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2004年版まる分かり開発コード名

5. AMD製プロセッサの開発コード名

元麻布春男
2004/01/30

 AMD Athlonでは、馬の品種を開発コード名としていたが、AMD64(AMDの64bitアーキテクチャ名)世代では、世界各地の比較的有名な町の名前を採用することにしたようだ。Intelがなじみの薄い米国のオレゴン州やワシントン州の小さな町の名前を採用しているのとは大きく異なる。

2003年11月現在のAMDのプロセッサ・ロードマップ
それぞれの特徴については、下記の開発コード名を参照していただきたい。
 
■Barton(バートン)
 AMD Athlon XP Model 10ならびにAMD Athlon MP Model 10に用いられた32bitプロセッサ・コア。0.13μmプロセスで製造され、512KbytesのL2キャッシュを内蔵する。2003年2月から投入された。
 
■Thorton(ソートン)
 2次キャッシュをBartonコア(512Kbytes)の半分の256Kbytesに減らしたAMD Athlon XP。BartonコアのAMD Athlon XPはリリース時点においてAMDのハイエンド・デスクトップPC向けプロセッサであったが、AMD Athlon 64の登場により位置付けを変えたための措置と見られる。Bartonと同じ0.13μmプロセスで製造され、2003年秋に登場した。
 
■SledgeHammer(スレッジハマー)
 2003年4月にリリースされたAMD64アーキテクチャに基づくプロセッサ・コア。1Mbytesの2次キャッシュを内蔵し、0.13μmのSOIプロセスで製造される。サーバ/ワークステーション向けのAMD Opteronに用いられるほか、ハイエンド・デスクトップPC向けのAthlon 64 FXにも採用された。AMD Athlonの32bitアーキテクチャを64bitへ拡張しているため、32bit OS、64bit OSの両方に対応可能なことが最大の特徴である。メモリ・コントローラを内蔵している点もAMD64アーキテクチャの特徴で、SledgeHammerではデュアルチャネルのレジスタ付DDRメモリをサポートする。メモリ・コントローラを内蔵したAMD64アーキテクチャには、いわゆるFSBは存在しないが、I/O用にAMDが開発した狭バス幅インターフェイスであるHyperTransportをサポートする。
 
■ClawHammer(クローハマー)
 AMD64アーキテクチャに基づくクライアントPC向けプロセッサ・コア(AMD Athlon 64)。SledgeHammerとの違いは、メモリ・バスが通常のDDRメモリ(アンバッファード)をサポートしたシングルチャネルであること。2003年9月のリリース当初は内蔵2次キャッシュが1Mbytesのものだけだったが、512Kbytes版が追加されている。
 
■Newcastle(ニューキャッスル)
 ClawHammerの後継となるデスクトップPC向けAMD Athlon 64。2004年前半の投入が予定されている。0.13μmプロセスのSOIプロセスで製造される点は変わらないが、2次キャッシュ容量を減らすなどして、ダイ・サイズの縮小を図ると見られている。その代わりにメモリ・バスを、通常のDDRメモリに対応したデュアルチャネルに変更する。
 
■Athens(アテネ)
 2004年後半に登場するAMD64アーキテクチャに基づくサーバ/ワークステーション向けプロセッサ・コア。ハイエンド向けで最大8ウェイのマルチプロセッサに対応する。90nmのSOIプロセスで製造される。通常の消費電力のバージョンに加えて、低消費電力版も用意される予定だ。
 
■Troy(トロイ)
 2004年後半に登場するAMD64アーキテクチャに基づくサーバ/ワークステーション向けプロセッサ・コア。最大で4ウェイのマルチプロセッサに対応する。90nmのSOIプロセスで製造される。通常の消費電力のものだけではなく、低消費電力版も用意される予定だ。
 
■Venus(ベニス)
 2004年後半に登場するAMD64アーキテクチャに基づくサーバ/ワークステーション向けプロセッサ・コア。マルチプロセッサ構成に対応しない、シングルプロセッサ向けのローエンド・バージョンで、90nmのSOIプロセスで製造される。通常の消費電力のバージョンに加えて、低消費電力版も用意される予定だ。
 
■San Diego(サンディエゴ)
 SledgeHammerに代わり2004年後半からAMD Athlon 64 FXを継承するAMD64プロセッサ・コア。90nmのSOIプロセスで製造され、レジスタ付メモリをデュアルチャネルでサポートする。
 
■Winchester(ウィンチェスター)
 Newcastleの後継となるクライアントPC向けAMD Athlon 64プロセッサ・コア。2004年後半のリリースと登場間隔が短いことから、Newcastleを90nmのSOIプロセス製造に変更しただけのものになると思われる。
 
■Paris(パリ)
 Thortonの後継となるデスクトップPC向けAMD Athlon XP。SOIを用いた0.13μmプロセスを用いることしか明らかにされていない。2004年後半に登場する見込み。
 
■Odessa(オデッサ)
 2004年後半の登場が予定されているモバイル向けのAMD Athlon 64プロセッサ・コア。同時期に登場するほかのプロセッサと同じく90nmのSOIプロセスで製造される。Winchesterのモバイル版と考えられる。
 
■Dublin(ダブリン)
 2004年後半に登場する予定のモバイルAMD Athlon XP-Mプロセッサ・コア。0.13μmのSOIプロセスで製造されることからも、Parisのモバイル版と考えられる。恐らくこの時点ではモバイルAMD Athlon 64では対応が難しい薄型ノートPCや低価格ノートPCをターゲットにしたものと思われる。
 
■Oakville(オークヴィル)
  2005年前半投入予定のモバイルAMD Athlon 64。Odessaの後継だが、製造プロセスなどに変更はない。どのような改良が施されるのか明らかにされていないが、消費電力の低減をすすめ、薄型ノートPCへの搭載を可能にするのではないかと思われる。
 

 INDEX
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    1.開発コード名はなぜ地名が多いのか
    2.Intel製クライアントPCとサーバ向けプロセッサの開発コード名
    3.Itaniumプロセッサ・ファミリとモバイル向けプロセッサの開発コード名
    4.Intel製チップセットと新技術/機能
  5.AMD製プロセッサの開発コード名
 
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