特集
ブレード・サーバの真実と未来

2. OSセットアップまでリモートから行うProLiant BL

デジタルアドバンテージ
2002/06/28


 前のページに引き続き、ProLiant BL e-Classについてチェックしていこう。

サーバ・ブレードのフロントパネル部分
このようにレバーを操作するだけで、サーバ・ブレードの着脱は容易に行える。取り外す際、エンクロージャ全体の電源をオフにする必要はなく、取り外すサーバ・ブレード単体の電源をオフにするだけで済む(各サーバ・ブレードは別々に電源をオフにできる)。
  各種インジケータLED。ハードディスクやネットワークのアクセス状況などがチェックできる
  電源ボタン兼LED。これを押すことで、そのサーバ・ブレードだけの電源をオン/オフしたり、OSをシャットダウンしたりできる
  コンソール接続用アダプタを装着するコネクタ。キーボードやマウスなどをサーバ・ブレードにつないで操作するには、ここにアダプタを装着する必要がある→
 
サーバ・ブレードにコンソール接続用アダプタを装着したところ
このアダプタにより、PS/2キーボードやマウス、ディスプレイを接続し、サーバ・ブレードをコンソールから直接制御できるようになる。またシリアル接続デバイスやUSBデバイスも利用できるようになる。ただし、あくまでもこのアダプタはトラブル時などの診断用であり、常設しておくものではない。通常はイーサネット経由でリモート管理する。アダプタが幅広で、隣り合ったサーバ・ブレードには同時に装着できないのも、こうした設計思想によるものだろう。

 
イーサネット接続部分を差し替え可能なBL e-Classエンクロージャ

エンクロージャのリアパネル
両端は2基の電源ユニットで、その間は空冷ファンを内蔵したユニットである。下段のインターコネクトトレイ(写真では少し手前に引き出してある)は、サーバ・ブレードのイーサネット・インターフェイスと外部ケーブルを接続するほか、リモート管理の役割を担う。
 
ホットスワップ可能な電源ユニットと空冷ファン
電源ユニットは二重化されており、片方が故障しても運用を継続できるし、またホットスワップ対応により交換作業も運用中に行える。中央のユニットに収められた空冷ファンもまた、故障時には通電したままで交換可能だ。その下のインターコネクトトレイも交換可能だが、ホットスワップには対応していない。
 
取り外したインターコネクトトレイ
これはRJ-45コネクタ対応のパッチパネルと呼ばれるもの。サーバ・ブレードが持つ2系統のイーサネット・インターフェイスを、そのまま1対1でRJ-45コネクタに接続する。
  この基板は、内蔵アドミニストレータ・モジュールと呼ばれる管理用ボード。各サーバ・ブレードやエンクロージャの状態(温度やファンの稼働状態など)を、パッチパネルとは別系統のイーサネット経由で監視できる。

 インターコネクトトレイは全部で3種類あり、用途に応じて選択できる。例えばギガビット・イーサネット・スイッチのトレイを利用すると、合計40系統ものイーサネットを4系統のギガビット・イーサネットにまとめてから、外部機器と接続できる。最大40本ものケーブルを配線せずに済むというメリットがある。

リモート管理/制御機能の充実度がポイント

 以上のようにProLiant BL e-Classには、フロッピードライブやCD-ROMドライブが装備されていない。では、どうやってサーバ・ブレードにOSをインストールするのだろうか? 答えは、ネットワーク経由での自動インストールだ。ProLiant BL10eは、ネットワーク経由で電源をオンさせるWake On LANや、ネットワーク上のサーバからプログラムをロードして起動するPXE(Pre-Boot eXecution Environment)に対応している。これらの機能を使うと、電源オフの状態からサーバ・ブレードを起動してOSのインストールが完了するまで、コンソールに触れずにネットワーク経由のリモート操作で実行できる。いったんOSがインストールできれば、後はWindows 2000のターミナル・サービスなどOS標準のリモート管理機能を利用して運用できる。ただし、OSが起動しないなどの深刻なトラブルが生じたら、コンソール接続用アダプタを使って直接サーバ・ブレードにアクセスする必要がある。

サーバ環境構築ツール「Rapid Deploymentパック」の操作画面
これはコンパックが販売しているオプション・ツールの1つ。1台の管理用サーバからネットワーク上の複数マシンに対し、OSの自動インストールを可能にする。実際、管理用サーバさえ設置してしまえば、後はわずかな設定と操作でWindows 2000のインストールをネットワーク経由で実行できた(ProLiant BL10eとそのコンソールにはまったく触れる必要がなかった)。なお、Rapid DeploymentパックはProLiant BL10e専用ではなく、ほかのコンパック製サーバでも利用できる。
  ネットワーク経由で発見されたサーバやエンクロージャの一覧。各サーバの電源のオン/オフや再起動、ターミナル・サービスの起動などが実行できる
  対象のコンピュータ(ここではブレード・サーバ)に対して実行可能な各種イベント。ここからイベントを選んでにある対象サーバへドラッグ&ドロップするだけで、OSのインストールなどを開始できた(事前にOSをセットアップするための設定はいくつか必要だが)

 次のページからは、もう1機種のブレード・サーバ「TrustGuard/HiServer」を見ていこう。

  関連記事 
高密度サーバはどこに向かうのか?
基礎から学ぶIAサーバ 2002年度版
ブレード・サーバに見る信頼性と冗長性の関係
Dellが考える高密度サーバの世界
IAサーバ製品カタログ
 
  関連リンク 
ProLiant BL e-Classの製品情報ページ
Rapid Deploymentパックの製品情報ページ
TrustGuard/HiServerの製品情報ページ
 
 

 INDEX
  [特集]ブレード・サーバの真実と未来
    1.高密度最優先のブレード・サーバ「ProLiant BL」
  2.OSセットアップまでリモートから行うProLiant BL
    3.2種類のブレードをラインアップするTrustGuard/HiServer
    4.コンソールからフロッピーまで共有可能なTrustGuard/HiServer
    5.2タイプに分かれてきた最新ブレード・サーバ
    6.現在のブレード・サーバが抱える課題とは?
 
 「System Insiderの特集」



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