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進化するインターフェイスを知るためのキーワード

デジタルアドバンテージ
2003/01/23


 2003年はクライアントPC/サーバに採用される各種インターフェイスが大きく変わる年となる。ハードディスクのインターフェイスは現行のIDEから、2002年に規格化が完了したシリアルATAへと移り始める。現在、IDEハードディスクを採用するエントリ・サーバも、順次、シリアルATAに移行することになるだろう。また、2003年中ごろには、サーバ向けに拡張されたシリアルATA IIに対応した製品の登場が期待されており、これによりエントリ以外のサーバ・セグメントにおいても、広範囲にシリアルATA対応ハードディスクの採用が始まるものと見られている。

 拡張インターフェイスも、2003年末から2004年にかけて現行のPCIから、より性能を向上させたPCI Expressへと移行し始めることになる。サーバ向けは、一般にデスクトップPCに比べて動作検証などに時間がかかるため、PCI Expressへの移行が若干遅れることになりそうだ。しかし2004年後半には、サーバ内部のチップ同士を接続するインターフェイスとして、PCI Expressが採用されるようになるのは間違いない。外部拡張インターフェイスとしては、PCIならびにPCI-X、InfiniBandなどが引き続き利用されることになる。

 今回はキーワードとして、これらインターフェイス規格についてまとめてみた。記事の終わり

PCI
 プロセッサと周辺機器との間でデータ交換を行うための業界標準バス・アーキテクチャ。Intelを中心とした業界団体のPCI SIG(PCI Special Interest Group)によって「PCI Local Bus」として規格が策定された。PCIは、Peripheral Component Interconnectの頭文字を取ったもの。
 現在の最新バージョンは、PCI 2.3である。PCI 2.3では、バス幅は32bitまたは64bit、動作クロックは33MHzまたは66MHzが規格化されている。PCI 2.3では、これまで主流だった5Vのみで動作する、旧式の拡張カードのサポートが中止された(スロット側は、3.3Vと5Vの両方をサポートする)。なお、一般のデスクトップPCに採用されているのは、バス幅が32bit、動作クロックが33MHzのものである。
 
PCI-X
 PCIをベースに高速化を図ったバス・アーキテクチャ。Compaq ComputerとIBM、Hewlett-Packardが中心に開発した。規格策定はPCI同様、PCI SIGで行われている。
 
PCI-Xでは、PCIとハードウェア/ソフトウェアの両面で高い互換性を維持したまま、最大転送速度がPCIの2倍である1066Mbytes/sに向上されている。ギガビット・イーサネットやUltra160/320 SCSI、ファイバ・チャネルなどの高速なデバイスに対応するため、またギガヘルツ・クラスのプロセッサとの処理能力差を縮めるためにPCI-Xは開発された(これらの高速デバイスや、高速プロセッサを搭載したシステムで従来のPCIを使用すると、PCIバスがボトルネックになってしまう)。現在、サーバやワークステーションを中心として業界標準の拡張インターフェイスとなっている。
 PCI-Xには、バス・クロック周波数の違いにより、以下のような規格がある。既存のPCI-X 1.0は、PCI-X 66と133の2種類である。2002年7月に規格化されたPCI-X 2.0では、さらにPCI-X 266と533が追加されている。PCI-X 1066は、PCI-X 2.0の拡張として、現在規格の策定中にある。なおバス・クロック周波数が100MHzのPCI-Xは、PCI-X 133の派生という位置付けである。

 
規格 バス・クロック周波数 最大スロット数 最大転送速度
PCI-X 66 66MHz 4本 533Mbytes/s
PCI-X 133 100MHz 2本 800Mbytes/s
PCI-X 133 133MHz 1本 1066Mbytes/s
PCI-X 266 266MHz 1本 2133Mbytes/s
PCI-X 533 533MHz 1本 4266Mbytes/s
PCI-X 1066 1066MHz 1本 8533Mbytes/s
表区切り
PCI-Xの主な規格
 
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解説PCI-X 2.0とPCI Expressのインパクト(前編)
 
PCI Express
 Intelが提唱するチップセット間接続ならびに汎用拡張I/O向けのインターフェイス規格。2001年春に開催されたIntelの開発者向けカンファレンス「IDF Spring 2001」で公開された「3GIO」の正式名称。現在は、PCI SIGで規格化が行われている。PCI Expressは、グラフィックス・チップの接続に利用されているAGP、Intel独自のチップセット間接続規格であるHubLink、汎用拡張I/OのPCIなどを置き換えるものとなる。

関連記事
解説PCI-X 2.0とPCI Expressのインパクト(後編)
 
USB
 クライアントPC向けのシリアル・インターフェイス規格。対応機器として、キーボード、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカ、外部ストレージなどが多数出荷されている。USBでは、複数のデバイスをバス型で接続することが可能であり、USBハブと呼ばれる集線装置を利用することで、規格上は最大127個のデバイスを1台のPCに接続可能できる。またUSBでは、電源を入れた状態で抜き差しが行えるホットプラグ機能がサポートされる。
 USB 1.1までは、データ転送速度が最大12Mbits/sと、シリアル・ポートなどに比べれば速いが、IDEやSCSIなどストレージ向けインターフェイスと比べると決して高速とはいえなかった。しかしUSB 2.0では、最大480Mbytes/sのデータ転送速度を実現しており、DVD-RAMドライブなど比較的高速なストレージ・デバイスとの接続にも実用的に利用可能となっている。
 
