特集
NAS導入事始め

2. NASの設定を試してみよう

デジタルアドバンテージ
2002/06/20


NASの実際

 NASがどういったものかある程度分かったところで、実際にPowerVault 715Nを設定してみよう。PowerVault 715Nには、プロセッサと搭載するハードディスクの容量などの違いにより、以下の3モデルが用意されている。

モデル名 プロセッサ ハードディスク容量 メモリ容量 価格(2002年6月現在)
160GBモデル Celeron-850MHz 40Gbytes×4台 384Mbytes 21万4000円
320GBモデル Pentium III-1.0GHz 80Gbytes×4台 384Mbytes 32万4000円
480GBモデル Pentium III-1.0GHz 120Gbytes×4台 512Mbytes 42万4000円

 今回は、PowerVault 715N 160GBモデルを試用した。160GBモデルの場合、工場出荷時のハードディスクの構成は下図のようになっている。OSのWindows Powered NASは、「Disk 0とDisk 1」、「Disk 2とDisk 3」の2つのミラーリング・セットにインストールされている。これは、片方のミラーリング・セットが故障してブート不能になった場合でも、修復が行えるようにするための措置(バックアップ)だ。つまり、OS格納領域はミラーリングとバックアップという二重の備えがなされているわけだ。ユーザー自身がOSを再インストールできないNASならではの耐障害性重視の設計といえよう。またOS以外の領域は、Disk 0、Disk 1、Disk 2、Disk 3の4台のハードディスクでRAID 5を構成し、データ領域としている。利用可能なデータ領域は、約102Gbytesとなる。

PowerVault 715N 160GBモデルのハードディスク構成
40Gbytesのハードディスクが4台内蔵されている。「Disk 0とDisk 1」、「Disk 2とDisk 3」のそれぞれ約3Gbytesがミラーリングされ、OSがインストールされている(OSは2つのミラーリング・セットにインストールされている)。各ハードディスクの残り容量は、RAID 5でデータ領域に割り当てられている。データ領域は、合計で約102Gbytesとなる。

 PowerVault 715Nの設定は、イーサネットに接続することから始まる。PowerVault 715Nは2系統の10/100BASE-TXを搭載しており、インテルのALB(Adaptive Load Balancing:負荷分散機能)とAFT(Adapter Fault Tolerance:耐障害機能)に対応している。ALBでは、負荷を均等に2系統のインターフェイスに配分することで通常の2倍のバンド幅を確保できる。また、AFTではイーサネット・コントローラ同士が協調することで、互いの状態を監視し、障害が発生した場合に動作しないコントローラを自動的に切り離し、運用を継続させることが可能だ。ALBとAFTの対応により、この2系統のイーサネットはユーザーからは単一のイーサネットとして見えることになる。

 PowerVault 715N自身のIPアドレスは、初期状態ではDHCPサーバによる自動取得に設定されている。DHCPサーバがないような環境では、Webブラウザを使った設定が行えないので、シリアル・ポートにPCを接続してコンソールで初期設定を行うことになる。最近では、ブロードバンド・ルータがDHCPサーバ機能を持っているので、シリアル・ポートを使って設定することはないだろう。

 PowerVault 715Nの起動には約15分かかる。アプライアンス・サーバのため画面表示が行われず、起動の過程がはっきり表れないので若干不安になるが、フロントパネルのLEDがエラー(オレンジ色の点滅)を示していなければ、無事に起動するはずだ。しばらくすると、同一ネットワークに接続されたクライアントPCの[マイ ネットワーク]に[Nasgroup]というワークグループができ、その中に[Dell90w4x01]といったサーバ名が現れるはずだ。なお、[Dell90w4x01]という名称はDell+サービス・タグ・ナンバーとなっているため、複数台を同時に導入しても同じ名前が衝突することはない(サービス・タグ・ナンバーは1台ごとにユニークに割り当てられるため)。

 PowerVault 715Nがネットワークに接続されたところで、同一ネットワーク上のクライアントPCを使って、[Dell90w4x01]のIPアドレスをpingコマンドなどで確認する。Windows Powered NASでは、クライアントPCのWebブラウザで設定を行うためのWeb UIが実装されているので、この後の設定はクライアントPCのWebブラウザを使って行う。つまり、このIPアドレスに対して、Webブラウザを使ってアクセスすることで、PowerVault 715Nの設定を行うわけだ。

