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2006年のサーバ・プラットフォームを理解するためのキーワード

デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2005/10/15

 2005年10月11日にインテルが、サーバ向けにデュアルコア・プロセッサ「デュアルコアIntel Xeon」を発表したことで、サーバのデュアルコア化が幕を開けた。もちろん、AMDはすでにサーバ向けとしてデュアルコアAMD Opteronを出荷しており、インテルもユニプロセッサ向けとしてPentium Dをサーバ用途にも出荷している。そのため、デュアルコアIntel Xeonが初のサーバ向けのデュアルコア・プロセッサではない。しかし、サーバ向けプロセッサとして主力のIntel Xeonがデュアルコア化された影響は大きい。

 2006年第1四半期には、Intel Xeon向けのプラットフォーム(チップセット)の変更が予定されており、FB-DIMMと呼ばれる新しいメモリ・インターフェイスが採用される。また2005年内にリリースされる予定のデュアルコアIntel Xeon MPでは、2006年に仮想化支援機能「Intel Virtualization Technology」が有効化されることを明らかにしている。このようにインテルは、サーバ向けプラットフォームに対して次々と新しい技術を導入している。ここでは、それら2006年のサーバ・プラットフォームを理解するためのキーワードを取り上げることにする。

■x64
  x86アーキテクチャをベースに64bit拡張を行ったAMD64とEM64Tの総称。Microsoftは、Windows XP SP2をベースに、これら64bit拡張をサポートするWindows XP Professional x64 Editionを出荷している。

関連リンク:
@IT:解説:IA-32の64bit拡張がもたらすもの
@IT:特集:x86互換の64bitプロセッサ「AMD Opteron」の実力と課題
 
■*Ts(スター・ティーズ)
 Hyper-Threading Technology(HT)、Intel Extended Memory 64 Technology(EM64T)、Intel Virtualization Technology(VT)、Intel Active Management Technology(iAMT)、Intel I/O Acceleration Technology(I/OAT)、LaGrande Technology(LT)など、インテルがプロセッサやプラットフォームに投入済み/予定の技術の総称。インテルでは、今後も*T'sに新しい技術を追加していくとしている。

関連リンク:
@IT:解説:2005年のIntelのプロセッサ戦略が明らかに 1. デュアルコアと5つのTを推進するIntel
 
■DBS(Demand-Based Switching)
 ノートPC向けプロセッサで採用されている省電力技術「拡張版Intel SpeedStep Technology」をサーバ向けプロセッサに応用した技術。プロセッサ負荷に応じて、動作クロックと電圧を制御することで、プロセッサの消費電力を低減する。インテルによれば、最大30%程度の省電力効果があるという。
 
■FB-DIMM(Fully Buffered DIMM)
 次世代Intel Xeon向けのプラットフォーム「Dempsey(開発コード名:デンプシー)」で採用されるメモリ・モジュールの規格。Dempsey以降、順次、サーバ向けプラットフォームではFB-DIMMが採用されることが発表されている。

 FB-DIMMは、DIMM基板上にAMB(Advanced Memory Buffer)と呼ぶチップを実装することで、DDR2などの既存のDRAMチップを利用しながら、DIMMとメモリ・コントローラ間をPCI Expressをベースにしたシリアル・インターフェイスで接続可能にするものだ。メモリ・コントローラ側のインターフェイスとメモリ・デバイス側のインターフェイスが分離されるため、AMBチップを交換することにより、1つのチップセットで複数世代のDRAMに対応可能になる。例えば、当初のFB-DIMMはDDR2 DRAMが採用されるが、FB-DIMMがDDR3 DRAMなどに移行しても、メモリ・コントローラ(チップセット)を変更せずに対応することもできる。

 なおAMDも、AMD Opteron(メモリ・コントローラがプロセッサに内蔵されている)でFB-DIMMに対応することを明らかにしている。
 
■Intel Virtualization Technology(VT)
 システムの仮想化を支援するプロセッサに実装される技術。最終的には完全に独立した、すべての仮想マシンが等しく扱われる完璧な仮想化を実現する見込みだが、その前段階としてフルスペックの仮想マシンと一部機能が制限された仮想マシンが並立する2段階での実装が予定されている。初期段階においては仮想マシンの管理を行うVMM(Virtual Machine Monitor)を特定のホストOSで実行し、そこからゲストOSを起動する形となるようだ。
 
■Pacifica(パシフィカ)
 Intel Virtualization Technologyに対応するAMDのシステム仮想化支援技術。2006年上半期にAMDのクライアント向けプロセッサおよびサーバ向けプロセッサに実装される予定だ。
 
■Intel I/O Acceleration Technology(I/OAT)
 ネットワーク・コントローラ、デバイス・ドライバ、アプリケーション間の通信を、プロセッサ、ネットアーク・コントローラ、デバイス・ドライバ、メモリ・コントローラ、ソフトウェアといったすべてをコンポーネント・レベルで最適化することで、I/O処理に伴うプロセッサの負荷を軽減しようという技術。インテルによれば、ネットワーク接続されたクライアントとサーバ・アプリケーション間の通信を最大30%向上させることが可能であるという。2006年にプロセッサならびにチップセットに実装される予定となっている。
 
■Intel Active Management Technology(iAMT)
 さまざまなプラットフォームを対象にした遠隔地からのシステム管理を容易にする技術。iAMTにより、管理者は遠隔操作でプラットフォームにアクセスし、診断やリカバリ、インベントリ管理などが実行できるようになる。OSやシステムの電源状態に関係なく、アウトバンド通信を利用してアクセスできるハードウェア/ファームウェア・ソリューションである。

 サーバによっては、すでに同様の機能をリモート管理機能としてオプションで用意しているが、インテルではこの技術をサーバ・プラットフォームの標準機能とすることでダウンタイムや運用コストの低減が可能になるとしている。
 
■LaGrande Technology(ラグランデ・テクノロジ)
 MicrosoftのNext-Generation Secure Computing Base(NGSCB)に対応するセキュリティ機能。プラットフォーム全体でセキュリティ機能を実現するには、チップセット、周辺I/Oコントローラ、OSなどトータルでのサポートが必要となるため、現時点では有効化されていない。2006年登場予定のWindows Vistaからサポートされる予定。
 
■Presidio(プレシディオ)
 IntelのLaGrande Technologyに対応するAMDのセキュリティ機能。MicrosoftのNext-Generation Secure Computing Base(NGSCB)に対応する。仮想化支援機能のPacifica(パシフィカ)とともに、2006年上半期にリリースされるプロセッサから実装される予定だ。
 
■Pellston(ペルストン)テクノロジ
 デュアルコアItaniumで導入される予定の信頼性向上技術。エラーの発生したキャッシュ・ラインに再書き込みテストを行うことで、エラーがハードウェアによるものか否かを診断する。ハードウェア・エラーと判断された場合は、当該のキャッシュ・ラインを無効にすることで、大容量の3次キャッシュを安全に利用可能にするという技術である。
 
■Foxton(フォックストン)テクノロジ
 デュアルコアItaniumで導入される予定の性能向上技術。プロセッサの消費電力(温度)と動作クロックを動的に変更することで、性能と信頼性の向上を図る。消費電力に余裕がある場合、プロセッサの動作周波数を定格以上に高めることが可能な一方で、一定の消費電力枠内で最大の性能となるよう最適化することもできる。記事の終わり
 
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