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キーワードに見る2002年のサーバ・トレンド

1.2002年のサーバ動向を表すキーワード

デジタルアドバンテージ
2002/12/07


 2002年は、インテルからサーバ向けにIntel XeonやIntel Xeon MP、Itanium 2などのプロセッサが出荷されるなど、久しぶりにサーバ関連に大きな動きがあった。ここでは、サーバ関連キーワードから2002年のトレンドを追いかけてみよう。

プロセッサに関するキーワード

 2001年は、ワークステーション向けにIntel Xeonがリリースされたものの、サーバ向けについてはチップセットの開発の遅れからついに発表されることがなかった。クライアントPCがPentium III(P6)からPentium 4(NetBurst)へとアーキテクチャが移行する中、サーバは相変わらずPentium III Xeonが主流となっていた。2002年2月26日になり、やっとサーバ向けにもIntel Xeonの出荷が開始になり、サーバに関してもPentium III XeonからIntel Xeonへの移行が始まることとなった。さらに3月13日には、4プロセッサ以上のマルチプロセッサ構成にも対応するIntel Xeon MPが加わり、32bitのIAサーバは本格的なNetBurstアーキテクチャ時代へと突入した。

 また、7月9日にはItaniumプロセッサ・ファミリの第2世代製品であるItanium 2が出荷となり、プラットフォームも一新された。今回のItanium 2対応プラットフォームは、2004年に出荷が予定されている開発コード名「Montecito(モンテシト)」で呼ばれるプロセッサまでハードウェア/ソフトウェアの互換性が保たれるとしている(Itanium 2については「解説:64bit時代を先取りするItanium 2搭載サーバ『hp server rx2600』」を参照のこと)。

Intel Xeon
 Intelのサーバ/ワークステーション向けx86プロセッサ「Intel Xeon(インテル・ジーオン)」のうち、デュアルプロセッサ構成をサポートするプロセッサ。Intel Xeon MPと区別するため、Intel Xeon DPと呼ばれることもある。Pentium 4と同じNetBurstマイクロアーキテクチャを採用する。
 2002年11月19日に533MHz FSBをサポートした動作クロック2.80GHz/2.66GHz/2.40GHz/2GHzが追加されている。
 

Intel Xeon MP

 Intelのサーバ/ワークステーション向けx86プロセッサ「Intel Xeon(インテル・ジーオン)」シリーズのうち、4プロセッサ以上のマルチプロセッサ構成をサポートするプロセッサ。Pentium 4と同じNetBurstマイクロアーキテクチャを採用する。3次キャッシュをオン・ダイで内蔵しており、データベース・システムなどで高い性能を実現するという。
 Intel Xeon MPには、512K/1M/2Mbytesという大容量の3次キャッシュがプロセッサ・コアに統合されている。これは、マルチプロセッサ構成時に各プロセッサからのメモリ・アクセスが競合するほど性能が下がるため、3次キャッシュによりキャッシュのヒット率を高め、メイン・メモリへのアクセス頻度を抑える、という狙いがある。
 2002年11月5日に0.13μmプロセス製造を採用した1.50/1.90/2GHzがラインアップされている。
 

Itanium 2

 「Itanium」の後継であるIntelの第2世代の64bitプロセッサ。開発コード名は「McKinley(マッキンリー)」で、2002年7月9日から量産出荷が開始されている。
 Itaniumに比べてItanium 2は、クロック周波数が800MHzから最大1GHzに向上し、3次キャッシュがプロセッサ・コアと同一チップに統合されて高速化されている。また、FSBの帯域幅も2.1Gbytes/sから6.4Gbytes/sへと向上している。さらに、命令発行ポートと実行ユニットの数を増やすなど、マイクロアーキテクチャも改善されている。
Itaniumプロセッサ・ファミリの第2世代製品「Itanium 2」
3次キャッシュの内蔵や動作クロックの向上などの改良が加えられた。Itaniumに比べて1.5〜2倍の性能向上を実現している。
 