Web UIによるNASの設定

 Web UIの画面は以下のようになっている。最初に[開始]タブで「管理者パスワードの設定」と「サーバー アプライアンス名の設定」を行った後は、[ユーザー]タブと[共有]タブだけを設定すればよい。

大きな画面へ
Web UIの[開始]タブ画面
最初に「管理者パスワードの設定」と「サーバー アプライアンス名の設定」を行う。

 ワークグループ・ネットワークで利用する場合、まずワークグループ名を設定し、ローカル・グループとローカル・ユーザーの登録を行う。ドメイン・ネットワークで利用する場合は、ドメイン名を設定することで、グループとユーザーの管理がドメインと統合されるため、PowerVault 715N上にローカル・グループやローカル・ユーザーを作る必要はない。

大きな画面へ
「サーバー アプライアンス名の設定」画面
ワークグループ・ネットワークかドメイン・ネットワークかの設定もここで行う。
  [サーバー アプライアンス名]:このサーバの名前を入力する
  [メンバ]:ワークグループ・ネットワークかドメイン・ネットワークのどちらかを選択し、ワークグループ名もしくはドメイン名を入力する
  入力後、[OK]をクリックする。確認メッセージの表示後、再起動が行われる
 
大きな画面へ
[ユーザー]タブの画面
ローカル・ユーザーの登録や管理を行える。
  [新規]をクリックすると新規ユーザーが登録できる→
  ユーザーの設定を変更する場合は、変更したい名前を選択する
  [パスワードの設定]でパスワードの設定や変更、[プロパティ]でそのほかのユーザー情報の変更が行える
 
大きな画面へ
[新しいユーザーの作成]画面
ユーザーの新規作成を行う。
  ユーザー名を入力する
  パスワードを設定する。同じパスワードを2回入力する
  このユーザーのホームディレクトリを設定する場合は、ここに(PowerVault 715N内部での)パスを入力する。

 この作業を繰り返し、PowerVault 715Nを共有するユーザーをすべて登録する。次に共有するフォルダの作成を行う。この作業も共有したいフォルダすべてに対して行う。少人数による共有ならば、アクセス制御はデフォルトの「Everyoneフルコントロール」にしておき、運用でカバーするという方法もあるだろう(それでも、最低限のアクセス制御を行った方が安全だが)。

[共有]タブの画面
共有フォルダの作成やプロパティの設定が行える。
  [新規]をクリックすると新規の共有フォルダを作成する→
  設定を変更する場合は、変更したい共有名を選択する
  [プロパティ]をクリックすると、設定の変更が行える
 
[新しい共有の作成]画面
共有名と共有パス、共有プロトコルの設定を行う。Windowsクライアントだけならば、[Microsoft Windows(CIFS)]のみをチェックしておけばよい。
  共有フォルダの共有名を入力する
  共有フォルダのパスを入力する。フォルダが存在しない場合に自動的にフォルダを作成する場合は、右側のチェック・ボックスを選択しておく
  共有フォルダにアクセスするクライアントのプロトコルを設定する。Windowsクライアントだけしか存在しない場合は、[Microsoft Windows(CIFS)]のみを選択しておけばよい
  共有フォルダのアクセス制御を行いたい場合、左側にあるこのメニューで[CIFS共有]を選択する。→
 
[共有プロパティ]画面
デフォルトでは、Everyoneフルコントロールとなる。アクセス制御を行う場合は、ここでアクセス許可を設定する。
  アクセス許可の設定を行いたいユーザーまたはグループを選択する
  許可の内容を選択する
  [追加]でアクセス許可が追加される
  ここにアクセス許可を行ったユーザーまたはグループ名が追加される

  これで、PowerVault 715Nをワークグループ・ネットワークで共有できるようになった。次ページでは、ドメイン・ネットワークによる共有について見ていこう。


 INDEX
  [特集]NAS導入事始め
    1.NASの概要と選択ポイント
  2.NASの設定を試してみよう
    3.ドメインによるNASの統合の実際
    4.NASのハードウェアを見てみよう
    5.NASのメリット/デメリット
 
 「System Insiderの特集」


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