特集

Rambusは終えんを迎えてしまうのか?
――交錯するRambusとIntelのPCメモリ戦略――

元麻布春男
2002/07/20


 PCに搭載されているメイン・メモリは、プロセッサほどではないにしろ、PC全体の性能に大きな影響を与える重要なコンポーネントである。特に大規模なデータ処理を行うコンピュータ・システムでは、低速なディスクI/Oの処理効率を高めるため、OSやアプリケーションがさまざまなところでデータ・キャッシュをメイン・メモリに展開しており、メイン・メモリのアクセス性能が実質的なシステム全体のパフォーマンスを支配するケースが少なくない。

 そのメイン・メモリの勢力地図が、デスクトップPC市場で変化し続けている。2002年7月の時点でデスクトップPCのメイン・メモリは3種類もあり、それぞれの勢力は大きく異なる。かつては次世代メイン・メモリの最有力候補だったDirect RDRAMはいまやハイエンドPCやワークステーション向けの小さな市場にしか残っておらず、ボリュームの大きなメインストリームの市場はDDR SDRAMに占有されつつある。こうした状況下にもかかわらず、Direct RDRAMの開発元のRambusは、さらに速度を向上させた規格をリリースしたり、次世代メモリ・インターフェイスを発表したりするなど、活発な動きを見せている。果たしてデスクトップPCのメイン・メモリはどうなるのか、特にRambusの動向に焦点を当てつつ、インタビューとベンチマーク・テストの結果などから解き明かしてみたい。

 

 INDEX
[特集]Rambusは終えんを迎えてしまうのか?
    1.RDRAMの高速化に将来を託す
    2.家電やネットワーク機器で生き残るRambus
    3.RDRAMの将来性を検証する
    4.ベンチマーク・テストの詳細結果
 
 「System Insiderの特集」


System Insider フォーラム 新着記事
  • Intelと互換プロセッサとの戦いの歴史を振り返る (2017/6/28)
     Intelのx86が誕生して約40年たつという。x86プロセッサは、互換プロセッサとの戦いでもあった。その歴史を簡単に振り返ってみよう
  • 第204回 人工知能がFPGAに恋する理由 (2017/5/25)
     最近、人工知能(AI)のアクセラレータとしてFPGAを活用する動きがある。なぜCPUやGPUに加えて、FPGAが人工知能に活用されるのだろうか。その理由は?
  • IoT実用化への号砲は鳴った (2017/4/27)
     スタートの号砲が鳴ったようだ。多くのベンダーからIoTを使った実証実験の発表が相次いでいる。あと半年もすれば、実用化へのゴールも見えてくるのだろうか?
  • スパコンの新しい潮流は人工知能にあり? (2017/3/29)
     スパコン関連の発表が続いている。多くが「人工知能」をターゲットにしているようだ。人工知能向けのスパコンとはどのようなものなのか、最近の発表から見ていこう
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

System Insider 記事ランキング

本日 月間