AMD Opteron
 AMDが開発中のサーバ/ワークステーション向け64bitプロセッサに名付けられたブランド名。開発コード名は「SledgeHammer(スレッジハマー)」で、2003年前半に登場する予定。x86-64テクノロジを採用しているほか、メイン・メモリを直接プロセッサ・コアに接続して高速化を図っている。また、高速I/Oインターフェイスの「HyperTransport(ハイパートランスポート)」を内蔵しており、これでプロセッサ間を接続することで、4〜8プロセッサ構成のマルチプロセッサ・システムを構築できるという。
 

サーバに関するキーワード

 これまでIAサーバの形状は、ペデスタル型(スタンドアロン型、タワー型)が一般的であった。しかし、通信事業者を中心にラックマント型サーバの需要が高まったことから、IAサーバにおいてもラックマント型サーバがラインアップされるようになった。さらに最近では、企業内のデータセンターにおいてもラックマント型サーバを利用する例が増えてきたことから、多くのサーバ・ベンダがラックマント型サーバを中心にラインアップを組むようになってきている。ペデスタル型サーバでも、オプションの取付金具を用いることで、ラックマントにできる製品が増えてきている。

■ペデスタル型サーバ
 スタンドアロン型サーバ、タワー型サーバとも呼ばれる床置きタイプのサーバのこと。数年前までは、IAサーバといえばペデスタル型サーバであったが、最近ではラックマント型サーバの方が主流になりつつある。
 

■ラックマウント型サーバ

 業界標準である19インチ(約482mm)幅のラック(棚)に搭載可能なサーバ。サーバの厚さにより、1Uサーバや2Uサーバなどと呼ばれる。1Uは厚さ約44mmの1区画を指す。最近では、ペデスタル型サーバであっても専用の取付金具を利用することにより、ラックに搭載可能なものが増えてきている。
 
ペデスタル型サーバの例 ラックマウント型サーバの例
富士通のペデスタル型サーバ「PRIMERGY H450」。このように床置きを前提としたケース・デザインが採用されている。 NECのラックマント型サーバ「Express5800/110Rd-1」。写真は1Uサイズのラックマント型サーバだが、本体の厚みを増やした2Uや4Uといったサイズを採用するものもある。
 

ブレード・サーバ

 1枚の回路基板にマイクロプロセッサやメモリ、ハードディスクなどのサーバを構成する機能を搭載し、これを必要に応じて複数枚接続することで、複数台のサーバと同等の構成を実現できるようにした形態。ブレード・サーバに搭載するサーバ基板を「サーバ・ブレード」と呼ぶ。「blade」には「刃のような平たい部分」という意味がある。
 ブレード・サーバが一般化する以前は、1Uサイズなどの高密度IAサーバを複数台接続して、スケール・アウトを実現する方法が一般的だった。これに対しブレード・サーバでは、同様の処理を基板単位の増設で行えるので、より少ない設置スペースと、より小さい電力消費でサーバの性能向上を達成できる。また電力消費が小さいため、それだけ熱効率も高いというメリットがある。2001年は、3Uサイズに約20台分のサーバ・ブレードを搭載可能にしたものが一般的であった。ところが2002年になると、3Uで6台分もしくは6Uで12台分と実装密度が低いものの、より高い性能を実現するタイプが登場し、こちらに主流が移りつつある。
 

■HPCC(High Performance Computing Cluster)

 複数台のIAサーバを用いた大規模並列計算を実現するクラスタ・システム。スーパーコンピュータと同等の性能を1/10のコストで実現可能になるという。特に構造解析や流体力学などの科学技術計算において威力を発揮する。現在はラックマント型サーバを十数台から数千台接続することでHPCCを構成するのが一般的である。しかし、今後はブレード・サーバなども利用されることになると思われる。

 次ページでは、2002年に各社が提唱した次世代情報システムのコンセプトやキーワードについて解説しよう。

  関連記事 
64bit時代を先取りするItanium 2搭載サーバ「hp server rx2600」
 
  関連リンク 
次世代サーバ/ワークステーション向けプロセッサ・ブランドを発表
 

 INDEX
  [キーワード] キーワードに見る2002年のサーバ・トレンド
  1.1.2002年のサーバ動向を表すキーワード
    2.次世代情報システムを表すキーワード
 
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