IEEE 1394
 Appleが中心となり、家電メーカーなどの協力を得て規格化された高速シリアル・インターフェイス規格。「FireWire(ファイア・ワイヤ)」と呼ばれる場合もある。またデジタル家電製品などに搭載されたものは「i.LINK」と呼ばれ、普及しつつある。デジタル・ビデオ・カメラ(DV)やデジタルVTR、ディスク・ドライブ、イメージ・スキャナ、AV機器、セットトップ・ボックスなど、大容量のデータを高速に転送する必要があるデバイスなどで採用されている。各機器はデイジー・チェーン方式またはリピータ・ハブを用いたスター型接続となる。転送速度としては100Mbits/s、200Mbits/s、400Mbits/sの3種類があり、それぞれS100、S200、S400と表記される。なお、データ転送速度を高めるなどの拡張が施された後継規格「IEEE 1394b」も登場している。
 
シリアルATA
 IDE(ATA)の後継として開発されている次世代ディスク・インターフェイス。誕生当初からIDEがデータ伝送に8bitsまたは16bitsのパラレル伝送方式を採用していたのに対して、シリアルATAではその名のとおりシリアル伝送方式を導入しているのが大きな特徴である。
 このシリアル化により、従来のIDEの欠点だったケーブルの短さや、太いケーブルの取り扱いにくさが解消される。具体的には、IDEでは最長約46cmだったケーブルが、1mまでに拡張される。シリアルATAについては、すでに対応インターフェイス・カードや対応ハードディスクなどの販売が始まっている。
 

シリアルATA II

 シリアルATAをベースとして、主にサーバ向けに拡張した規格。シリアルATA 1.0に対して、2段階に分けて機能の拡張を予定している。
 第1段階では、コマンド・キューイングやアウト・オブ・オーダ実行などの機能拡張による性能向上、冷却ファンの制御や温度の検知などディスク・ユニットの管理・監視機能、ホットプラグの対応などが図られる予定だ。すでにドラフト規格は公開されており、近々正式規格として公表される予定だ。また、2003年中ごろまでに対応製品が出荷されると期待されている。
 第2段階では、データ転送速度をシリアルATA 1.0の150Mbytes/sから300Mbytes/sへ2倍に高速化することや、ドライブ接続数の拡張などが行われる。2003年後半に規格化を完了し、2004年中ごろまでに対応製品が出荷されるとみられている。
 

Fibre Channel(ファイバ・チャネル)

 データの伝送を行うための高速シリアル・インターフェイスの1つ。当初は物理伝送媒体として、光ファイバを利用していたが、その後にツイストペア・ケーブル(より対線)や同軸ケーブルのサポートが加わった。データ転送速度は、12.5Mbytes/s〜200Mbytes/sである。最近では、サーバとSANを相互に接続するための標準インターフェイスとして利用される例が増えている。

関連リンク
ファイバチャネル協議会ファイバ・チャネルとは
 

■InfiniBand(インフィニバンド)

 サーバ向け高速I/O規格。当初、サーバ向けI/O規格として、Intelを中心としたメンバーが規格化を行っていた「NGIO(Next Generation I/O)」と、IBMやCompaq Computer、Hewlett-PackardなどPCI-Xを推進していたメンバーが推す「Future I/O」と、別々に規格化されていた。それを「System I/O」として統合し、その後に名称を「InfiniBand」に変更して業界標準規格とした。現在では、前記メンバーが中心となって設立されたInfiniBand Trade Association(IBTA)によって規格がまとめられている。
 InfiniBandには、シリアルI/O技術が採用されており、1本のシリアル・リンクが片方向2.5Gbits/s、双方向で5Gbits/sのデータ転送を可能とする。このシリアル・リンクを必要とするデータ帯域により、1本(x1)、4本(x4)、12本(x12)束ねることができる。InfiniBandは、外部拡張インターフェイスとしての利用も可能で、銅線で最大17m、光ファイバで10kmまでの接続をサポートする。
 現在InfiniBandは、サーバ−サーバ間(クラスタリングやデータ・センター内のサーバ間接続)、サーバ−ストレージ間の接続に採用が始まっており、将来的にはブレード・サーバのバックブレーンへの適用が予定されている。


関連記事
元麻布春男の焦点Intelの開発撤退がInfiniBandに与える影響
関連リンク
InfiniBand Trade AssociationInfiniBandの概要英語
 

iSCSI

 IPパケットで包んだSCSIコマンドを使うことで、IPネットワーク上でコンピュータとストレージ間のデータ通信を行うためのプロトコル規格。iSCSIでは、ストレージ機器で一般的なSCSIコマンドを採用したことにより、既存のアプリケーションとの高い互換性を維持したまま、ネットワーク・ストレージへの対応が行えることを特徴としている。
 
 
  関連記事
PCI-X 2.0とPCI Expressのインパクト
Intelの開発撤退がInfiniBandに与える影響
 
  関連リンク
PCI、PCI-X、PCI Expressの規格について英語
ファイバ・チャネルとは
InfiniBandの概要英語
 
 
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