに欠けている機能のほとんどは補完されるが、ext3ファイル・システムを利用したLinuxシステムなど、完全にカバーできないものも残る。PQREが英語ベースで日本語化されていないことも課題ではある。しかしこうした問題は、Microsoftのライセンスがかかわる問題だけに、PowerQuestならびにネットジャパンだけでは解決できないものかもしれない。とはいえ、Windows上のアプリケーションとなったV2i Protector 2.0が、現時点で最も先進的な機能を備えたイメージング・バックアップ・ソフトウェアであることは間違いない。記事の終わり

V2i Protector 2.0のデフォルト起動画面(基本表示)
ここでさまざまなタスクの中から希望のものを選択する。
 
ドライブのバックアップ・ウィザードの画面
ドライブを丸ごとバックアップする場合に用いるウィザード。このウィザードに従って進めると、指定したドライブが丸ごとバックアップできる。
 
起動画面で詳細表示をクリックした場合の画面
画面2で右側の詳細表示をクリックすると表示されるメニュー。増分バックアップなどは、この詳細表示から指定する。
 
スケジュールの指定画面
曜日や時間でバックアップを作成するタイミングの指定が可能である。このように細かくスケジューリングできるのは、Windowsプラットフォームに対応したおかげだろう。
 
V2i Protectorのイメージ・ブラウザ
エクスプローラ風の画面で、イメージの内容を確認したり、レストアするファイルやフォルダを指定したりができる。
 
システム・ドライブのレストアを実行すると表示される画面
Windowsからシステム・ドライブのレストアを指示すると表示される画面。システム・ドライブのレストアには付属のPQREを用いる必要がある。
 
 

 INDEX
  Windowsからのイメージ・バックアップが可能となった「V2i Protector 2.0」
    1.Windows対応アプリケーションになったDrive Imageの後継製品
  2.専用のレストアCD-ROMでシステムをレストア
  
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